自動車・航空関連業界
油圧部品のデジタルマイクロスコープでの観察・測定
油圧部品は、ショベルカーなどの建設機械や、自動車のブレーキなど、小さな力を大きな力に変換したい場合に使用されています。また、油圧部品はパワー密度が高いため、機器の大きさを小型・軽量化できるメリットもあります。ここでは、油圧部品のデジタルマイクロスコープでの観察・測定事例を紹介します。
油圧の原理
密閉容器の中で静止している流体の一部油に圧力を加えると、容器の形状に関係なく、流体が触れているすべての面に垂直に同じ圧力がかかります。これを“パスカルの原理”と呼びます。この原理を利用し、油を使って力の増幅を可能にしたものが油圧装置となります。
油圧のメリット・デメリット
油圧には大きなメリットがある反面、油圧ならではのデメリットも存在します。
- 油圧のメリット
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- 大きなパワーを正確に高速で伝達できる
- パワー密度が高く小型化・軽量化が図れる
- 圧力制御弁があるため安全性が高い
- 油で潤滑されているので寿命が長い
- 油圧のデメリット
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- 油内のコンタミに弱い
- 油が発火する可能性あり(引火点は、200から250度)
- 油漏れのリスクがある
代表的な油圧部品
- 油圧ポンプ
- 電動機やエンジンなどを動力源として作動油に圧力を与える役割を果たします。
- 制御弁
- 作動油の圧力、流量、流れの方向を制御します。 それぞれ、圧力制御弁、流量制御弁、方向制御弁と呼ばれています。
- 油圧アクチュエータ
- 流体動力を機械的な動力に変換します。油圧アクチュエータには、流体動力を直線運動に変換する油圧シリンダ、回転運動に変換する油圧モータ、揺動運動に変換する揺動形アクチュエータがあります。
デジタルマイクロスコープによる油圧部品の観察・測定事例
キーエンスの4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」を用いた油圧部品の観察・測定の最新事例を紹介します。
傾斜観察と深度合成機能を使用することで、非破壊で内壁を観察できるようになりました。
4Kの解像度で、溶接の境界が鮮明に観察できます。
2D測定機能で、傷の大きさを定量化できます。
従来は、破壊して測定していましたが、非破壊で形状測定できるようになりました。
コントレーサで測定できない箇所も非接触で3D解析できます。
粗さのデータベースを蓄積することができるようになりました。