現場改善のヒント

PDCAサイクルと何が違う?変化に強い「OODAループ」とは

PDCAサイクルと何が違う?変化に強い「OODAループ」とは

製造現場で、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)の順にサイクルを回すPDCAサイクル。それが突然うまく回らなくなったという経験はありませんか。その大きな原因の1つとして、社内または社外での変化が影響しているケースが挙げられます。計画した当時の状況を基にしたPDCAサイクルは、状況の変化によって、うまく回らなくなることがあるためです。
そこで今回は、製造業を含むさまざまな分野で、変化への対応に活用されているOODAループ(ウーダループ)について解説します。PDCAサイクルとは異なるレイヤー・方法で活用できるより戦略的な思考法、OODAループ。それをPDCAサイクルとの違いや、製造現場での活用例を交えながら解説・考察していきます。

この記事でわかること

OODAループとは

OODAループ(ウーダループ)とは、元々は勝敗に関わる意思決定と実行のための思考法の1つです。国際的な競争力が問われる製造業を含むビジネスはもちろん、現場の業務や私生活、スポーツなどあらゆるシーンでの改善に役立つ考え方です。OODAは、Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行)の頭文字4つで構成されています。主にビジネスシーンにおける、それぞれの段階での考え方や行動の例を以下に示します。

・Observe(観察):観察することによって現状を認識します。
たとえば、業界や顧客、競合、新しい技術、社内環境などの状況や変化に着目します。
・Orient(状況判断):観察結果から、状況判断します。
ここでは、Observe(観察)で得たデータから、次のDecide(意思決定)に必要な材料を見極めていくことが重要です。
・Decide(意思決定):具体的な方策や手段に関する意思決定を行います。
この時点で、判断材料の不足に気づけば、観点を変えて観察(Observe)に戻って、ループすることも可能です。
・Act(実行):意思決定したことを実行に移します。
実行後は、フィードバックするために再びObserve(観察)、または必要に応じて他の段階に戻り、ループを再開します。

OODAループとPDCAサイクルの違い

OODAループは、製造業の現場でQCサークル活動やZD運動(Zero Defects movement:無欠点運動・無欠陥運動)によく用いられるPDCAサイクルとは異なる考え方や方向性を持ちます。その違いを以下にまとめます。

サイクルとループの違い

PDCAサイクルは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)の順にサイクルを一方向に回します。
一方、OODAループは、文字通りループであるため、必要に応じて途中で前の段階に戻ってループから再開したり、状況に応じて任意の段階からループをリスタートしたりできることが大きな特徴です。
このように、Plan(計画)に基づいて1周するPDCAサイクルに比べ、OODAループは自由度が高く、変化に対応しやすいということが大きな違いといえます。

観点や目的の違い

PDCAサイクルでは、自社または社内の部門におけるビジネスモデルに最適な管理サイクルを目指すものです。一方、OODAループでは社内環境だけでなく、業界や市場など外界の要素が始点となる場合があります。
つまり、PDCAサイクルでは対応できなかった外的要因による変化を考慮したり、1ループする前に予想できない変化があれば、引き返して観察し直したり、異なるデータを集めて検討し直したりすることも可能です。

自由度や難易度の違い

PDCAサイクルとOODAループはそれぞれ目的が異なるため、どちらが優れているということはありません。しかし、競争が激しい、または、変化が激しい状況下では、OODAループを上手く活用することにより、素早く適切な意思決定・実行が可能になります。
ただし、PDCAサイクルとは異なり内省的な要素だけで完結するとは限らないOODAループは、観察をスタート地点としたとき適切な観点を持つことや、集めたデータの情報分析などが最適な意思決定を導くために重要となります。自由度や柔軟性が高いですが、環境が複雑であればあるほど、着眼すべきポイントの見極めや情報処理の難易度が高くなることがあります。

製造業でのOODAループ活用例・PDCAサイクルとの相乗効果

製造業でのOODAループの活用例

OODAループではどの段階にあっても、途中で任意の段階に戻って変化に沿って方向転換できます。これを上手く活用することで突然の外的変化にも対応することが可能になります。以下に、ある部品製造会社におけるOODAループの具体的な活用例を挙げます。

・Observe(観察)
クライアントの製品需要や、自社で製造を請け負う部品の受注状況、そして社内での生産進捗を調べて把握する。
・Orient(状況判断)
現状の生産ペースでは受注した部品2000個が、納期までに完成しないと判断。
・Decide(意思決定)

一時的に24時間体制(交代制)に変更することに決め、納期をクリアできると確信。

【変化】クライアントの製品がヒット。部品の需要が急増し、追加受注が発生。

・Orient(状況判断)に戻ってリスタート
自社だけでは、これ以上生産数を増やすことができないと判断。
・再び Decide(意思決定)
他社に外注可能かどうかを確認し、3000個の生産計画に変更。
・Act(実行)

他社に生産依頼し、数量・納期をクリア。

クライアントのニーズの変化に即対応し、高い付加価値を得ることができた。

・Orient(状況判断)に戻って再びループ
再び受注状況および、社内・協力会社の生産進捗を確認・把握。

この例のように、OODAループは変化に応じて途中で前の段階に戻り、ループを再開することができます。そのため、急な外的変化に対しても、素早く適切な状況判断・意思決定・実行が可能となります。

OODAループとPDCAサイクルの相乗効果

企業や拠点、部門など組織単位で、OODAループを用いて決定したことを軸に、Plan(計画)を立ててDo(実行)します。各生産ラインや工程など現場では、PDCAサイクルを回しながら、変化に応じてOODAループと互いに微調整を行うことにより、相乗効果が期待できます。
また、変化によってPDCAサイクルがどのように回らなくなったのかをOODAループに上手くフィードバックすることも重要です。このように、OODAループとPDCAサイクルの両輪を巧みに活用することで、外的変化に強く、競争力を持った生産体制を維持し続けることができます。もちろん、このような体制を実現するには、経営・営業・購買・製造といった各部門の密な連携が大前提となります。

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