サンプリング周波数選択のポイント

アナログ波形をデジタルデータに変換するために必要な処理である標本化(サンプリング)を採る頻度を単位時間あたりに直した値をサンプリング周波数といいます。
単位は一般的にHzが使用され、サンプリングレートと呼ばれることもあります。

サンプリング周波数の求め方

電子計測器は設定したサンプリング周波数に合わせてデータを計測します。
このためサンプリング周波数を適切に選択しないと、正確な波形が計測できないことがあります。

サンプリング周波数÷信号波形周波数 記録波形への影響
10倍以上 正確な波形表示・記録が可能
2倍以上10倍未満 波高値が小さくなります。波形形状が荒くなります。
2倍未満 エイリアシングが発生し、実際の波形とまったく異なる波形を表示。

計測したい信号波形の周波数の10倍以上のサンプリング周波数を持つものを選定することがポイントです。10倍に満たないサンプリング周波数で計測を行った場合、下記のように正しく波形を計測できないことがありますのでご注意ください。

60HzのAC100V電源をサンプリング周期を変えて計測した場合の波形

加速度と速度、変位の関係
【1kHzでサンプリングした場合】
正しい波形が計測できます。
加速度と速度、変位の関係
【100Hzでサンプリングした場合】
サンプリング周期が遅く、正しい波形が計測できません。
加速度と速度、変位の関係
【10Hzでサンプリングした場合】
一見正しい波形のように見えますが、エイリアシングを起こし、周期が0.08Hzのまったく異なる波形になっています。

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