ロボットの過去、現在、そして未来へ②

ロボット導入効果の最大化を実現するソリューション

 ロボット化の目的は、人間がおこなっていた作業をロボットに置き替え、作業ミスの削減や効率化を図ること。ただし、製造の現場を完全に無人化することは現段階では困難。そこでキーワードになるのが「省人化」と「活人化」だ。自動化しにくい工程、付加価値の高い工程に人員を配置することで、効率的かつ費用対効果の高い生産システムが設計できる。

 ここで重要な観点となるのは「ロボットに任せられること」を増やしていくこと。これが増えれば増えるほど、自動化は進み、人は人にしかできないことに集中することができる。

 最も基本的なロボット用途であるピック&プレースを例に見てみよう。モノをつかみ、別の場所に置くというシンプルな工程でも、産業用ロボットは基本的に同じ動作を繰り返すだけなので、製品の位置やサイズなどにばらつきが発生すると動作を完了できない。そのため部品などの正確な位置決めが重要で、専用の治具やラインを製作する必要がある。この作業に膨大な手間やコストがかかるようでは、せっかく汎用性が高い産業用ロボットを導入しても効果は半減してしまう。

 このような問題点を克服できるのが「ロボットの目」となるロボットビジョンだ。製品の位置や形をカメラが認識することで、専用治具なしに、多品目に対応できるようになる。このようにロボット化は、ロボット単体だけでなく、周辺機器とセットで考えることにより、はじめて効果を最大化できると言える。

 ロボットの重要性が高まる中で、①生産現場の安全を担保したい、②ロボットに任せられる仕事を増やし、より生産性を高めたいというのが、現場における偽らざる望みだろう。

 キーエンスでは、生産システムの「目」や「脳」となって、ロボット制御の最適化や生産性向上、安全で安定した稼働を実現するソリューションと商品群を提供している。インテリジェント化や協働化に向かうロボット文化の明日を見つめ、より生産効率の高いライン設計や工場全体の自動化を切り開いていく。

ロボット導入効果の最大化を実現するソリューション