検査治具の不満点(2/3)
- 分類:
- 難易度の高い寸法測定
作業者の技術や経験に関係なく、治具に対象物をセットするだけで寸法や形状の合否判定ができ、作業スピードや検査品質のばらつきを抑えられる検査治具は、ものづくりの現場に広く普及しています。しかし、以下のような問題点があることも覚えておく必要があります。
比較的高価で、部品や製品ごとに用意する必要があるのでコストがかかってしまいます。また少量生産の場合は、製品コストの増加にもつながるといったデメリットも。比較的低予算で作れる簡易検査治具などもありますが、耐久性はそのぶん低くなってしまいます。
一般的に完成まで1週間前後、複雑なものは1ヵ月以上もかかってしまうので、治具の納期まで考慮したスケジュール調整が必要不可欠です。また、検査治具の納品遅れにより、量産が開始できなければ大きな機会損失につながってしまいます。
部品や製品ごとに検査治具を用意する必要があり、製造工程でも多数の治具を使用するので、生産品種が増えれば治具が膨大な数になってしまいます。そのため管理の手間もかかりますし、保管場所の確保も大変。また、正確な検査を行うためには、定期的なメンテナンスや修理も必要です。
検査治具は、製品が公差の範囲内に収まっているかを確認するものなので、設計寸法に対してどれだけ誤差があるのか、正確な測定値を知ることができません。そのため、検査データから傾向やばらつきなどを検証し、すぐに品質の改善に取り組むことが困難です。
検査治具は、あくまで寸法や形状が公差内に収まっているかを確認するだけです。測定値を蓄積して改善するなど、品質管理に活かすのであれば投影機や輪郭形状測定機、三次元測定機や測定顕微鏡などを用いて数値化することが重要。しかし、これらの機器を使った測定には時間と手間がかかるという問題点があります。
そこで、「高い精度が求められる部品や製品」「品質管理のためにデータが必要な工程」「少量生産で検査治具のコスト負担が大きい」とった場合には、投影機や三次元測定機などを導入する、「生産性が優先される」「生産数が多い」という場合には検査治具を活用するといった使い分けが重要です。
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検査治具の問題点はもちろん、投影機や輪郭形状測定機のような手間もかからずに治具レスで検査ができる
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