食品業界
産業用ロボットの導入は、これまで自動車産業や電子機器産業が大半を占めていました。しかし、近年は産業用ロボットおよびロボットビジョンシステムの技術革新により、他業種でも積極的に導入されるようになっています。特に人手に頼ることが多く、人材不足の影響を受けていた食品業界は、産業用ロボットおよびロボットビジョンシステムを活用した自動化に関心を示しています。こちらでは、食品業界におけるロボットビジョンシステムの具体的な活用事例、従来の課題と導入のメリットなどをご紹介します。
包装食品のコンベア整列
水平多関節ロボット(スカラロボット)とロボットビジョンシステムを活用し、梱包食品のコンベア整列作業を自動化した事例です。ロボットビジョンシステムでワークをトラッキングし、ベルトコンベア上のワークを追従しながら搬送・整列作業を実施。ワーク供給用とケース供給用のように複数のベルトコンベアを同時にトラッキングでき、ベルトコンベアを停止することなく安定した整列作業が行えるのでタクトタイムの大幅短縮に効果的です。
また、画像認識でワークの位置・角度などを検出するので、従来のロボットのように整列装置が不要となり、低コストで汎用性の高いシステム構築が可能です。自動化によるタクトタイム短縮に加え、作業者による品質・作業速度のばらつきもなくなり生産安定化などの効果も生み出しました。
キーエンスのロボットビジョンシステムは、各社のロボットと直接接続ができ、既存システムに簡単に追加できます。ロボットビジョンシステム導入により整列装置を廃止でき、混合生産に対応したシンプルかつ柔軟性の高い生産ラインが構築可能です。
ハイスピードピッキングによる箱詰め
コンパクトな水平多関節ロボット(スカラロボット)とロボットビジョンシステムを活用し、お菓子のピッキング・箱詰めを自動化した事例です。従来のロボットピッキングは、事前に整列させる必要があり、位置ずれが発生するとピッキングができないという問題点がありました。しかし、ロボットビジョンシステムを活用することで事前の整列が不要になります。画像認識によってワークの位置・向きを捉え、高速で箱詰めが行えるのでタクトタイムの短縮に効果的です。また、ロボットビジョンシステムであれば、大きさや形状の異なるワークにも対応できるので多品種の箱詰めに対応できます。
キーエンスのロボットビジョンシステムは、さまざまなロボットに直接接続できるので最低限の手間・費用で導入が可能。すでに持っているロボットや既存システムを活かして、ピッキング＆箱詰めを自動化できます。さらにハイスピードピッキングによる箱詰めと同時に検査もでき、生産効率アップに効果的です。
食品パックのピッキング＆ラベリング作業
貼付け面の形状が不安定な食品容器、パンなどが入った袋状の食品パッケージなどは、従来の座標制御のロボットのよるピッキング＆ラベリングが困難でした。そのため手作業で行う必要がありましたが、多くの作業者が必要になるので人件費がかかり、作業者によって作業のばらつき・作業速度の差なども発生していました。このような食品パックのピッキング＆ラベルング作業もロボットビジョンシステムで解決できます。
天吊スカラロボットとロボットビジョンシステムを活用した事例では、画像認識によって食品パックの形状・角度・ラベル貼り付け位置を検出し、正確かつ高速でラベルの貼り付けを実施。柔らかい食品パック、湾曲形状の食品パックにも対応し、ラベリングと搬送作業を同時に行うことでタクトタイム短縮・省人化を実現しました。
省スペースで設置可能な天吊スカラロボットなら既存システムへの追加も比較的容易です。キーエンスのロボットビジョンシステムは、さまざまなメーカーのロボットと直接接続でき、既存システムを活かしながらピッキング＆ラベリング作業を自動化できます。
