お客様導入事例株式会社ウーケ 様

株式会社ウーケ工務部副課長の金兵 泰宏氏、生産課炊飯グループ副課長の木下 剛志氏、炊飯グループ班長の出口 新氏にUVレーザーを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

パックごはん容器への賞味期限印字にUVレーザーを採用

UVレーザーで容器印字工程は「完全自動化」できました。
もう従来の方式には戻れません。

株式会社ウーケについて

ウーケは、富山県北アルプスの天然水で炊き上げた「無菌パックごはん」を製造・販売するメーカーです。品質へのこだわりが高く、品質安全の国際規格「SQF認証」を取得しています。富山県産コシヒカリを始めとする味わい豊かな国産米を用い、お米本来の風味と栄養を活かした「おいしいごはん」づくりを通じて、米文化の発展と食料自給率の向上に貢献しています。

UVレーザーを検討することになった背景について教えてください

当時、ちょうど新規ラインを立ち上げるタイミングがあったのですが、設備を選定する工務部の私の立場としては、パックごはん容器への賞味期限印字工程において「少しでも現場の負担を軽くしてあげたい」という思いがありました。従来は、他社メーカーのインクジェットプリンタを使用していたのですが、生産中にどうしてもノズル詰まりや印字の乱れが発生してしまい、メンテナンスのためにライン停止がたびたび起こっていました。ライン停止を最小限に抑制するため、1ラインに2台並列でインクジェットプリンタを立ち上げておき、1台調子が悪くなると隣のもう1台を代わりに使うといった工夫もしていたのですが、両方とも調子が悪くなったり、あまり使用していない片方だけ調子が悪い状態が続いたりと、調整に苦労していました。また、法令対象となるインクの化学物質に対しては、局所排気設備など大掛かりな対策をとる必要がありました。現場担当者が極力インクや溶剤に触れないように、メンテナンス用のグローブボックス台を用意して、その箱に手を入れてメンテナンスしてもらうようにもしたのですが、その分作業性が悪く苦労をしている様子を見ていると、もっと抜本的な対策が必要という気持ちがありました。法令非該当タイプのインクがあることも認識していたのですが、弊社の容器には高い付着力が要求されるので、仕様を満たせないというジレンマもありましたね。そんな状況で、キーエンスのUVレーザーの存在を知り、導入に向けたテストをおこなうことにしました。従来のYAGレーザー(ファイバレーザー)も並行して比較検討したのですが、容器に削られたような跡が付くだけで、なかなか発色せず視認性が低かったのに対して、UVレーザーですと鮮明に発色して濃い印字ができ、高い視認性を確保することができました。レーザーなので印字が絶対に消えることがない、ということに加えて、UVレーザーなら印字箇所へのダメージもかからないことが確認できたので、採用させていただくことになりました。

UVレーザー導入後の効果を教えてください

色々あるのですが、一番は印字機要因で製造ラインが止まることが起こらなくなった、ということですね。弊社では、連続的な体制でラインを稼働させているのですが、従来のインク方式では月に数回は突発的なトラブルでラインが停止してしまい、そのメンテナンス中にラインから一時排出せざるを得ない商品が数百個単位で発生しておりました。メンテナンスの作業の手間はもちろん、その排出した商品をラインに再投入する負担も大きく停止ロスの要因となっていました。UVレーザーに変わってからは、そういったトラブル対応や日々のメンテナンスに必要だった人手がかからなくなり、容器への印字工程においては無人化することができました。また、従来のレーザーマーカーは印字の際に煙が発生して、それがレンズに付着して汚れるイメージを持っていたのですが、UVレーザーは煙がまったくでないということも驚きでした。光で印字し続ける方式なので、日々の消耗品もなくメンテナンスフリーで助かっています。導入直後は正直こういったメリットを耳にしても「本当かな?」と半信半疑でしたが(笑)、今では確信に変わっております。

その他、UVレーザー導入後にわかったことなどあれば教えてください

印字不良の発生を心配しなくていい、という安心感があります。従来の他社製インクジェットプリンタでは、ひとたび文字が乱れだすと連続的に文字乱れが発生するので、生産している最中も「本当に不良が起こっていないか」という不安は付きまとっていました。仮にトラブルに気づくのが遅くなると、後工程の印字検査カメラはNG判定で一時排出し続けるので、時間が経つほど影響が大きくなってしまいます。また、インクでの印字は絶対に消えないというわけではなかったので、印字検査後の工程で、印字箇所に物が接触したり、運搬中の摩擦などで印字がかすれるといったリスクがありました。UVレーザーに変わってからはそういった印字不良リスクがなくなり、後工程の担当者から印字不良の声を聞くこともないので、安心してお客様に商品をお届けできています。あと、インクジェットプリンタのメンテナンスや調整・トラブル対処などは現場担当者によって得意不得意の差があり、作業効率にばらつきがあるという状況でした。そんな以前の状況を踏まえると、最近配属された新人オペレーターは、「容器印字工程は、UVレーザーのスタートボタンを押すだけ」という簡単な印象しか持っていないと思います(笑)。それくらい手間がかかってないですね。

今後の、UVレーザーの活用方針について教えてください

現在のUVレーザーは導入から約2年経過したのですが、今回お話ししたように色々な面で良い効果が実感できましたので、今後、まだ従来のインク方式を使用しているラインについてもUVレーザーに更新させていただく方向で予定をしています。弊社の製造ラインは、各工程を全自動で繋げている先進的な工場と自負しております。その工程の1つとして、何もトラブルを起こさずラインを止めることがないUVレーザーは弊社の容器印字工程にふさわしい印字機と思っておりますので、今後も期待しています。

完全自動化した容器印字工程のライン外観

完全自動化した容器印字工程のライン外観

※青矢印がUVレーザー設置個所

各種パックごはんにUVレーザーで賞味期限印字をおこなっている

各種パックごはんにUVレーザーで賞味期限印字をおこなっている

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