用途から選ぶ

振れ・振動

振れ測定器/振動測定器をお探しの方へ

振れ・振動測定の最適な測り方は、振れや振動の種類(方向)、測定器の種類、設置環境など、いくつかの要素から選択することが重要です。 適さない機器を選定してしまうと、必要な精度が出なかったり、運用工数アップに繋がってしまいますので、避けたいものです。このページでは振れ測定器/振動測定器をお探しの方が、迷わずに最適な測定器に辿り着けるよう、ナビゲートいたします。

「振れ・振動」の測り方

「振れ・振動」の最適な測り方を測定器のご提案とあわせて紹介します。

回転体の面振れを測る

測定例:HDDの面振れ測定

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最適な測定器反射型レーザ変位計

反射型変位計で、円周上の1点の高さの変動を高速サンプリングで捉えます。

A
回転
B
面振れ
POINT
  • 回転中心から離れるほど振幅は大きくなるので捉えやすくなります。
  • 振動周波数の10倍以上のサンプリング速度で測定することが必要です。

その他の振れ・振動を1次元レーザ変位計で測る

測定例:超音波溶着機の振動測定

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最適な測定器反射型レーザ変位計

反射型の変位計で、1点の高さの変動を高速サンプリングで捉えます。

POINT
  • ピークtoピークホールド機能などを利用して、振れ量のp-p値を求めます。
  • 振動周波数の10倍以上のサンプリング速度で測定することが必要です。

その他の振れ・振動を2次元レーザ変位計で測る

測定例:ロボットの残留振動測定

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最適な測定器反射型2次元レーザ変位計

ラインレーザを照射し、得られた形状から特徴点(ピーク点など)の高さを検出し、振れ量を測定します。

POINT
  • ピーク点が左右にずれる場合、1次元レーザ変位計では常にピークを捉えることができません。2次元レーザ変位計であれば、ピーク点を常に追いかけることができます。
  • 振動周波数の10倍以上のサンプリング速度で測定することが必要です。

キーエンスの商品をご採用いただいたお客様の声はこちら
業界別お客様導入事例【振れ・振動編】

振動測定における注意点

振動周波数とサンプリング速度との関係について

例えば振動の周波数が1kHz(=1秒間に1000往復の動き)の場合、サンプリング速度1kHzの変位計で測定すると、振動1周期の間に1点しかサンプリングできないため、振動波形を正確に捉えることはできず、正しい振幅も得られません。サンプリング速度が100kHzの変位計であれば、振動1周期の間に100点プロットできるため、振動波形は正確に得られ、振幅も正しい値が得られます。
このように、振動測定において測定器のサンプリング速度は非常に重要なスペックであり、一般的に、正しい振幅を得るには振動周波数の10~20倍以上のサンプリング速度が必要と言われています。
面ブレ測定では、1回転を1周期とみなして必要なサンプリング速度を計算します。

測定精度について

「面ブレ」と「振動測定」はどちらも振れ量の測定ですが、「振動」測定の方が精度良く測定できます。
その理由は、「振動」測定が同じ測定ポイントを測り続けているのに対し、「面ブレ」測定は異なる測定ポイントを測っているという点にあります。非接触の変位計では、測定ポイントが異なると、対象物の表面粗さの影響によりばらつきが生じるからです。
それゆえ、面ブレ測定では、表面粗さの影響を抑えられるワイドスポットタイプのレーザ変位計がよく使用されています。

高周波の振れ測定について

振動・面ブレともに周波数が高いほど振幅は小さくなる傾向にあり、1kHzを超えると振幅は10um以下である場合がほとんどです。そのため、高周波の振れ測定では、単にサンプリング速度が間に合っているだけでなく、高い繰り返し精度も要求されます。さらに、繰り返し精度を少しでも良くするために、平均回数を増やしたり、フィルタ処理をかけたりすることも必要となります。
振幅に影響を与えない程度で設定可能な平均回数と、振動周波数、サンプリング速度との関係は以下のとおりです。

サンプリング速度(Hz)/平均回数 = 振動周波数(Hz)× 10~20

どちらがいいの!? 接触 VS 非接触

接触式の代表的な振動センサに加速度ピックアップがあります。
非接触式と比較すると、以下のメリット、デメリットがあります。

加速度ピックアップ v.s. 非接触変位計

メリット
  • 安価であること
  • 小型であること
デメリット
  • センサの自重の影響により測定誤差が生じること
  • 接触共振周波数が、測定周波数範囲外になるようにセンサの取付けを考慮する必要があること

接触共振周波数とは
センサを振動する対象物に取り付けると一つの振動系が形成され、固有の共振周波数が決まります。
これを接触共振周波数と言い、センサの固定方法や接触状態によってさまざまに変化します。

一方、非接触変位計において振動測定によく用いられているものとして、レーザードップラ振動計とレーザ変位計があります。
それぞれのメリット、デメリットは以下のとおりです。

レーザ変位計 レーザドップラー振動計
センサヘッドの大きさ 小さい 大きい
周波数範囲 静止~数10kHz 0.1~数MHz
(静止状態は測定不可)
振幅の精度 直接測定するため
高精度
速度から演算
速度・加速度の精度 変位から演算 直接測定するため
高精度
検出感度 低い 高い
測定対象物の影響 対象物を選ばず
測定可能
反射率の低いものは
測定困難
価格 比較的安価 比較的高価

まとめ

このページでは、HDDの振れや超音波溶着機の振動・ロボットの残留振動を測る方法と測定器の構造、さらに測定器を選択するときのポイントや注意点について説明しました。
それらをまとめると、以下の通りです。

  • 振れ・振動の測定には、円周上の1点の高さの変動をサンプリングする方法と、形状から特徴点(ピーク点など)の高さを検出し振れ量を測定する方法がある。
  • 振れ・振動のサンプリングには、振動周波数の10倍以上のサンプリング速度が必要。
  • 反射型2次元レーザ変位計なら、ピーク点が左右にずれても、振動周波数の10倍以上のサンプリング速度でピーク点を追従することができる。
  • 最適な測定器の選定は、測定位置と位置合わせの精度、振動周波数とサンプリング速度の関係がポイントになる。

測定する対象によって、その方法はさまざまです。最適な測定を行うには、それらの特徴を知り、正しく測定器を選定することが大切です。
このページで紹介した内容や、他のページに記載している測定の知識や事例についてまとめた資料「測り方がわかる 変位計/測定器 サポートガイド」は、下記からダウンロードできます。レーザ変位計のラインナップカタログとあわせてご覧ください。

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