三角測量方式(三角測定方式・三角測距方式)センサの原理と用途事例

三角測量方式の反射型レーザセンサは、投光されたレーザー光が対象物表面で反射して受光素子(CMOS)が受けるまでの光路が三角形を描くことから、三角測定方式や三角測距方式とも呼ばれます。三角測量方式では、レーザセンサと対象物の距離の変化を受光素子の受光位置で検出します。ここではその原理やメリット、用途事例について解説します。

三角測量方式の原理

三角測量方式 反射型レーザセンサの例
基準距離のとき
基準距離のとき
距離が近づいたとき
距離が近づいたとき
距離が遠ざかったとき
距離が遠ざかったとき

図のように、対象物に照射され対象物表面で反射したレーザー光は、受光レンズを介して受光素子(CMOS)で結像されます。対象物との距離が変化すると、反射光を受光するときの角度が変わり、受光素子上で結像される位置が変化します。この受光素子上の結像位置の変化量から対象物との距離の変化(移動量)を算出します。これにより対象物の位置を判別することができます。

三角測量方式のメリット

色や背景の影響を受けにくい
一般的な受光量判別型と異なり、ワーク表面で反射したレーザー光で距離を判別するため、ワークや背景の色や材質の影響を最小限に抑えることができます。たとえば、ワークと背景が同色であっても安定した位置判別が可能です。
対象物に合ったスポットサイズが選べる
対象物や検出箇所が微小な場合には径が小さいスポット光を用い、表面が粗く乱反射する場合にはワイドに広がったスポット光を用いることで安定検出が可能です。また、スポット径や感度を簡単に調整できるレーザセンサもあります。キーエンスではさまざまなニーズに応える三角測量方式のレーザセンサを取り揃えています。

三角測量方式 レーザセンサの用途事例

黒不織布の有無検出

反射防止材のような反射率が低く薄いワークでも、対象物にあわせて光量を自動制御する機能(LR-X)や背景チューニング機能(LR-ZH)で安定検出できます。

プラスチックやガラスなど透明ワークの検出

登録した背景からの受光量変化を検出する背景チューニングにより、透明のプラスチックやガラスといった透明体も安定検出が可能です。また、リフレクタ・反射テープを使用することで、背景の安定しないワークでも検出することができます(LR-ZH)。

まとめ

三角測量方式の反射型レーザセンサの特徴とメリットをまとめると以下の通りです。

  • ・三角測量の原理で対象物までの距離を測定するレーザセンサ
  • ・一般的な受光量判別型レーザセンサと比べ、色や背景の影響を受けにくい
  • ・透明体も検出できる
  • ・対象物に合ったスポットサイズが選べるため、安定検出が可能

センサにはこのほかにもさまざまな種類があり、それらの特徴を知って正しく選定することが大切です。
本章に記載した内容や、他の章でも紹介しているセンサの特徴を1冊にまとめた資料は、下記よりダウンロードしていただけます。ラインナップカタログと併せてご覧ください。

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