CHAPTER 1

NC旋盤

金属加工を飛躍的に進歩させたNC工作機械は1950年代に登場しました。それまで人間の手で行っていた操作を、コンピュータによる数値制御(Numerically Control=NC)で自動化するようになったのです。その後、「コンピュータを内蔵したNC工作機械」へと進化したことから、CNC工作機械という名称を用いることがあります。
なかでも、NC旋盤は元々1950年代後半に日本の大学で開発されました。そして1960年代の後半になると、既存の旋盤にサーボ機構を付加した製品が普及するようになり、今日に至るまでに飛躍的な進化を遂げてきました。ここでは、NC旋盤について詳しく紹介します。

主な機能と特徴

そもそも旋盤とは、円柱状の加工材料を回転させ、そこにバイト(刃物)を当てて不要な部分を削りとる工作機械です。基本となる右片刃バイトによる旋削加工のほか、穴開け、中ぐり、溝加工、ねじ切りといった加工を行うことができます。
これに対してNC旋盤は数値制御をもとに、あらかじめ設定した手順で数十種類に及ぶバイトを使い分けて自動加工を行うのが特徴です。そして、横や縦、高さの座標軸を通じて高精度で切り込みなどの加工位置を制御できるほか、加工物の材質や目的とする形状に応じて、回転速度や刃物の送り速度を制御することで加工を自在に行うことができます。

NC旋盤の主な種類

旋盤で加工を行う際、基本となる右片刃バイトをはじめ、突切りバイトや中ぐりバイトなどを使い分けることで、さまざまな形状を作り出すことができます。こうした複数のバイトを段取り替えなしで連続して用いることができれば、加工の効率を高めることができるほか、加工物の向きを変えたり、異なるバイトを付け替えることで生じかねない加工精度の低下を防ぐことが可能です。

そこでNC旋盤で主流となっているのは、タレットと呼ばれる回転装置に複数のバイトを取り付け、タレットを回転させることで異なるバイトによる加工を可能にしたタイプです。これによって、加工物をチャック(取り付け装置)に固定したまま、一つの工程が完了した後、別の工程を連続して行うことができます。
また、多軸自動旋盤は主軸を複数備えていて、異なる加工を同時に行うことができるため、生産効率の高さが特徴です。一方、単軸自動旋盤は単一の加工を連続して行うのに適しています。加工物を自動で設置するオートローダーを備えていて、同じ形状のものを大量に加工することが可能です。 このほかに特殊なものとして、大きな加工物に対応した正面旋盤や立旋盤、鉄道車両の車輪を加工する車輪旋盤などがあります。

NC旋盤の進化

現状、NC旋盤はコンピュータ制御が進んでいて、NC旋盤イコールCNC旋盤となっています。生産効率を追求する観点から、主軸およびタレットを複数搭載して一回のチャッキング(加工物固定)で複数か所の加工を同時に行うことができる機種が普及しています。
一方、加工精度に関しては、サブミクロンのオーダーに対応した高精度の旋盤が電子機器関連などの精密加工に多数用いられています。また、付属機能として加工物の搬入出や洗浄、計測といった作業までも自動化したものが登場していて、ものづくりの効率化に大きく役立っています。

NC旋盤の主な構造
NC旋盤の主な構造
A
主軸で回転
B
チャック
C
加工物
D
バイト
E
旋削
F
スピンドル(回転主軸)
チャックで加工物を固定
G
制御盤
H
タレット(刃物台)
複数のバイトを固定

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設備の挙動を数値化・監視が可能