化学・材料・素材業界
ペットボトルのデジタルマイクロスコープでの観察・測定
日常生活で日々使用しているペット(PET)ボトルのPETは、ポリエチレンテレフタレート(POLY ETHYLENE TEREPHTHALATE)の略で、石油からつくられる樹脂の一種です。食品衛生法に適合し、安全で軽く、リサイクル性にも優れるため飲料用の容器として普及しています。ここでは、ペットボトルの特徴や製造方法、デジタルマイクロスコープでの観察・測定事例を紹介します。
ペットボトルの特徴
日常生活で使用されているペットボトルは、以下のような特徴により、主に飲料用の容器として普及しています。
- 食品衛生法に適合し、安全で衛生的
- ガラス瓶と比較し軽量で割れにくい
- リサイクルできるため環境に優しい
- 燃やしても二酸化炭素と水になり、有害物質を発生しない
- 何度でもキャップできる
- 透明なので中身が見える
- 加工しやすいため、サイズが豊富
ペットボトルの製造方法
ペットボトルは、一般的に下記のように「二軸延伸ブロー成形法」で製造されます。
ペットボトルキャップ・ラベルの材質について
ペットボトル本体はポリエチレンテレフタレート(PET)ですが、キャップはポリプロピレン(PP)、ラベルはポリスチレン(PS)が使用されています。以下が材質を分けている背景です。
- PPはPETよりも柔らかいため、キャップを締めるときに密着しやすい。
- PPはネジ切りや滑り止めなどの加工がしやすい。
- ラベルがPETだと硬くて本体に巻けなくなる。
最近は、ラベルの無いペットボトルも登場しています。
ポリエチレンテレフタレート(PET)が水に沈むのに対して、ポリプロピレン(PP)は水に浮きます。
この性質を利用してリサイクルの際の混入を防止しています。
ペタロイドについて
炭酸用のペットボトルは、耐圧用ペットボトルと呼ばれ、厚めで断面が必ず丸くなっていますが、底には5つの半球状の突起があります。この形が花びらのように見えることからペタロイド(Petaloid)と呼ばれ、ガス圧に耐える理想的な形状とされています。
デジタルマイクロスコープによるペットボトルの観察・測定事例
キーエンスの4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」を用いたペットボトルの観察・測定の最新事例を紹介します。
ボトル先端にピントを合わせた画像
ボトル底部にピントを合わせた画像
観察距離が長く被写界深度が深いため、容器を切断せず観察できます。