樹脂成形用語集
このサイトに登場する用語や、関連ワードを説明します。
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エッジビード | 樹脂フィルム両端のエッジ部分の厚みが増し、ビード状(ひも状)に盛り上がる現象。フィルムやシートの押出し成形時、ネックインにより両端に樹脂の量が集中することが原因。 |
か行 | |
ガスバリア性 | 空気中の酸素、二酸化炭素などの気体や水蒸気を遮断する性質。ガスバリア性樹脂(プラスチック)は、内容物の酸化・腐食などの防止を目的に、容器や包装用フィルムに用いられる。 |
可塑性 | 物体に外力を加えることで、変形させることができるやわらかさがあること。一度変形すると、力を取り除いてもその形を維持する性質を指す。変形(成形)後も加熱によって、再びやわらかくなる樹脂(プラスチック)を熱可塑性樹脂と呼ぶ。
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コンパウンド | 原料となる樹脂(プラスチック)に、着色料やフィラーを配合させ、溶融混練する工程。コンパウンディングともいう。 |
さ行 | |
サージング | 溶融樹脂をダイから押し出した際、波打つような厚みのムラが生じる現象。 |
スパイダーマーク | ウェルドラインの一種。インフレーション法で、溶融樹脂がダイを通過する際、ダイの支持部分「スパイダー」で、樹脂の流れが分割され発生する線状の痕。
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た行 | |
ダイ | 金型(die)を意味する。主に押出し成形で溶融樹脂を押し出す口金を「ダイ」または「ダイス」と呼ぶ。フィルムやシートの成形には、樹脂をスリット状に押し出す「Tダイ(ハンガーダイ)」が用いられる。
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ダイライン | 成形品の押出し方向に連続的に生じる条痕。ダイ内部に付着した樹脂、または樹脂吐出口であるリップに付着した樹脂(目やに)が原因。 |
ドローダウン | ブロー成形で、溶融樹脂の粘度が低い場合、予備成形されたパリソンが自重で重力方向に垂れ下がる現象。容器などの成形品の上部と下部の厚みが不均一となる、「偏肉」の原因に。 一方、押出しラミネートなどでは、樹脂のドローダウン性が高いほど、高速の引取りが可能なため生産性が高い。
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な行 | |
内部応力 | 物体に外力や熱などが加わったとき、内部に生じる力。樹脂成形の過程で溶融樹脂が加力されると、分子の配向や固化速度のちがいにより、成形品に内部応力が残る。それが「そり」や「欠け」などの欠陥・不良の原因となる。
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ネックイン | 押出し成形したフィルムやシートに、設定した有効幅より狭い部分が生じる現象。ダイから押し出された樹脂が冷却ロールに触れるとき、樹脂の自重や冷却ロールの張力などが原因となる。 |
は行 | |
パリソン | 「押出し(ダイレクト)ブロー成形」では、ブロー工程前に金型内に樹脂を円筒状に押し出した予備成形状態を指す。「ホットパリソン」とも呼ばれ、型締めによって底部を成形し、ブロー成形する。 「射出(二軸延伸)ブロー成形」では、あらかじめ熱可塑性樹脂を試験管状に射出成形した中間製品を指す。「プリフォーム」または「コールドパリソン」とも呼ばれ、これを材料として再加熱・可塑化し、ブロー成形する。
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ピンホール | 薄肉製品にできた微細な穴。真空漏れや液漏れの原因となる。 |
フィッシュアイ | 成形したフィルムに魚の目のように透明な小球状の塊ができる現象。溶融樹脂が周囲の樹脂と完全に混ざらなかったことが原因。 |
フィラー | 樹脂成形材料への性質・機能の付与を目的とした、添加剤や充填材を指す。「添加剤」には、帯電防止剤・酸化防止剤・難燃剤など、「充填材」には、ガスバリア材・脱湿材など多様なものがある。 |
偏肉 | 成形品の部分によって、厚みに偏りが生じること。 |
ボイド | 成形品内部にできた「気泡」で、強度の低下や、透明な成形品では外観不良につながる。樹脂冷却時の収縮による材料の絶対量不足、または、樹脂材料中のガスや水分が原因で、内部に真空部分や空洞ができる。肉厚の成形品に多く見られ、「内ヒケ」とも呼ばれる。 |
ポリマー | 「重合体」とも呼ぶ。同種の小さい分子(モノマー)が互いに多数結合(重合)し、その構造単位の繰返しで構成される分子また物質。また、構造単位の繰返しの数が多いものを「ハイポリマー(高重合体)」と呼ぶ。各種合成樹脂(プラスチック)、多糖、タンパク質、核酸など分子量の大きい「高分子物質」を総称して「ポリマー」と呼ぶこともある。
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ま行 | |
マスターバッチ | 樹脂(プラスチック)に高濃度の顔料を練り込み、ペレット状(熱可塑性樹脂の成形材料形態)にした着色剤。樹脂成形材料に混ぜ込むことで着色する。着色以外に、帯電防止や酸化防止などの機能をもつ充填剤を混ぜた「機能性マスターバッチ」もある。 |