お客様の声 オートスキャン3Dセンサ LJ-S8000シリーズ

プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社様

部品ばらつきに左右されない3D検査で過検出を大幅削減

プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社様は、2020年にトヨタ自動車とパナソニックが共同出資した車載電池専業メーカーです。ハイブリッド車(HV)・プラグインハイブリッド車(PHV)・電気自動車(EV)向けの高性能リチウムイオン電池を製造・供給しています。同社の製造する電池は、自動車の走行性能と安全性を直接左右する基幹部品であり、溶接を含む精密加工と品質保証において業界最高水準が求められています。

電池部品の溶接品質検査を全数自動化するために

本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、どのような製品・工程に3D 検査を活用されているのでしょうか?

当社で扱う車載向け電池部品のうち、全数を外観検査が必要な工程で活用しています。具体的な検査内容は、電池部品の過去の工程検証から溶接箇所等の検査です。車載電池という用途の特性上、こうした不良品を1件も流出させることは許されず、全数検査が必須です。これまで目視検査で対応してきた当社では、「外観検査の自動化・合理化」が経営課題として認識され、それ以降自動検査導入の検討が始まりました。

2Dカメラの過検出と長期安定性が課題に「見え方(顔)」が変わることで、良品が不良扱いになる

3D 検査導入前は、どのような方法で検査されていましたか?

従来は2Dカメラによる検査でした。2Dなので、そのままでは高さ(深さ)が見えません。そこで、照明で影を作るなどして、2Dを “3D 風 ” に見せて、影の出方や面積から不良を検出する考え方で運用していました。

課題はどこにありましたか?

課題は大きく2つあります。1つ目は、部品自体の寸法ばらつきなどの影響で、カメラから見たときの見え方(顔)が変わってしまうことです。さらに溶接などの加工点が複数あることも影響して、見え方の変動が起こりやすくなります。良品でも影の出方が変わってしまい、結果として過検出(良品を不良と判定)が増えてしまいます。2つ目は、瞬間的に合わせ込むことはできても、長期間、安定して検出を継続するという点で限界が見えていたことです。これは現場感として、過去の検証結果からはっきり課題として認識していました。

採用の決め手は「高さ(深さ)方向」で判定できること

「影ではなく、高さ(深さ)を直接見て検出する発想へ」その課題を受け、3D検査をご検討された背景を教えてください。

2Dで影を使うと、どうしても見え方の変動に引っ張られやすいです。そこで、影で“それっぽく”見るのではなく、高さ(深さ)方向の差を直接見て検出する考え方に切り替えました。割れや欠け、溶接関連の不良は、見え方の濃淡だけでなく、結果として“高さ(深さ)”として違いが出ます。その差を3Dで捉えた方が、理屈としても安定すると考えました。
カメラでの長期安定の難しさは過去の工程検証結果からも見えていました。その後、2022年には、まず3Dでいけるかどうかの見当をつけるため、LJ-Xを借用して検証を進めました。検出の「差分」が安定して取れるかどうかという点に着目し、方向性が見えました。さらに、量産設備を見据えた形で検証を進め、仕様を固めていく中でオートスキャン機構内蔵のLJ-Sシリーズがリリースされ、直近では2026年度に量産ラインでの運用を目指しています。まだ立ち上げ途上の面もありますが、検証と量産の画像傾向が大きく乖離していないことは確認できています。

導入効果:過検出が大幅削減へ

導入効果はいかがでしたか?

具体的な数字は出せませんが、過検出は改善できております。溶接は条件が良いとき/ばらついたときの振れがあり、運用上苦労してきたのですが、3Dのデータで高さ(深さ)を捉えることで圧倒的に改善しております。

スキャン機構が不要になり、検証機の付帯設備のコストは7~8割減

LJ-S(オートスキャン)導入で、検証機の導入の負担はどう変わりましたか?

従来のLJ-Xシリーズは、3Dデータを作るためにスキャンする機構が必要になります。スライダーで動かしたり、スタート/完了位置を取るセンサが必要になったり、原点出しも含めてユニットが増えます。ソフト面でも、動かす前提の組み込みが必要になります。また検証するためだけでも、図面を描いて、メカ部品だけでも数十万、電気部品も含めると更に費用がかかっておりました。
一方でLJ-Sシリーズは、オートスキャン機構とエンコーダが内蔵されているので、設備としての設計負担が大きく下がります。オプション品の取り付けスタンドに“載せるだけ”で進められる。結果として検証機の治具や付帯設備のコストは、従来構成と比べて7~8割削減できております。

同様の課題を持つ製造現場へのメッセージをお願いします。

「2Dカメラで調整しても安定しない」という経験をされている現場には、ぜひ3D 検査を試してみることをお勧めします。当社では過去から長い検証を重ねてこの結論に至りましたが、最初から3Dを検証していれば、もっと早く課題を解決できたかもしれません。

今後の展開・横展開についてお聞かせください。

今入れた設備を成功させて次工程・次ラインへと展開していく予定はあります。狙いとしては、検査の合理化で工数が下がれば、製造としての原価低減につながります。ただ、人の作業は「工数が減った=人が減る」と単純にはいかない面もあるので、工程全体の持ち方も含めて詰めていく必要があります。将来的には、ライン監視と検査を両立するような形も含め、より少ない負担で回せる状態を目指したいです。

最後に、取り組みを支える思いをお聞かせください。

個人としては、電池製造に長く携わってきた背景もあり、ずっと根底にあるのは、海外のメーカーに負けたくないという思いです。製造業、電池づくりが負けてほしくない。その気持ちが、こうした改善を進める原動力になっています。

お客様紹介 | プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社様

プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社様は、2020年にトヨタ自動車とパナソニックが共同出資した車載電池専業メーカーです。ハイブリッド車(HV)・プラグインハイブリッド車(PHV)・電気自動車(EV)向けの高性能リチウムイオン電池を製造・供給しています。

※この事例に記述した数字・内容は事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。

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