お客様の声 オートスキャン3Dセンサ LJ-S8000シリーズ

パナソニック ライティングデバイス株式会社様

蛍光体セラミックプレートの反り検査を内製で自動化。設備立ち上げ速度を50%以上向上できました。

蛍光体セラミックプレートをはじめとするデバイス商品の製造を手がけるパナソニック ライティングデバイス株式会社(PLDV)様は、プロジェクターや車載ヘッドライト、検査用照明など幅広い分野に使用される部品をグローバルに展開されています。大阪府高槻市の工場では、セラミックプレートの反り寸法管理・外観検査の定量化と自動化が長年の課題でした。今回、その検査工程にキーエンスのLJ-S8000を導入し、検査設備の内製化に取り組んだ背景と成果について、お話を伺いました。

目視・感覚に依存した検査からの脱却

この度は、LJ-S8000を検査に導入いただき誠にありがとうございます。まず、御社が製造されている蛍光体セラミックプレートとはどのような製品で、どのような検査に用いられているのか教えていただけますか?

蛍光体セラミックプレートは、青色レーザーを当てると黄色の光を発する特殊なセラミック製の板状部品です。青色レーザーとこの黄色の光を合わせることで白色光を生成できるため、高輝度・高効率な光源として、プロジェクターや車載ヘッドライトなど幅広い分野で使用されています。私たちの部署では、この蛍光体セラミックプレートの寸法・外観検査にLJ-S8000を活用しています。
従来は目視による検査が中心で、ワークに隙間ゲージを入れて確認するという方法でした。検査時間がかかり生産効率のボトルネックとなっていたほか、検査結果に個人差が生じ、品質のばらつきが発生していました。0.1mm以下の反りになると感覚的な判断では限界があり、自動化と数値化による検査精度の向上が私たちの部署にとって急務となっていました。私はもともと別の部署に在籍しており、2年ほど前にこの製品を担当する部署に異動してきましたが、当時この検査体制がまだ十分に立ち上がっておらず、「何とかしなければ」という状況の中で今回の取り組みを始めました。

「数値化できない」ことが、設備立ち上げの壁に

LJ-S8000導入前は、どのような課題があったのでしょうか?

一番の課題は、外部業者も含めて寸法管理ができる装置がなかったことです。ワークに隙間ゲージを入れてみるなど、定量的な寸法管理ができておらず、品質管理ができないという状況がありました。

いろいろと外部業者での製作も検討してみたのですが、やはり費用が高い。数千万円という規模で、納期も3〜4ヶ月かかることが分かり、自社での内製化に方針を切り替えました。特に0.1mm以下の反りになってくると、感覚ではまったく分かりません。後工程に行って初めて不良が分かるため、前工程へのフィードバックが遅れ、設備立ち上げに非常に時間がかかっていました。

内製設備で自動化を実現

実際にどのような検査設備を構築されたのでしょうか?

当社の強みは、検査設備を自分たちの手で立ち上げられる内製化スキルにあります。LJ-S8000を核に、反り検査・外観検査・厚み測定の3つを一つの検査設備に集約しました。反り検査と外観検査の一部にLJ-S8000を使用しています。3Dデータを使って面全体の反りの形状と位置を把握し、どこが反っているかを視覚的に特定します。また、LJ-S8000の濃淡(白黒)画像を活用してシミや汚れを検出し、傷の検査にはLJ-S8000と連携させた画像処理センサ(XG-Xシリーズ)によって部品を回転させながら全周をカバーする構成としています。厚み測定については、接触式測定器(GT2シリーズ)による測定を組み合わせています。この設備を実稼働の前に社内でプレゼンすると、「そんなことまでできるのか」という驚きの声が関係各所から上がりました。現場の声を取り入れながらキーエンスの担当者とともに改良を重ね、誰が操作しても同じ結果が得られる設備へと仕上げていきました。

設備立ち上げ工数を50%以上削減

実際に導入してみて、効果はいかがでしたか?

設備立ち上げの速度が、感覚としては50%以上短縮されました。今までは前工程で作って、後工程で検査するまで分からなかったのですが、それが作った直後に検査して、すぐに分かるようになりました。大きな反りは肉眼でも分かるのですが、0.1mm以下の反りになってくると感覚では分かりません。どこが反っているのかという位置が分かることで、設備の改造についても「入り口側を削っている時はダメ」「下側を削っている時はダメ」ということが分かるようになり、設備立ち上げのスピードが格段に上がりました。ただ単に数値管理されるだけでなく、どこが悪いのかを特定し、全体を見ることができるのが強みです。いつもここだけ悪いと分かれば、そこを対策できるという、次のフィードバックにつながる仕組みになっています。

直感的な操作性と、カメラにはないロバスト性

操作方法や測定の再現性、また長年携わってこられたカメラ検査との違いについてはいかがでしたか?

直感的に扱える操作性に加え、非常に高い測定再現性を実感しています。微細な段差や形状変化まで確実に数値化できますし、誰が使用しても同一の結果が得られる高い再現性が大きな魅力です。内製設備への組み込みもスムーズに行え、想定以上に短期間で安定運用へ移行できました。カメラを使った検査には長く携わってきましたが、LJ-S8000を使ってみて、ロバスト性(安定性)の高さに改めて驚いています。カメラ検査では照明条件が少し変わるだけで検出結果が変わることがありますが、LJ-S8000は形状データを取得するため、環境変化に左右されにくく、長期にわたって安定した検査精度を維持できます。

キーエンスの担当者の熱量と柔軟なサポートが支えに

キーエンスのサポート体制はいかがでしたか?

キーエンスの担当者には、検討段階から一緒に装置の構成を考えていただきました。「こういうことをしたい」という課題を持ちかけると、単に製品を提案するだけでなく、「じゃあこういう使い方はどうか」「このフローで組めばできますよ」と一緒に考えて形にしてくれる方で、その熱量と姿勢が今回の導入の大きな後押しになりました。導入後も、現場から「この検査も追加したい」「もう少し使いやすくしてほしい」といった要望が出るたびに、キーエンスの担当者と連携しながら改善を進めてきました。困った時にすぐ相談できる関係性と、フレキシブルに対応いただけるサポート体制が、内製化プロジェクトを前に進める大きな支えとなっています。

属人化の解消と、ものづくりの継承に向けて

今後のLJ-S8000の活用や、会社としての展望についてお聞かせください。

当社として蛍光体セラミックプレートをはじめとしたデバイス商材を伸長させていくにあたり、競争力のあるコストで高品質なものづくりを実現するために、検査の自動化・効率化はますます重要になります。同時に、属人化の解消も大きなテーマです。長年のベテランが定年を迎えつつある中で、経験と勘に依存したものづくりから脱却し、誰でも同じ品質で作れる仕組みを構築することが急務です。LJ-S8000を通じた測定の定量化・数値化は、まさにこのベテランのナレッジを組織の形式知として残す重要な手段です。今後もLJ-S8000の台数を増やし、より多くの工程への展開を進めていきたいと考えています。

最後に、ものづくりへの思いをお聞かせください。

私がものづくりで一番大切にしているのは、「使ってくれる人のことを考えた設備を作る」という姿勢です。もともと18年間製造現場で働いていた経験から、現場の作業者が使いにくいと感じる設備は、どれだけ優れた機能を持っていても意味がないと痛感しています。現場の声を丁寧に拾い上げ、誰が使っても同じ操作で同じ結果が出る設備を、キーエンスさんと一緒にこれからも作り続けていきたいと思います。

お客様紹介 | パナソニック ライティングデバイス株式会社様

蛍光体セラミックプレートをはじめとするデバイス商品の製造を手がける。プロジェクター・車載ヘッドライト・検査用照明など幅広い分野に使用される部品を製造し、設備内製化による高い自社技術力を強みとしている。

※この事例に記述した数字・内容は事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。

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