自動車・自動車部品業界

自動車・自動車部品業界では、24時間体制の量産、品質向上、コスト削減などのために古くから産業用ロボットが活躍しています。溶接や塗装、組立、検査などの工程において産業用ロボットが活用されていますが、その先にあるFA(ファクトリーオートメーション)実現を目指してロボットビジョンシステムを導入する企業も増えています。こちらでは、自動車・自動車部品業界におけるロボットビジョンシステムの具体的な活用事例、従来の課題と導入のメリットなどをご紹介します。

等速ジョイント(自動車用CVJ)組立ライン

等速ジョイント(自動車用CVJ)組立ライン

自動車の駆動力伝達部品(ドライブシャフトやプロペラシャフトなど)に使用されている「等速ジョイント」。英語表記の「Constant Velocity Joints」を略して「自動車用CVJ」とも呼ばれます。この等速ジョイント(自動車用CVJ)は、金属部品のほかゴムブーツや樹脂ブーツなどの変形しやすい部品が多数含まれ、部品同士の位相を合わせて組み立てる必要があるのでロボット化が困難でした。しかし、ロボットビジョンシステムを活用すれば画像処理で位相を検出し、人間の目のように切り欠きや突起を判断してロボットで組み立てることが可能です。

また、等速ジョイント(自動車用CVJ)は、製品の特性上、不安定な形状なので通常の搬送装置では扱いにくいという問題点があります。製品にもよりますが完成品で10kg程度になるものも多く、作業者の負担も大きいものでした。この搬送作業もロボットビジョンシステムを活用すれば、製品の形状や向きを検出して最適な方法でハンドリングできるので負担軽減に効果的です。搬送と同時に外観検査を行えば大幅な効率化にもなり、品質向上にもつながります。

キーエンスのロボットビジョンシステムは、ロボットメーカー各社の標準コントローラに直接接続でき、さまざまな生産ラインに対応します。オートキャリブレーション機能でティーチングの手間もかからず、作業者の経験にかかわらず迅速な立ち上げが可能です。等速ジョイント(自動車用CVJ)組立ラインの省人化・高効率化に貢献します。

車載電装品用水冷基板組立工程

環境性能に優れたハイブリッドカーが普及し、電気自動車も実用化が進んでいます。小型・高出力なモーター・バッテリー・インバータ等が求められるようになり、車載電装品用水冷基盤(直接水冷型車載モジュール等)の需要が拡大しています。しかし、車載電装品用水冷基盤は精密さが求められるため、ロボットによる完全な自動化が困難という課題がありました。

しかし、産業用ロボットおよびロボットビジョンシステムを活用すれば、組立・洗浄・検査・ハンドリングなどの工程を自動化することができます。産業用ロボットだけではワークの位置ずれ、異形製品の判別ができませんでしたが、画像処理技術を駆使することで正確に判別可能。さらに異物混入やゴミの付着などの検査も画像処理で自動化でき、大幅な省人化・効率化につながります。

キーエンスのロボットビジョンシステムは、各メーカーの産業用ロボットと直接接続できるので導入の手間もかかりません。さらに31万画素から2100万画素まで幅広いロボットビジョン用カメラを取り揃えているので、適正なコストで最適なシステムを構築することが可能です。オートキャリブレーション機能によりティーチングの手間も省き、車載電装品用水冷基板組立工程の効率化を実現します。

金属部品のバラ積みピッキング

金属部品のバラ積みピッキング

産業用ロボットの利用が拡大しているピッキング作業ですが、従来の産業用ロボットは座標制御のためワークの位置ずれなどに対応できませんでした。そこであらかじめ治具にセットしたり、トレーに部品を整列させたりといった手間がかかっていました。しかし、ロボットビジョンシステムを活用すれば、バラ積みになった金属部品を認識し、ランダムピッキングすることが可能です。同時に表面の欠けや割れなどの不具合、素材の違い、部品番号などの打痕などの外観検査も行うことができます。

ロボットビジョンシステムを導入することで、バラ積みのワークから最適な部品をピッキングし、加工機への投入や整列、組付等の工程を自動化できます。キーエンスのロボットビジョンシステムは、多くのロボットメーカーに対応しているので既存の生産ラインに最小限の費用と手間で接続可能です。

ピストン外観検査時の位置合わせ・搬送作業

ピストン側面のコーティングや傷、欠け、寸法などの外観検査にエリアカメラやラインスキャンカメラを導入しているケースが増えています。こちらは、ロボットビジョンシステムを活用して位置合わせ・搬送作業まで自動化し、さらにFA(ファクトリーオートメーション)を進めた事例となります。

ロボットビジョンシステムを活用すれば、ワークをロボットで検査スペースに搬送し、位置合わせまで自動化することが可能です。画像検出で位置合わせを行うので検査治具等も不要になり、品種の異なる製品も同一ラインで検査できるので効率的です。

キーエンスでは、31万画素から2100万画素までのロボットビジョンシステム用カメラを設定し、位置合わせ・搬送と同時に外観検査を行うことも可能。ロボットビジョンシステムを活用すれば、搬送から位置合わせ、外観検査、払い出しまで自動化できます。さらに数多くのロボットメーカーに対応し、直結接続ができるので既存の生産ラインにも導入しやすくなっています。

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