現場改善のヒント感染リスクと戦う生産体制

コロナウイルス感染症(COVID-19)が与えた影響は国によってさまざまですが、海外を含めわが国でも、段階的に経済活動の再開が見られるようになりました。
製造業でも、生産ラインのフル稼働を目標に、操業を再開し始めようとしています。そして、感染症の影響が長期化する可能性も含め、「職場における3密の防止」という、これまでとはまったく異なる観点での設備革新が急務になっています。

感染リスクと戦う生産体制

製造業では、これまでにも自動搬送装置(AGVやRGV)や協働ロボットを含む産業用ロボットなどの導入を進めてきました。
ここでは、今後これらの設備や制御するデータの共有、ネットワーク対応といった技術が、どのように感染リスクの低減に役立つかを考察します。

この記事でわかること

生産体制を守るために取り組むべき対策①:工場内搬送の自動化

これまで、搬送装置や加工機・各種センサーなど検査装置の導入は、タクトアップと省人化という、経済性や生産性の向上を目標に取り組んできました。そして、それは大きな成果を収めてきたといえるでしょう。しかし、自動化を進めてきたとはいえ、生産ラインを含めた工場の稼働には依然多くの従業員が必要です。そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の打撃を大きく受けたのが製造部門です。
特に、ライン間や工場棟間の搬送では従業員の接触機会が多く3密が発生。これが理由で、操業を停止したケースが多く見られました。この場合、自動搬送をライン内や工場棟内からライン間や工場棟間に拡大することで、3密状態を解消し感染リスクを低減することができます。
当然、自動搬送の範囲を拡大することで、自動搬送機と人や車が接触するといったリスクが増加するため、安全対策が必要です。また、製造ラインでのソーシャルディスタンスの維持には、協働ロボットによる搬送の補助も有効です。
このように、工場内搬送の拡充を従業員の「健康と安全を守る」という新しい観点で進めていくことは、感染症の影響が続く中でも安定操業できる強い工場を実現するための貴重な一歩といえるでしょう。

A:セーフティレーザスキャナ

生産体制を守るために取り組むべき対策②:加工データの共有化

世界中に感染症が蔓延し、あらゆる産業の工場が操業停止に追い込まれた中で、通信ネットワーク産業は大きな打撃を受けませんでした。多くの従業員の在宅勤務化がもたらしたネットワークの需要や、動画配信などのネットワーク利用の多さを見ても、その健在ぶりは明らかです。
製造業も世界的には稼働再開の動きが加速しています。しかし、いまだに再稼働が見通せない工場もあり、格差が顕在化しています。そして、この格差の原因は、工場のバックアップ体制の有無であるといわれています。
工場のバックアップ体制とは、どこかの工場が操業停止に追い込まれても、他の工場で製造を引き継ぐことができる体制です。それには、操業を停止した工場の各装置の設定データを、操業可能な工場との間で共有できなければなりません。
たとえば、操業停止した工場の切削機の制御データを操業可能な工場の切削機と共有することで、製造を引き継ぐことができます。また、同じように測定機や各種センサーなど検査装置のデータも共有することで、検査や品質管理体制を引き継ぐことができます。
それには、各装置がオープンフィールドネットワークに対応していることや、各装置の設定データがネットワークを通じて共有されているなどの条件が満たされている必要があります。
世界各地に展開する工場設備のネットワーク化と、感染症リスクに強いネットワークを活用したデータの共有化。いつ、どこで発生するかも知れない感染症による危機を乗り越えるためのキーワードは、この中にあります。

まとめ:生産設備の安定稼働によるアドバンテージの確立

今回の感染症が世界経済に与えた傷は深く、影響は長期に亘るといわれています。その中で、製造業は今後も発生する可能性が高い、感染症への対策と向き合って行かなければなりません。
これからの製造業は、今回の危機をイノベーションのチャンスと捉え、新しい仕組みを構築し、新しい時代へのステップとすべきです。そして、ここで述べた自動搬送範囲の拡大やネットワークを活用した設定データの共有化は、その一例です。
予想されるように、感染症の影響が長期化するなら、先進的な仕組みを取り入れることで実現する感染症に強い工場は、企業の大きな力になります。そして、これまでは当たり前とされてきた工場の安定稼働が、他社に対する大きなアドバンテージになることは間違いありません。

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