評価の流れとフィルター処理

評価方法の流れ

ISO 25178表面性状(面粗さ測定)の各パラメータは、次の手順で求めます。

  1. 原表面に対して表面フィルター(Sフィルター)処理を行い、基礎表面を求めます。
  2. 評価内容に応じて、更に表面フィルター(F-オペレーターやL-フィルター)処理を行い、計測表面を求めます。
  3. 計測表面に対して、評価領域を指定します。
  4. 計測表面に対応する基準表面を求め、各パラメータを演算します。

フィルター処理について

フィルター処理に関する規格については、現在もISOで検討が続けられています。ここではS-フィルター、L-フィルターの処理方法として検討されているフィルター処理を紹介します。

ガウシアンフィルター

ガウシアンフィルターは、ガウス関数を利用してノイズを除去する平滑化フィルターの一つです。表面粗さ測定においては、JIS B 0632:2001(ISO 11562:1996)およびISO 16610-21:2011で規定されているガウシアンフィルターを面拡張したものが採用されています。

スプラインフィルター

スプラインフィルターはスプライン関数を利用して隣り合う有効な点に挟まれた各区間を補間して滑らかな曲線を求めるフィルターの一つです。表面粗さ測定においてISO/TS 16610-22:2006で規定されているスプラインフィルターを面拡張したものが採用されています。

S-フィルター、L-フィルターの設定

S-フィルターで指定するカットオフ波長

XY平面(水平)上の測定分解能の3倍以上の数値に設定します。なお、設定した数値では効果が小さいときは、「計測表面」のノイズが除去されるまで設定値に大きくします。事前に、別のフィルター処理を行っている場合は、使用しない場合もあります。

L-フィルターで指定するカットオフ波長

レンズ倍率やスタイラスの先端径などで一律に選ぶことは難しいので、原表面によって調整する必要があります。測定したい波長の5倍の値を設定します。

例)
L-フィルターで指定するカットオフ波長
プロファイル1 水平距離
区分1 14.678μm

上図のような場合は、カットオフ値は、0.1mmになります。

14.678×5=73.39≒0.1mm

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