株式会社ティー・エフ・オフィス

株式会社ティー・エフ・オフィス AVP 営業推進担当 新家 佑氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIは営業担当者の教育に活用しています。対前年同期比で、120%の売り上げ増を達成しました」

株式会社ティー・エフ・オフィス

株式会社ティー・エフ・オフィスは、愛知、岐阜、三重など中京地区で「保険コンパス」33店舗を展開し、各種生命保険、損害保険を幅広く扱う、同地区でトップクラスの保険代理店です。

創業 1991年
年商 16億円
従業員数 83名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

目的・課題・効果

KIの活用方法・導入目的

  • ・営業担当者を正しく評価、育成するためにKIを活用
  • ・「要因分析」機能を使って、営業担当者を立体的に分析

導入効果

  • ・従来は四半期ごとの振り返り。現在は毎週データを更新、分析、振り返り。PDCA速度の向上
  • ・営業成績が昨対同期比で120%に。4年間、達成できなかった目標をついにクリア

その他

  • ・KIの導入費用は、「データ分析の人材を一人雇う、その人件費を充てる」と解釈

保険の営業担当者の評価、指導、育成のためにKIを活用

株式会社ティー・エフ・オフィス(以下 TFオフィス)では、KIをどう活用していますか?

TFオフィスではKIを、営業担当者を評価する軸・皆同じ指標で育成するために活用しています。データを駆使し、営業担当者40数名一人ひとりの行動の質を、契約率・世帯単価・販売商品の推移・対前年同期比など、様々な観点で分析します。

KIは、主に営業推進部が、営業の教育目的として使っています。成果物として、営業担当者それぞれの分析と、その分析結果に基づく今後の教育施策などを盛り込んだレポートを作成しています。レポートは、社内の13名の管理職に定期的に配布しています。管理職はこれを使い、営業メンバーに向け、データに基づいた指導・アドバイスに繋げています。

例えば、ある営業担当者が、これまで各四半期すべてで高契約単価・高成約率だったのに、現在は単価・成約率がともに低下傾向にあるとすれば、その原因は何なのか?KIの「要因分析」機能を使い、立体的に分析していきます。

現在KIは、この要因分析機能を中心的に活用しています。機械学習による要接触顧客のリスト作成については、これから本格的に取り組みを始める予定です。

KI導入の経緯 - データ分析の本格活用に舵を切る

KI導入前の課題について教えてください。

弊社では従来、データによる営業分析にそれほど積極的でありませんでした。というのも、データ分析自体は、営業担当者の評価には不向きという考えがあったからです。

例えば、成約率や商品ごとの契約単価などの指標に関して、現場視点で見れば、「販売する保険会社を一つに絞り、そこで高単価を複数実現していけば1件ごとの単価は高くなる、しかし保険会社を分散させると単価は下がる。『契約単価』は評価基準として正しくないのでは」といった声がありました。

結果として、データがあってもそれをどう評価に結び付ければよいかわからず、結局データは「参考資料」として参照する程度にとどまっていました。

一方で、「今社内にあるデータを有効に活用したい」といった課題意識は感じていました。そのような中で、社長の意向もあり、全社的にデータ活用を積極的に推進していくということが決まりました。KIは、具体的なツールの検討や取組方針を立てていく上で、情報収集していく中で知りました。機能としては、要因分析(マトリックス・要因ツリー)に、非常に魅力を感じました。

導入費用の解釈 - 「データ人材は、そう簡単には雇えない」

導入費用についてはどのように解釈しましたか?

導入費用については、「データ分析の人材を一人雇ったと考える」「データ人材の雇用は難しい。欲しいからと言ってすぐ見つかる、雇えるものではない」「しかし、分析ツールならすぐ導入できる」と考えました。

人の採用活動では、常に多くの労力(工数)やリスクを伴ないます。

これに対し「恒常的に人を雇うのが難しいなら、必要に応じて、単発で外注すればよい」という意見もありました。しかし、データ分析の外注化は「説明のコストとリスク」があります。自分の会社を一番よく知っているのは、私たち社員であり、そこを分析アナリストに1から10まで説明するのは膨大な時間がかかる。また、正確に理解してもらえる保証もありません。そうであるなら、やはり自社で保有しているデータは、自分たちで触れて自分たちで分析できる体制を構築していくべき、と考えました。

その後、データサイエンティストと相談する中で「営業担当者の評価の適正化」という用途に行き着きました。

営業担当者指導の改善 → 前年同期比120%の成長

KIを導入してから、どのような点が変わりましたか?

KIの導入により、営業担当者一人ひとりの姿がより克明に分かるようになりました。一例をあげると、「契約単価は高い一方で、成約率は相対的に低い。お客様への継続的なコンタクトへの意識がやや低い傾向」のような形です。

この営業担当者に、分析結果に基づいたアドバイスを実施したところ、成約率が大きく向上する一方で、契約単価は下がる結果となりました。ただしこれは、だからいけないという話にはなりません。何の指標に注目するかは、その時々で、会社が何を重視するかにより変わるからです。シンプルな言い方ですが、やはりバランス感覚が重要で、このあたりの判断のさじ加減は、管理職側の課題となります。

KI導入に際して、現場では当初「自分たちのやり方はこうだ」という意思や抵抗がありました。ただし導入してからは、みなさんデータに基づく施策に素直に応じてもらえているようになっていると感じます。

従来は、経験や勘、度胸といった感覚的な部分で保険を販売していた人もいました。そのやり方が成果を上げることは、もちろんあります。ただそれだけだと、結局、その優秀な人がいなくなってしまうと、直接的に売り上げに影響を及ぼしてしまいますし、逆にその能力がなければ、新人は育たないということになります。

一方、今は、営業メンバーへのアドバイス内容もかなり具体的になったと実感しています。一人ひとりの傾向や特長がデータで捉えられるため、その分析結果に基づいて指導や育成ができるのです。それは本当に具体的で、例えば「もう1回電話した方がいいよ」や「1週間の間に何回電話かけてる?」のような形です。

データ分析の活用により、「営業センス」と呼ばれるものの有り無しに関わらず、入社1年目や若手社員の方でも、真面目に忠実に取り組んでくれさえすれば、少なくとも一定レベルまで到達させられる、そんな確信が生まれました。

KIを使いこなすことで、人の感覚や経験値だけに頼らない、客観的なデータに基づいた営業というものが実現しつつあると考えています。

この他、「データに基づく営業の振り返りの頻度、スピードが向上したこと」も大きな変化です。これまでは数字やデータがまとまるのは四半期を終えた後で、課題や対策を考えるのもその後、四半期に一度の頻度でした。しかし現在は毎週データが更新され、毎週ダイレクトに課題を深掘りできます。その四半期の問題は、その四半期のうちに解決する、そんな方向に社内の意識が変わりました。

そうした変化の集大成として、今年1月から3月までの第一四半期では、過去最高の成績が達成できるという快挙がありました。前年同期比で120%の営業成績です。4年間、達成できなかった会社としての高い目標が、ついにクリアできました。

もちろん要因はデータ分析だけによるところではなく、複合的なものになりますが、データ分析が大きく貢献したことは間違いありません。KIで細かくデータを出し、そのうえで社内には「この方針で継続すれば目標達成できる」と具体的に伝え続け、みなさん結構必死に頑張っていただいた、その努力が結実したといえます。

隠された本質の可視化

KIとは、どのような存在でしょうか?

データに隠された本質的な何かを可視化してくれる、そんな存在です。そして「働き者」でもあります。従来はデータ分析しようと思えば、重い腰を上げて、それから1ヶ月頑張るなど努力が必要でした。KIを用いて分析することで、データ構築などの作業時間が大きく減り、その結果、思考時間が増え、分析の品質も向上します。仕事の質が大幅に上がりました。

今後の展望

KIはこれから、人員の継続採用にも貢献してくれるでしょう。

営業担当者への指導・アドバイスといえば通常、もっと良くする、さらに成長させることに目が行きがちですが、データ分析を使った指導は、むしろ「若手社員も含めて、一定水準のレベルまではスピーディに持っていける」という点に強みがあります。

中長期的には、新たな人員採用時に「期待する営業成績を出すことができるか」といった懸念を軽減でき、ある意味、安心して社員を増やせることになると考えています。

データ分析を通じて、弊社の営業支援体制は格段に進化しました。キーエンスには引き続き、優れた技術、提案、サポートを通じて、私たちの取り組みを継続支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

株式会社ティー・エフ・オフィス

「KIは営業担当者の教育に活用しています。対前年同期比で、120%の売り上げ増を達成しました」

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