スフェロイドやオルガノイドの透明化観察

スフェロイドとは

スフェロイドとは、細胞同士が凝集して塊になったもののことをさします。
一般的な培養方法では、細胞は単層で培養されますが、生体内では細胞は層状態になるのではなく、塊を形成します。単層よりも塊の方が、細胞間の相互作用や、細胞外マトリックスとの作用を再現できており、より生体内の環境に近いと考えられています。
実際、単層の培養細胞では、薬物の有効性を評価しきれない場合があり、問題となっていました。スフェロイドは、3次元培養で生体内の複雑な環境を再現できるため、薬物の有効性や毒性を評価するためのスクリーニング試験に、スフェロイドは広く利用されています。また、治療のためにスフェロイドを患者に移植する研究も進められており、虚血性疾患や肝疾患の治療において、スフェロイドの有用性が認められています。
スフェロイドの作り方には、非接着性底面の容器内で振とう培養する方法や、培養チャンバーを回転させながら培養する方法もありますが、微細加工された容器を利用することで、均一な大きさのスフェロイドを大量に作成するスフェロイドアレイのための容器が各社から発売されています。

オルガノイドとは

オルガノイドは、スフェロイドを進化させて、臓器としての機能を持たせたもののことをさします。
実際の臓器は継続的に栄養を供給することは難しいため、培養することはできません。一方でオルガノイドは、小型で単純なため、培養することができます。オルガノイドとスフェロイドとの違いは、スフェロイドは単純な種類の細胞を3次元培養した塊であるのに対し、オルガノイドは、臓器としての特定の機能を持つために、複数の細胞から構成された、より複雑な組織という点です。
オルガノイドは、脳、脊髄、肺、腎臓、胃、腸管など、さまざまな臓器で研究されています。また、がん研究の分野でも、患者の腫瘍細胞からオルガノイドを形成し、それを標的モデルにした研究が進められています。

スフェロイドの観察事例

以下の例では、キーエンスのオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X800を利用して、透明化試薬Scaleを使って透明化したHEK293のスフェロイドを観察しています。死細胞が赤く光っており、条件を変えた時の死細胞の分布や増減が観察できます。

従来、スフェロイドやオルガノイドを観察するとなると、レーザ共焦点顕微鏡を使用することが一般的でした。
しかし、①観察に非常に時間がかかる、②非常に操作が難しい、③細胞が褪色してしまう、ということで、思ったように観察できない、といった難点がありました。
BZシリーズのセクショニング機能を使用すると、厚みのあるサンプルでも、背景の散乱光の影響を受けない観察ができます。以下の通常観察の画像に比べ、クリアな画像が得られることが分かります。

オールインワン蛍光顕微鏡 BZ-X800を導入すれば