お客様の声 オートスキャン3Dセンサ LJ-S8000シリーズ
京セラ株式会社 滋賀東近江工場様
高性能半導体向けセラミックパッケージの外観検査を自動化し、生産性1.5倍を実現できました。
ファインセラミックスのパイオニアとして知られる京セラ株式会社様は、高性能半導体向けセラミックパッケージをはじめ、多岐にわたる先端電子部品をグローバルに展開されています。今回、滋賀東近江工場でのセラミックパッケージ外観検査の自動化にキーエンスのLJ-S8000を導入いただいたことから、その背景と導入メリットについてお話を伺いました。
目視検査からの脱却 セラミックパッケージの全数検査を自動化
この度は、京セラ滋賀東近江工場にLJ-S8000 を導入いただきありがとうございます。どのような製品の検査に使用されているのでしょうか?
当工場で生産している、半導体チップを覆う「セラミックパッケージ」と呼ばれる部品の検査に活用しています。ICのパッケージには樹脂や金属製のものもありますが、近年、チップの回路の微細化が進み、AIの普及で計算量が莫大に増えたことにより、発熱に強いセラミック製パッケージの需要が急拡大しています。京セラは創業時からファインセラミック製品の製造を手掛けてきたこともあり、我々の技術とノウハウを活かせるセラミックパッケージは現在、主力製品の1つとなっています。LJ-S8000を導入したのは、そのセラミックパッケージの外観検査を自動化することで、生産効率を上げたいと考えたことが理由です。
アナログな検査方法による、ばらつきと効率が課題に
LJ-S8000 の導入前は、どのような方法で外観検査を実施していたのでしょうか?
アナログな方法で驚かれるかもしれませんが、製造するセラミックパッケージのすべてを、10名ほどの作業員が交代で双眼顕微鏡を覗き、目視で検査していました。セラミックパッケージは単なる外装部品ではなく、その上に微細な電気の配線が施されたエレクトロニクス部品です。セラミックそのものは電気を流さないため「メタライズ」と呼ばれる金属を塗布する処理を表面におこなうことで、電気の配線パターンをセラミック上に形成します。外観検査では、そのパターンが設計通りに形成されているか。パターン同士がくっついたり、かすれたりしていないか。異物が付着していないか、といった項目を見ますが、作業者の視覚に頼っていたため、作業員の技量によって検査精度にばらつきがあることが大きな課題でした。ベテランの作業員であっても、何時間も続けるうちに疲労が溜まって、検査速度が低下するのも避けられませんでした。
採用の決め手は「正確さ」微細な回路パターンを 3D で瞬時に判別
LJ-S8000 の採用を決めたポイントは何でしたか?
まず、検査対象とする電気回路の微細な幅に対して、正確に撮像および測定ができることが第一の決め手となりました。表面の電気回路は、導電性インクでパターンを塗布した後、焼結することで形成されます。その際に、どうしてもインクは生物ですので、厚みや高さが基準値をはずれたり、一直線に塗ったインクに欠けが出たり、異物が付着したりすることがあります。そうなるとICチップの正常な動作を妨げる原因となりますので、きちんと回路が形成されているか、たくさんの種類がある製品別に外観検査をすることが必須なのです。LJ-S8000は形状・高さ・厚み・幅を自動的に3Dで瞬時に計測でき、事前のプログラムで基準値からはずれた製品を自動で判別してくれ、検査を大幅に効率化できると確信しました。微細な回路パターンですので検査するのが困難でしたが、検査精度がミクロン単位で実施でき、校正証明書を発行できるのも魅力でした。
検査効率 1.5 倍を達成、精度のばらつきもゼロに
実際に導入してみて、 効果はいかがでしたか?
人の感覚頼りだった外観検査がシステム化されたことで、検査全体の効率が1.5倍程度スピードアップするとともに、作業者による検査精度のばらつきが無くなったことに、大きなメリットを感じています。導入以前は、16個の部品が並んだパレットを人が手持ちで検査台に置いて、顕微鏡を覗くという手間と時間がかかっていました。現在は、LJ-S8000を設置した検査台の上を、コンベアで部品が乗ったパレットが搬送され、約2秒で1パレットの検査を自動的に終えることができます。万が一不良品があった場合には、音と光でアラートが出る仕組みを構築しました。以前は検査の間ずっと作業者が張り付いている必要がありましたが、設備が自動で検査をおこなってくれるため、検査にかかっていた作業時間をそのまま印刷作業に回すことができ、生産性の向上につながりました。後工程に対して安定した部品を供給できるようになったことも、導入して良かった点です。
足繁く現場に通うキーエンスの伴走型サポート
LJ-S8000 の導入に際してのご苦労などはありませんでしたか?
今回、LJ-S8000について知ったのは、我々からキーエンスへ問い合わせしたことがきっかけでした。その最初から、担当の方が足繁く私たちの工場を訪れてくれ、現場の課題を正確に理解したうえで、最も効率が上がる検査体制の実現まで、細やかにサポートしてくれました。リアル・オンラインでの装置メーカーも交えた三者協議にも何度も参加してもらい、検査自動化というミッションを達成するチームの一員となっていただいたことが、非常にありがたかったです。テスト導入の時点で、私たちが望む検査のスペックが十分に達成できるとすぐにわかったので、導入に迷いはまったくありませんでした。
そう仰っていただいて、 私たちもたいへん嬉しく思います。今後さらにLJ-S8000を導入されるご予定はありますでしょうか?
はい、今回の導入で効果を実感したこともあり、増設を予定しています。次の設備では、流れてくる1つずつの部品の向きを変えながら、3つの側面の回路パターンの測定を、3台のLJ-S8000で自動検査する設備を考えています。その際にはまたキーエンスの方にいろいろとご相談させていただくことになるかと思います。
ぜひご相談ください! 最後に、これからの事業でどのような展開を構想されていますか?
現在、高性能半導体に使用される半導体チップは回路の微細化が極限に近くまで進化しており、チップ単体では今以上の性能向上を望むのが難しくなっています。その限界を打破するために、複数のチップを超短距離で組み合わせ、3D実装する技術が重要になってきており、その実現のためにセラミックパッケージの回路にも高い精度が求められるようになっています。私たちはそうした世界的ニーズに応えられる製品を開発・生産することで、社会により貢献していくことを目指していきます。
お客様紹介 | 京セラ株式会社 滋賀東近江工場様
京セラ株式会社は1959年創業、京都府京都市に本社を置く総合電子部品メーカーです。創業以来、ファインセラミックスの製造技術を核として成長し、半導体パッケージ、電子部品、通信機器、太陽電池など幅広い製品を世界180カ国以上に展開しています。滋賀東近江工場では、高性能半導体向けセラミックパッケージを主力製品として製造。回路の微細化・高精度化が進む半導体市場において、独自のセラミック技術と品質管理体制で業界をリードしています。
※この事例に記述した数字・内容は事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。

