SMBC⽇興証券株式会社

SMBC⽇興証券株式会社 営業企画部 部⻑ 後藤 歩⽒、同部 企画推進課 ⼋⽊ 綾乃⽒、⼭本 真史⽒、同部 IT企画課 岡本 慧⽒にKIを導⼊した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIを使って、全国100以上の営業拠点向けの顧客アプローチリストを作成しています」

SMBC⽇興証券株式会社について

SMBC⽇興証券株式会社は、⽇本を代表する証券会社の⼀つです。

年商 3,987億
従業員数 9,936名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

KIを使って営業アプローチリストを作成

SMBC⽇興証券は、KIをどう活⽤していますか?

SMBC⽇興証券ではKIを使って、営業部⾨向けの顧客アプローチリストを抽出、作成しています。活⽤のポイントは次のとおりです。

1. 「『専任担当が付いていないお客様』に着⽬する」

弊社で証券⼝座を保有している顧客層は、⼤きく「専任の営業担当者がついているか、いないか」で2分されます。専任の営業担当がついていないといっても、不特定多数ではなく、⼝座を通じて、住所、⽒名、資産保有状況などの情報はわかります。現在、100万⼝座を超えます。この⽅々について、証券資産の保有状況推移、属性情報、接触情報など各種情報を、KIを使って分析し、「各⽀店が、いま接触するべき顧客」のリストを抽出・作成し、それを全国100以上の営業拠点に配布します。従来の営業活動は「本社が⼤⽅針を決める。実現⽅法は⽀店に任せる」というものでした。しかし、この⽅式では、接触がどうしても不⼗分になる。つまり「市況が良いときには積極訪問するが、市場クラッシュなど良くない時期には、⾜が遠のく」ことになりがちなのです。こうした「いい時だけ顔を出す」営業では、顧客の信頼は得られず、販売も伸びません。100万⼝座を超える顧客資産を持ちながら、アプローチが不⼗分な状況に陥っている。この状態を、KIを使ったデータ営業を通じて変えていきたいのです。

2. 「コールセンターとの連動。若⼿営業社員への⽀援」

KIで抽出した顧客リストに対しては、いきなり訪問するのではなく、最初はコールセンターが電話などで接触します。ここで好感触が得られた顧客には、さらに各⽀店の営業社員が訪問します。コールセンターにより絞り込まれた顧客なら、訪問が歓迎される確率、販売が成功する確率が⾼くなります。また、若⼿の営業社員には、コールセンターを経由せず、直接リストを渡すこともあります。経験の浅い若⼿でも、早期に成功体験を持てることが期待できます。究極的にはお客様から「ちょうどいい時に来てくれた」と思われる営業をしたい。それを仕組みとして実現するためのデータ活⽤です。

3. 「営業内容を検証する。PDCAを回す」

データに基づいたアプローチリストに営業した後は、必ず精査、検証します。「ある商品では成果が上がり、別の商品では上がらない。なぜか?」「地⽅ごとに好不調がバラつく。なぜか?」「コールセンターが接触したときは好反応だったが、営業社員が訪問すると反応が芳しくない。なぜか?(接触⽅法に問題?)」「今回のリストは全国的に不調。なぜ?(データ抽出の⽅法そのものに問題が?)」などなど。本社が現場を、⼀⽅通⾏でチェックするのではなく、リスト制作も含めた営業プロセスすべてを論理的に点検、検証します。

4. 「各⽀店、現場でもPDCAを回す」

リストを各⽀店に渡すときは、リスト抽出のねらい、根拠、そしてコールセンターが初回接触したときの顧客の反応など、付帯情報もあわせて提供します。各⽀店の管理職は、その情報をもとに、営業社員を指揮管理します。本社の私たちも、全体の統計数字だけでなく、特定顧客の接触ストーリーを個別に検証することがあります。全体を俯瞰して⾒る視点、個別の例を近接して⾒る視点、森を⾒る視点と⽊を⾒る視点を使い分けます。

5. 「情報の獲得そのものも、成果と⾒なす」

久しく接触していなかった顧客のもとへ営業社員が架電する。すぐには成約に到らないことも多くあります。ただ、顧客の⽣活状況の変化、繋がりやすい時間帯など新たな情報がわかります。その情報を社内システムに記⼊し、情報を更新すれば、それをもとに、次回は、より⾼精度のリスト抽出が可能になります。このように、訪問を通じて得た「情報そのもの」が、未来の販売を増やすための原資になるのです。

データ営業に取り組むようになった経緯

営業へのデータ活⽤に本格的に取り組むことになった経緯を教えてください。

基本的には、中期経営計画に基づく全社的なデータ活⽤推進活動の⼀環です。
従来、社内には良質の経営資源、つまり「100万を越える専任担当が付いていない顧客⼝座」、「国内外の多数の賞を受賞している優れたコールセンター」「⾏動⼒あふれる全国100以上の営業拠点」などが既にありました。しかし、各資源が⼗分に連携できていたとはいえず、本来得られる成果を獲得できていない、余地が⼤きい状況にありました。この余地に着⽬し、データという軸を使い、本社、コールセンター、各⽀店、すべての営業要素を⼀気通貫させることはできないか。そこでふと思ったのが、「キーエンスに聞いたら、何というだろうか?」ということでした。我々は証券会社なので、キーエンスという会社については特別な存在として認知していました。データ営業で圧倒的な⾼収益を上げている、優れた会社というイメージです。従来のように、同業界の勉強会や交流会に参加するのもよい。しかし、本当の⾶躍のタネは、もしや他業界にあるのではないか。そんな発想でキーエンスに問い合わせをしたところ、「ちょうど、KIというデータ分析ソフトウェアとデータ活⽤⽀援を、新規事業として外販を開始した」という回答。これを好機ととらえ、さっそくデモを⾒せてもらい、その後、社内で検討を始めました。

KI導⼊の決め⼿

どのように検討は進めていきましたか?

まず「データ分析ツールとしての基礎性能」は素晴らしかった。営業の会社、キーエンスが作ったツールだけあり、現場志向の仕様でした。さらに決め⼿となったのは「サポートの⼿厚さ」と「現場から⾒たブランド⼒」です。まず「サポート」について。データ活⽤を進めるには、やはり「⼿厚いサポート」が必要です。KIは、私たち営業企画部の数名が使っています。部内にはIT企業出⾝者もいますが、その⼈でも、ITに詳しいとしても、「データ分析」の専⾨家ではありません。単なる商品の使い⽅サポートではなく、「データ分析・データ活⽤そのもののサポート」が必須でした。現在、キーエンスからはデータサイエンティストの⽅を中⼼にしたサポートを受けています。「さまざまな業界の顧客を担当し、ターゲットリストを活⽤した営業効率化に取り組んでいる」という⽅々で、私たちには理想的です。⽇々、的確な助⾔をいただいています。もう1つの「現場から⾒たブランド⼒」。キーエンスの営業⼒のことは、各⽀店の営業社員もよく知っていました。本社が営業施策を主導するとき、説明の仕⽅を間違えると、現場に「やらされ感」が漂うことがあります。しかし、KI導⼊については、「キーエンスの営業ノウハウが反映されたツールならぜひ使いたい」と歓迎されました。KIを使ったリスト抽出、それに基づく営業活動の改⾰は、いま着々と進⾏しています。⾮常に⼤きな⼿応えを感じています。

A/Bテストもおこなう

いまKIの導⼊を検討している企業に向け、先⾏ユーザーとしてのアドバイスなどあればお聞かせください。

KIを導⼊した当初、A/Bテストをおこないました。アプローチリストの抽出⾃体は、KIを導⼊する以前も⼈⼿でおこなっていました。そのリストを使った場合と、KIでの抽出リストを使った場合で、営業の成果がどう変わるかをテストして⽐べたのです。するとどうなるか。「いきなりKIが圧勝でした」というのが美しい展開ですが、実はそうではありませんでした。最初の時期は、⼀進⼀退というか、けっこうスッキリしない状態でした。ただ、キーエンスの⽅からも、「データ活⽤は統計学、確率論。サイコロと同じ。1度や2度負けたとしても、試⾏回数を増やして、トータルで勝率が上がることを狙うのが王道」と背中を押され、あきらめずにチャレンジを続けました。これが、よかった。PDCAの⼒というのはたいしたもので、何度も繰り返し分析・抽出を行い、改善を重ねていくうち、ついには期待していた⽔準、あるいは期待以上の⽔準の結果が、安定的に出せるようになりました。⼈⼿によるリスト抽出は、時間も⼿間もかかる。属⼈性も発⽣する。しかしツールを使えば⾼品質のリストを簡単に抽出できます。さらに今後、市場の外部環境が変わった時も、基準値を変更するなどして、変化に対し迅速に対応できます。KIを導⼊するときは、いきなり⾶躍的な結果に期待するというより、キーエンスの助⾔ももらいながら、地道にデータ抽出の改善を重ね、次第に上り調⼦にしていく、そうしてデータ分析の正しい⽅法論を社内に定着させる、そういう道筋で考えるのが良いと思います。SMBC⽇興証券は、これからも顧客に選ばれる証券会社として企業価値をさらに⾼めていく所存です。キーエンスにはそうした弊社の取り組みをデータ分析に関する優れた技術、製品、サポートを通じて⽀援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

SMBC⽇興証券株式会社

「KIを使って、全国100以上の営業拠点向けの顧客アプローチリストを作成しています」

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