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エアゾールのデジタルマイクロスコープでの観察・測定
エアゾールはスプレー缶とも呼ばれ、容器の中に噴射剤と内容物を充填し、ガスの圧力で内容物を霧状や泡状に噴き出す製品のことを表します。化粧品のヘアスプレーやヘアムース、殺虫剤や消臭剤など、日用的に幅広い製品に応用されています。ここでは、エアゾールのデジタルマイクロスコープでの観察事例を紹介します。
- エアゾール製品のメリットとデメリット
- エアゾールの構造
- 使用前に振って使用する製品と振らずに使用する製品の違い
- 倒立して使用できない製品と正倒立で使用できる製品の違い
- デジタルマイクロスコープによるエアゾールの観察・測定事例
エアゾール製品のメリットとデメリット
ガスの圧力を利用するエアゾール製品には以下のようなメリットとデメリットがあります。
- エアゾール製品のメリット
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- ボタンを押すだけのため簡単
- 携帯に便利
- 酸化しないため長期保存が可能
- 汚れないため安全で衛生的
- 必要な量だけ使用できる
- ポンプタイプと比べ細かい霧や泡がつくれる
- エアゾール製品のデメリット
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- 高温の場所に置くと破裂する恐れがある
- 低温ではガス圧が不足し、噴出しにくくなる
- 廃棄処理の際に分別が必要
- ガスが先に無くなった場合、内容物が残ることがある
エアゾールの構造
使用前に振って使用する製品と振らずに使用する製品の違い
エアゾール製品には、使用前に振ってから使用するものと、振らずに使用するものがあり、内容物や噴射剤の種類によって異なります。
- 振って使用する製品:
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- 噴射剤に液化天然ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)を使用している製品。
- 噴射剤が内容物に溶解しないで3相に分離している製品。
- 内容物が乳化系の製品。
- 粉末が配合された製品。
- 振らずに使用する製品:
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- 噴射剤に窒素ガス(N2)や炭酸ガス(CO2)などの圧縮ガスを使用している製品。
倒立して使用できない製品と正倒立で使用できる製品の違い
エアゾール製品には、構造の違いにより、倒立して使用できないもの、倒立して使用するもの、正倒立して使用できるものがあります。
- 倒立して使用できない製品:
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- ディップチューブを通して内容物を噴射する製品。
頭部が下になると、ディップチューブの先端が噴射剤のガス層になり使用できません。
- ディップチューブを通して内容物を噴射する製品。
- 倒立して使用する製品:
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- ディップチューブが無い製品。
頭部を上にしますと噴射剤のガス層になり使用できません。
- ディップチューブが無い製品。
- 正倒立で使用できる製品:
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- ディップチューブに重りがある製品。
常にディップチューブ先端が液相に浸かった状態になります。 - ディップチューブだけでなく、バルブ部分の横穴(べーパータップ)からも内容物が排出される機構のある製品。
- ディップチューブに重りがある製品。
デジタルマイクロスコープによるエアゾールの観察・測定事例
キーエンスの4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」を用いたエアゾール観察の最新事例を紹介します。
また、可変照明アタッチメントで破断面の凹凸を強調できます。
2D画像
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