遠隔撮影が可能で、機能追加もしやすいBZ-Xシリーズの魅力

千葉大学 大学院医学研究院 国際アレルギー粘膜免疫学分野
(イノベーション医学研究領域)
千葉大学 未来粘膜ワクチン研究開発 シナジー拠点 粘膜疾患制御学研究室
千葉大学 災害治療学研究所
教授 医学博士 倉島 洋介 様

倉島洋介先生は、粘膜免疫の「二面性(防御と病態形成)」という謎に惹かれ、大学院進学を機に東京大学医科学研究所の、清野宏先生の研究室にて、粘膜免疫およびアレルギー制御に関する研究をスタートされました。
2016年には、文部科学省 卓越研究員制度により千葉大学に独立准教授(テニュアトラック)として着任。2019年から2022年にかけては、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)との国際共同研究にも精力的に取り組まれました。
その後の研究成果と国際的な活動を経て、帰国後も千葉大学にて、粘膜免疫・炎症・アレルギー研究を牽引されています。
そんな倉島先生からは、「一緒に研究をしてくれるスタッフ、ポスドク、大学院生を募集しています!」とのメッセージも届いています。

主な論文

Glycoprotein 2 as a gut gate keeper for mucosal equilibrium between inflammation and immunity.
Zhongwei Zhang, Izumi Tanaka, Rika Nakahashi-Ouchida, Peter B Ernst, Hiroshi Kiyono, Yosuke Kurashima
Seminars in immunopathology 2024年1月3日

Pancreatic glycoprotein 2 is a first line of defense for mucosal protection in intestinal inflammation.
Yosuke Kurashima, Takaaki Kigoshi, Sayuri Murasaki, Fujimi Arai, Kaoru Shimada, Natsumi Seki, Yun-Gi Kim, Koji Hase, Hiroshi Ohno, Kazuya Kawano, Hiroshi Ashida, Toshihiko Suzuki, Masako Morimoto, Yukari Saito, Ai Sasou, Yuki Goda, Yoshikazu Yuki, Yutaka Inagaki, Hideki Iijima, Wataru Suda, Masahira Hattori, Hiroshi Kiyono
Nature communications 2021年2月16日

Orally desensitized mast cells form a regulatory network with Treg cells for the control of food allergy.
Yoshihiro Takasato, Yosuke Kurashima, Masahiro Kiuchi, Kiyoshi Hirahara, Sayuri Murasaki, Fujimi Arai, Kumi Izawa, Ayako Kaitani, Kaoru Shimada, Yukari Saito, Shota Toyoshima, Miho Nakamura, Kumiko Fujisawa, Yoshimichi Okayama, Jun Kunisawa, Masato Kubo, Naoki Takemura, Satoshi Uematsu, Shizuo Akira, Jiro Kitaura, Takao Takahashi, Toshinori Nakayama, Hiroshi Kiyono
Mucosal immunology 2021年5月14日

千葉大学にて、粘膜免疫を起点とした治療法の開発や疾患制御の研究に日夜取り組まれている、倉島洋介先生は、キーエンスのオールインワン蛍光顕微鏡・BZ-Xシリーズの20年来のユーザー。国際共同研究の最中にコロナ禍を迎えた際には、海外からの遠隔操作による観察・撮影も行うなど、あらゆる状況下において本機をほぼすべての研究に活用しながら、論文執筆を進めてこられました。そこで、そんな倉島先生にBZ-Xシリーズの評価や、遠隔操作の際のエピソードなどについて詳しく伺いました。

粘膜免疫を起点に、病態解明から臨床応用までを見据えた研究を、学内外の組織と連携して進めている。

倉島先生は近年、主に粘膜免疫を起点に「免疫の微小環境の制御を軸とした治療法の創出」と「臓器連関の理解を軸とした疾患制御法の開発」という大きくふたつのテーマで研究を進められています。
最終的なゴールは、潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患や、食物アレルギーの発症メカニズムを解明し、そこから具体的な治療法の確立へとつなげることです。
そうしたゴールを実現するには、自分たちの研究チームを核としつつ、分野横断的な協働を広げていくことが重要だと倉島先生は語ります。
「そのため、多くの臨床医と連携した臨床研究を推進するとともに、これまでにベーリンガーインゲルハイム社や小野薬品工業株式会社などの企業との共同研究にも積極的に取り組んできました。大学内にとどまらず、国内外の大学および企業と連携しながら、粘膜免疫を中核とした複数の研究プロジェクトを同時並行で推進し、着実に成果へとつなげていきたいと考えています。」

免疫細胞の培養状態の観察にBZ-Xシリーズを活用

BZ-Xシリーズを使って観察しているものは主に、研究テーマの軸ともなっている「腸の中にいる細菌」。「腸の中にいる細菌や組織の中に存在する免疫細胞が、どのような組織細胞と相互作用しているのかをクローズアップして解析しています。また、ヒトの腸管から免疫細胞や神経系細胞を培養し、それらがどのように相互作用するのかを観察しています。組織や細胞の中の細菌の観察にも活用しています」と倉島先生は語ります。
さらに近年では、タイムラプス顕微鏡を用いた解析にも取り組み始めたとのこと。
「最近はタイムラプス機能も使い始めました。そのおかげで、細胞間相互作用に関する新しい発見につながることもありました」と、研究の手応えを感じている様子がうかがえます。

Lab内では、倉島先生はもちろん、Labにいる約20名の皆さんが定常的にBZ-Xシリーズを活用されています。「細かな作業……例えば油浸レンズにする際などは私がレンズを交換する担当になっているみたいで、呼ばれることもありますが(笑)、普段の観察や撮影は学生たちが自分たちだけで行っています。操作性の高さから、研究経験の少ない学生や顕微鏡に初めて触れる学生であっても、短期間で自立して使用できる点が大きな利点であると評価されています。」と、その使い勝手を高く評価されています。

BZ-Xシリーズ導入決定のポイントは「できることの多さ」と「価格帯」

そんな倉島先生とBZ-Xシリーズとの出会いは2005年頃。「学生の頃から使っていました。当時はBZ-9000だったと思います。研究自体が初めてだったので、BZ-9000が珍しいものかどうかも分からず、当たり前のように使っていました。かつては共焦点顕微鏡も併用しながら研究を進めていましたが、今はBZ-Xシリーズをメインに使っています。」
倉島先生は、東京大学進学以前に、明治大学農学部にて長嶋比呂志先生のもと発生工学研究に取り組まれました。明治大学、東京大学医科学研究所、千葉大学大学院医学研究院、UC San Diegoと、複数の大学のLabを経験された倉島先生ですが、いずれの施設でもBZ-Xシリーズが導入されており、また便利に活用されていたこともあり、ご自身でLabを立ち上げられた際にも、当時の最新型だったBZ-X800を導入されました。「千葉大学に移ったタイミングで、初めて購入した機器です。正直嬉しかったですね」と、当時を振り返ります。

もちろん導入にあたって競合製品との比較もされたとのこと。「細胞分裂・細胞移動の様子を細かく見られるタイムラプス機能、蛍光ボケやノイズを除去できるセクショニング機能とヘイズリダクション機能、立体的な情報を得るためのZスタック機能など、使いたい機能がほぼすべて入っていたのは、BZ-Xシリーズを選定した大きな理由です。またこうした多彩な機能はすべて「モジュール化」されていて、予算に応じて入れる(入れられる)・入れない(入れられない)を選択できる点も良かったです。最初はモジュールを少なめにして初期費用を抑えて、追加で科研費が出れば機能を追加する……といったやり方ができるのは、Labを立ち上げたばかりの私にとっては、とてもありがたかったですね。最終的に「できることの多さ」と「価格帯」を考えると、BZ-Xシリーズ一択でした」と、倉島先生からはとても心強い言葉をいただけました。

海外や自宅からも遠隔操作で検体の観察・撮影が可能

また倉島先生のBZ-Xシリーズの活用法として、とても特徴的だったのが、海外や自宅から「遠隔」でBZ-Xシリーズを操作していたこと。
2019年、国際共同研究のためUC San Diego(カリフォルニア大学サンディエゴ校)に向かった倉島先生を待ち構えていたのは、未曾有のコロナ禍でした。街はロックダウン。UC San Diegoでも、研究室に立ち入れる人数を制限されたり、週1回のCOVID19検査を必要とされたりと、行動制限がかなりかかったことで、従来通りに研究を進めることがほぼ不可能な状況に陥ったといいます。
「そんな時、キーエンスの方から「Zoomのリモート制御を使ってBZ-Xシリーズ遠隔操作する方法がありますよ」と日本からリモートで教えていただいたのです。これなら、Labに誰かひとりでもいて、サンプルをセットしてもらえれば、観察や撮影はすべて私のほうで行えます。お陰でコロナ禍の中でも研究に勤しむことができました。」BZ-Xシリーズには、ハンドルやジョイスティックなどの物理的な操作機構がなく、すべての操作をパソコン上で完結させる設計となっています。そのため、リモートデスクトップやオンライン会議ツールとの相性が非常に良く、遠隔操作という新しい研究スタイルにも柔軟に対応できたのです。

BZ-Xシリーズの遠隔操作は、コロナ禍が徐々に収束に向かい、倉島先生が再びUC San Diegoにて国際共同研究に従事された際にも、大いに役立ったといいます。「UC San DiegoにもBZ-Xシリーズが導入されていたのですが、これはキャンパス内のイメージングラボコアファシリティーに1台しかない共通機器だったため、予約がいつも埋まってしまっていてなかなか使えない状況でした。」さらに、論文投稿後のリバイス対応においても、その環境は大きな力を発揮しました。
「アメリカにいながら、日本にあるサンプルを用いて追加実験のデータを出すことができたので、とても助かりました。研究を止めずに前に進められたのは大きかったですね。」

「撮影の簡単さと素早さ」「機能追加のスムーズさ」を高く評価

約20年近くBZ-Xシリーズを活用されている倉島先生に、長年使ってきて感じた本機の魅力を伺ったところ、「ちょっとした待ち時間でも撮影できる簡単さと素早さ」と「モジュール形式による機能追加のスムーズさ」の2点を挙げられました。

ちょっとした待ち時間でも撮影できる簡単さと素早さ

「撮影スピードが早くて簡単なので、遠心分離や別の実験の合間に待ち時間が5分程度あれば、サッと撮影ができてしまいます。撮影だけ先に済ませておけば、後は時間が出来た時に解析するだけ。とても楽でしたし、研究もかなり効率良く進められたと感じています。」

モジュール形式による機能追加のスムーズさ

「BZ-Xシリーズの機能追加は、「元々搭載されているけどロックされている機能」を「ドングル(認証プロテクター)」で解放するというモジュール形式です。つまり機能を追加する際にありがちな、機械を工場に送って数ヶ月間の改修を経たり、機能を追加でインストールする必要などがないため、機械が手元からなくなる期間や不具合が発生しないのです。」

またこういった「モジュール形式」だからこそ、状況によってレンタル的に機能を貸し出してもらえるメリットがあると、倉島先生は語られます。「今でこそ欲しい機能はすべて購入しましたが、導入当初は欲しくても買えない機能がありました。そんな時にも相談をすると、期間限定ながら気軽に一部機能を解放いただけて、論文を無事に完成させられたことも。キーエンスさんにはいつも、研究者目線で手厚くご対応いただけているなと感じています。」

キーエンスのサポートは素速さと手厚さが特徴

キーエンスの対応の話が出たところで、改めてサポートについてのご評価も伺った。
すると「機能解放の件もそうですが、非常にサポ―ティブですね。どの担当者さんも機械の使い方に熟知されているので、相談するとパッと返答してくださいます。不具合があった際に連絡したら、当日に来てくださることもありました。大学や企業とコネクションを繋げてくださることもあって、研究がより良くなるよう、また滞ることがないように、素早いアクションで支えてくださっているという感覚があります」と、非常に好印象を持っていることを語っていただけました。

さらにLabメンバーの松下様にも話をお伺いしたところ「倉島先生の渡米中、Labで次世代機のBZ-X1000のデモをやっていただいたことがありました。先生がいなくても非常に丁寧にご説明いただけましたし、こちらのリクエストに応えて、予定時間を延長してまでテスト撮影にご協力いただけたのは、とてもありがたかったですね」と、こちらも好印象。キーエンスの柔軟な対応に満足していることを教えていただけました。

より高性能な最新機の導入も検討中

現在、倉島先生は最新機・BZ-X1000の導入を進めており、「この前、学会でBZ-X1000のデモを見せていただいたんですけど、撮影スピードがさらに早くなって、画質もかなり綺麗になっていました。低倍率で撮影した写真を、40倍まで引き延ばしてもクリア。顕微鏡の写真は1回撮った後、やっぱりもう少しズームで撮っておけばよかったと思うこともあるので、この画質の良さはとても魅力的ですね。」と話されました。
また倉島先生は「長く価値の残る記録を残したい場面では、迷ったら一番良いスペックを選ぶべきだと言われますよね。実験も同じで、せっかく写真を撮るなら、やはり一番良いもので撮りたいもの。10年、20年経ってその写真を見た時に、ボヤボヤに見えたら残念に感じます」とも語っておられました。これでもかというほどBZ-Xシリーズの魅力が語られましたが、最後にその点について触れると、「さすがに宣伝しすぎですね(笑)。自分でもそう思います」と倉島先生。その表情からは、長年連れ添ってきた相棒への愛着が感じられました。