お客様の声 オートスキャン3Dセンサ LJ-S8000シリーズ
マツダ株式会社様
路面の凹凸評価を瞬時に“面”で測定。走行抵抗データの信頼性を大幅向上。
マツダ株式会社は、「人馬一体」という独自の思想のもと、ドライバーとクルマが一体となる走りの楽しさと、環境性能・安全性能を両立するクルマづくりをおこなう自動車メーカーです。CX-5をはじめとするSUVラインナップを展開し、街乗りからロングドライブまで、さまざまなシーンで安心して快適に使える商品づくりを進めています。また、MX-30 e-SKYACTIV R-EVではロータリーエンジンを発電用として採用するなど、マツダならではの技術を生かしながら、電動化の時代における新しい価値の提案にも取り組んでいます。
走行抵抗評価の精度を上げるために「路面の状態」をきちんと押さえたい
この度は、LJ-S8000 シリーズをご導入いただき、ありがとうございます。まず、普段のお仕事内容を教えてください。
私は第2走行・環境性能開発グループという、燃費と排気ガスを管理する責任部門に所属しています。燃費と排気ガスは、車両をシャシーダイナモ(室内試験装置)上で実際の走行条件と同じ抵抗で走らせて計測します。そのため、「走行抵抗」を管理することが不可欠であり、この解析と改善の提案が私の主な仕事内容です。
今回、LJ-Sを使っているのはどんな評価・検査のためでしょうか?
燃費の元になる要素の一つである走行抵抗の評価に関係しています。走行抵抗って、車全体で見ていると、ばらつきが出たときに「タイヤなのか、路面なのか、他の部品なのか」が切り分けしづらいんです。それで、要因の一つである路面の凹凸を、もっと密度高く把握したいという背景がありました。
部品(路面)を“線”ではなく“面”の3Dで捉え、解析に使えるデータを安定して取得
“面”で取れると、実際どんなメリットがありますか?
タイヤの接地って一点じゃなくて面じゃないですか。だから、路面もできれば面として見たいんです。従来の測り方だと、どうしても“線(プロファイル)”中心で、面で取るにはセンサか対象を動かしたり、仕組みが大がかりになりがちで線(プロファイル)測定しかおこなうことができておりませんでした。
たとえば路面に“石が1個”あると、線だとその影響を強く受けて解析値が引っ張られることがあります。面で取れると、区間の指標(ピーク間の平均、二乗和平均など)を作ったときに値が安定しやすくなって、抵抗との関係も整理しやすくなりました。
採用の決め手はスキャン機構内蔵とCSV出力
LJ-S8000のどこに一番魅力を感じましたか?
一番はやっぱり、センサヘッドを置いたままで面の3Dデータを取れるところです。それと、現場で使う前提だと「簡単に安定して取れるか」がすごく重要なんですが、デモでそこが確認できたのも大きかったですね。測定データをCSV出力して、Pythonで処理しています。面データは点数が多いので、そのままだと扱いづらいんですが、最近はPythonで必要な指標に落とし込めるので運用できています。
外注計測のネック リードタイムと「コース占有」の制約で、点数を増やしにくい
導入前は測定を外注されていたとのことですが、何が一番ネックでしたか?
1番は段取りですね。外部にお願いすると、
・計測会社さんの空き
・テストコース側の空き(占有の調整)
この2つの兼ね合いがあって、結果としてリードタイムが約1か月かかることもありました。人が入って計測する形だと、安全面の都合で占有が必要になります。占有時間を長く取りにくいので、どうしても測定点数を削ることになります。
LJ-S導入後:テストコースを“100mごと×面”で、必要なだけ取りに行ける
LJ-S導入後は実際にどのくらいの点数で取っているんですか?
直線のテスト区間が片道約1,400mあって、そこを往復しながら測っています。測定間隔は100mごとで、区間としては片道15地点(1,400mを100mピッチで見ていくイメージ)ですね。
さらに、横方向で1地点あたり3カ所取りますので、
片道:15地点×3カ所=45回
往復:45回×2=合計90回という回数で計測しました。
その回数を回すのに、どのくらい時間がかかるんですか?
車に積んで移動して、降ろして測って…を繰り返して、トータルで2〜3時間くらいでした。
外注だと、同じ点数は難しい?
難しいですね。占有の都合があるので、どうしても点数は減らします。体感としては、今回の1/3程度(90回→30回)に抑えるイメージになります。しかも、面ではなく線のプロファイルデータなのでデータの確からしさも今より低い状態になります。
関連部署にも展開
操安・ブレーキ評価にも路面3Dデータが活きる
走行抵抗以外の部署でも、活用は進んでいますか?
もともとは走行抵抗グループ内での路面管理が主な目的でしたが、取得したデータを他部署にも提供するようになっています。操安性(ハンドルを切った時の応答を評価する部署)やブレーキ担当の部署にもデータを展開しており、特にブレーキ担当の方に「テストコースの直線を撮ったデータがありますよ」と渡したところ、「十分すぎるデータです」という回答をいただきました。
キーエンスのサポート体制についてはいかがでしたか?
導入前の不安を、現場デモでその場で解消できたのが大きかったです。LJ-Sのご紹介を受けた後、こちらの敷地内(駐車場)で実際に路面を計測して見せてもらって、「簡単に」「何回やっても」「安定してデータが取れる」ことをその場で確認できました。カタログ上の説明だけだと、買っても結局うまく使えない…という心配が残りがちなんですが、現物で再現性まで見せてもらえたので「これなら導入しても大丈夫そうだ」という安心感につながりました。また、計測用の簡易治具(スタンド)も持ち込んでもらえたので、こちらで大がかりな準備をしなくてもすぐにテストに入れたのも助かりました。こうした“その日その場で試せる”スピード感があったことで、社内でも検討が進めやすく、結果として導入判断も比較的早くできたと思います。
今後の展開についてお聞かせください。
路面データは取れるようになったので、今後はタイヤ側の評価と組み合わせて、国内外など条件が違っても抵抗差が大きく出にくい状態につなげていきたいです。お客様は毎回同じ条件で車を使うわけではないので、どの条件でも燃費・操安・制動が安定して出るようにしていきたいですね。
お客様紹介 | マツダ株式会社様
マツダ株式会社は1920年創業、広島県安芸郡府中町に本社を置く自動車メーカーです。自動車および同部品の製造・販売を中核事業とし、乗用車・SUVを中心とした幅広いラインナップを国内外に展開しています。独自のエンジン・トランスミッション・プラットフォーム技術の総称である「SKYACTIV TECHNOLOGY」を軸に、「走る歓び」と優れた環境・安全性能の両立を追求し、グローバル市場での独自のブランド価値を確立しています。
※この事例に記述した数字・内容は事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。
