木型・発泡型の寸法測定

木型は、主に鋳造品やFRP製品の成形用に使われる「木材で作られた型」です。
発泡型は、発泡スチロールや発泡ウレタンなどの発泡素材で作られ、特に大型鋳物や試作部品、軽量部品の成形に多用されます。
ここでは、木型、発泡型測定の重要性と、その測定の課題。最新の測定技術を説明します。また、測定作業の高速化の頻度を紹介します。
- 1. 木型・発泡型とは何か?——金型との違いも徹底解説
- 2. 木型・発泡型測定の重要性——なぜ測定が必要か?
- 3. 測定するべき項目——木型・発泡型測定のポイント
- 4. 従来の測定方法と、その課題
- 5. WM-6000シリーズで解決できること
- 6. 最終的にWM-6000シリーズを使うことでどのような利益がもたらされるか
- まとめ
1. 木型・発泡型とは何か?——金型との違いも徹底解説
木型の特徴と用途
木型は、木材(ただし最近は樹脂やケミカルウッドで作られたものも木型と呼ばれる)を使用し、手加工やNC加工で製作されます。
主に鋳造用の砂型やFRP成形用のマスター型として利用されます。
活用のメリット
比較的安価で、短納期での対応が可能です。
複雑な形状や大型品にも対応しやすいです。
主な用途
自動車、建設機械、重工、産業機械
FRP製品、試作開発など、幅広い業界で活躍しています。
発泡型の特徴と用途
発泡スチロールや発泡ウレタンといった軽量素材を使用します。
大型鋳物や単発品、試作部品の成形に最適です。
活用のメリット
加工が容易で、短期間で製作が可能です。
使い捨て型としても利用できます。
主な用途
建築模型や美術造形、イベント用オブジェなどにも応用されています。
金型との違い
| 項目 | 木型・発泡型 | 金型(鋼・アルミ等) |
|---|---|---|
| 材質 | 木材・発泡素材 | 鋼・アルミ等の金属 |
| 用途 | 鋳造・FRP・試作・単発 | プレス・射出成形・量産 |
| 製作コスト | 低〜中 | 高 |
| 製作期間 | 短い | 長い |
| 耐久性 | 低(数回〜数十回) | 高(数千〜数万回) |
| 加工性 | 高(手加工・NC加工) | 低(放電・切削・研磨) |
| サイズ対応 | 大型・複雑形状も得意 | 小〜中型、精密形状が得意 |
| 修正対応 | 容易(現場での修正も可) | 困難(再加工・再製作が必要) |
木型・発泡型は「多品種少量生産」「大型・複雑形状」「短納期」など、金型では対応しづらい分野で不可欠な存在です。
また、金型製作の前段階での試作や検証にも多用され、製品開発のスピードアップやコストダウンに大きく貢献しています。
業界動向と今後の展望
近年、自動車のEV化や軽量化、建設機械の大型化、産業機械の多品種少量生産化など、木型・発泡型の需要はますます多様化・高度化しています。
また、3Dプリンタやデジタルモデリング技術の進化により、現物型からのリバースエンジニアリングやデジタルデータの活用が急速に進んでいます。
2. 木型・発泡型測定の重要性——なぜ測定が必要か?
測定の目的と現場のリアル
木型・発泡型は、「型そのものの精度」が最終製品の品質を大きく左右します。
もし型が設計通りに作られていなければ、下記のようなトラブルに結びつきます。
- 鋳造品や成形品が設計寸法から外れる
- 組み立て時に部品が合わない
- 追加工事や再製作が発生し、コスト・納期が大幅に悪化
- 顧客からのクレームや信頼低下につながる
測定が求められるタイミング
- 型製作直後の検査(設計図・CADデータとの比較)
- 出荷前検査(顧客への納品前に品質保証)
- 型の摩耗・劣化チェック(長期使用時の保全・修理計画)
- 現場での組み付け・据付時の最終確認
- 顧客や元請事業者からのデータ提出要請
測定の精度要求
木型・発泡型は「±0.1~1mm」程度の公差が一般的ですが、
大型品や複雑形状では「全体の歪み」「局所的な寸法ズレ」も厳しくチェックされます。
また、近年はCADデータとの3D比較(カラーマップ)や、顧客からのデータ提出要請も増加しています。
測定を怠るとどうなるか
- 納品後のクレーム・再製作コスト増大
- 鋳造・成形品の不良率増加
- 顧客からの信頼失墜、取引停止リスク
- 現場作業のやり直し・納期遅延
測定データの活用がもたらす価値
- 品質保証・トレーサビリティの強化
- 顧客・元請事業者への信頼性アピール
- 社内の型管理・保全履歴のデジタル化
- 3Dプリンタ活用の基礎データ
3. 測定するべき項目——木型・発泡型測定のポイント
木型・発泡型の測定では、以下のような項目が重視されます。
主要測定項目
1. 全体形状の三次元測定
型全体の「外形」「曲面」「凹凸」など、3D形状全体をスキャンします。
設計CADデータとカラーマップで比較することで、どこが、どれだけずれているかを可視化できます。
これにより、大型で複雑な形状の型も一目で把握できます。
2. 寸法測定(長さ・幅・高さ・厚み)
主要部位の寸法(全長、全幅、全高、肉厚、穴径、ピッチなど)を測定し、設計値との誤差を数値で記録します。
複数箇所の同時測定や、断面形状の抽出も可能です。
3. 局所的な形状・R部・穴・溝の測定
曲面やR部、複雑な溝や穴の寸法、形状を測定します。
鋳造品の抜き勾配やアンダーカット部の確認にも役立ちます。
4. 裏表・分割型の合成測定
上型・下型、左右分割型など、複数パーツの合成・組み付け精度をチェックします。分割型の合成精度は、そのまま製品精度に直結します。
5. 摩耗・劣化の比較測定
長期使用後の型を新作時のデータと比較し、摩耗量や変形を数値化します。
これは、保全・修理計画の根拠データとして活用できるほか、肉盛りや補修後の形状確認にも使えます。
測定データの活用
- 検査成績書・品質証明書の作成
- 顧客へのデータ提出・品質保証
- 社内の型管理・保全履歴
- 海外拠点や協力工場とのデータ共有
4. 従来の測定方法と、その課題
従来の主な測定方法
1. メジャー・ノギス・定規による手計測
この方法は、直線部分や単純な形状の測定に適しています。
しかし、曲面や複雑な形状の測定は困難です。また、測定結果の記録やデータ化に手間がかかるという課題があります。

- A
- 長尺ノギス
- B
- コンベックス
2. テンプレート・ゲージ・型板
この方法は、あらかじめ型に合わせたテンプレートやゲージを現場で直接当てて、「合うかどうか」を確認できます。
しかし、精度や記録性に限界があり、ズレが発生した際には、現場での加工や修正が多発するという課題があります。
3. アーム型 / 門型三次元測定機
アーム型や門型の三次元測定機は非常に高い精度で測定が可能です。
しかし、その反面、設置や操作が煩雑で、大型の製品の測定には適していません。また、保守費用が高額になる場合があるというデメリットもあります。

- A
- アーム型三次元測定機
- B
- 門型三次元測定機
4. ハンディ3Dスキャナ・レーザースキャナ
シールを貼る・剥がすといった前後処理やキャリブレーション、データ合成が煩雑な場合があります。
また、現場での持ち運びや設置に制約があるという課題も残ります。
5. 外注の測定サービス
測定専門業者に依頼することで、データや検査成績書を取得できます。
しかし、コストや納期がかかるというデメリットがあります。また、急な追加測定や現場での対応が難しいという問題もあります。
5. WM-6000シリーズで解決できること
キーエンスのワイドエリア三次元測定機WM-6000シリーズは、木型・発泡型測定の現場課題を一挙に解決する革新的なソリューションです。
5-1. 大型・複雑形状も1人で簡単測定
5-2. 圧倒的な測定スピード・省人化

1. 1人で短時間測定
2〜3人がかりで半日〜1日かかっていた作業が、1人ですぐに完了
2. シールレスで手間いらず
煩わしいシール貼りやキャリブレーションの手間が大幅に削減されます。
これにより、現場の人手不足や多忙なスケジュールにも柔軟に対応できます。
5-3. 高精度・高信頼性
木型・発泡型の管理・検査に必要十分な精度、CAD比較・カラーマップ自動作成
測定データと設計CADを即座に比較し、ズレを色分け表示


5-4. データ化・信頼性の強化
- 検査成績書・品質証明書を自動作成
- 顧客や元請事業者へのデータ提出が容易
- 社内の型管理・保全履歴もデジタル化
- 海外拠点や協力工場とのデータ共有もスムーズ
5-5. 導入事例・現場での活用例
- 大型鋳造用木型の全体スキャンとCAD比較で、納品前検査を1人で短時間で完了
- 発泡型の分割パーツを現場で合成測定し、組み付け精度を数値で証明
- 摩耗した型の形状変化を定期的に測定し、保全計画や肉盛り修理の根拠データに
- 海外工場や協力会社とデータ共有し、グローバルな品質保証体制を構築
6. 最終的にWM-6000シリーズを使うことでどのような利益がもたらされるか
6-1. 工期短縮・コスト削減
- 測定作業の大幅な時短
- 人件費・外注費の大幅削減
- 追加測定や再測定にも即対応
- 急な顧客要望や現場トラブルにも柔軟に対応
- 保守費用や教育コストも大幅削減
6-2. 品質・信頼性の向上
- 高精度測定で不良品・クレーム激減
- 検査成績書・カラーマップで信頼性アップ
- 顧客・元請事業者からの信頼向上、受注拡大
- 社内の品質保証体制の強化
6-3. 現場の働き方改革・省人化
- 1人で大型の型も測定可能
- 現場・工場内どこでも使えるため、作業効率が大幅アップ
- 経験の浅い作業者でも使いやすい
- 多忙な現場や人手不足にも柔軟対応
6-4. デジタル化・DX推進
- 測定データの即時デジタル化・ペーパーレス化
- 社内の型管理・保全履歴も一元管理
- 海外拠点や協力工場とのデータ共有もスムーズ
6-5. 営業・PR効果の向上
- 「最新設備を導入している企業」としてのブランド力アップ
- 顧客への提案力・受注競争力の強化
- 現場の実績や測定データを使った効果的なプレゼンが可能
- 補助金や助成金の申請にも有利
6-6. 将来展望と業界へのインパクト
- 3Dプリンタやデジタルモデリングとの連携強化
- グローバルな品質保証体制の構築
- 業界全体のDX推進・競争力強化
まとめ
WM-6000シリーズで木型・発泡型測定の常識が変わる
木型・発泡型の測定は、「品質保証」「コスト削減」「省人化」「デジタル化」という現場の課題をすべて解決することが求められています。
「現場の効率化・品質向上・コスト削減」を同時に実現したい方は、ぜひWM-6000シリーズの導入をご検討ください。



