UVライト(ブラックライト)を活用した撮影
UVライトは、ブラックライトとも呼ばれており、わずかに目で見える紫外線を放射しています。
ここでは、UVライトを活用したデジタルマイクロスコープの撮影・解析事例を紹介します。
UVライトと蛍光
UVライトは、紫外線を発生させるライトで、蛍光観察に使用されます。
蛍光とは、ある波長の光を吸収し、吸収した光の波長より長い波長の光を放出する性質を表します。
デジタルマイクロスコープによるUVライトを使用した撮影事例
UVライトは屋内の視覚効果のために使用される場合もありますが、キーエンスの4Kデジタルマイクロスコープ「VHXシリーズ」では、各種蛍光材料の観察、鉱物学、法医学(科学捜査)、医学、生物学など、さまざまな目的で使用されています。
医学、生物学の蛍光観察では、一般的に蛍光顕微鏡が使用されますが、工業用途ではUVライトを活用することで観察が可能になります。
浸透探傷検査 PT(Penetrant Test)
航空業界や自動車業界では、目に見えない微小な傷やクラックを観察するために蛍光探傷剤が使用されています。
蛍光塗料を対象物に散布し洗浄すると、傷やクラック内に蛍光剤が残ります。そこにUVライトを当てると蛍光を発するため、肉眼やカメラで確認できます。微小な傷を高倍率で撮影したい場合には「VHXシリーズ」を使用します。
電子基板のフラックスの残留チェックや異物の確認
電子基板のフラックスはブラックライトで蛍光するため、残留フラックスの確認を行うことが可能です。また、ショートの原因になるホコリなどの異物の発見も容易に行うことができるので、電子部品の検品に役立ちます。
鉱物・宝石などの確認
成分により一様ではありませんが、蛍光反応により宝石、鉱物などの鑑定に用いられています。
ホコリや汚れなどの確認
ホコリをブラックライトで照らすと、白く蛍光します。科学捜査では、付着した繊維の特定を行っています。その他、犬や猫や人間の尿の飛沫などもブラックライトで反応するため、掃除の確認などで使うこともできます。
生体内の観察(ショウジョウバエ)
生物系の用途では、生体内を透過して観察できます。