株式会社丹青社

株式会社丹青社、企画開発センター 企画部 部長 菅波 紀宏氏、吉井 ちよ氏、情報システム部 課長 加越 隆広氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「“いま、声をかけるべき先”をKIで抽出し、営業活動に活かしています」

株式会社丹青社

株式会社丹青社は、日本を代表する総合ディスプレイ企業の一つです。全国の美術館、博物館、商業施設、ホテル、結婚式場、飲食店、駅、空港などの内装や展示の調査・企画、デザイン・設計、制作・施工、運営・保守等を一貫しておこなっています。国立博物館、国際空港、日本各地の大型商業施設など年間6,000件以上の空間づくりを手がけています。

創立 1946年
年商 692億円
従業員数
(連結)
1,296名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

KIのさまざまな用途

丹青社ではKIをどう使っていますか?

丹青社ではKIを次の用途で活用しています(試験段階の用途も含む)。

  • 用途1.「営業強化のためのアプローチ先顧客リストの作成」
  • 用途2.「発生リスク低減のための災害・事故・クレーム情報の分析」
  • 用途3.「空間価値向上のためのIoT情報の分析」
  • 用途4.「経営層向けの収益予測」
  • 用途5.「データ整形ツール(ETL)としての活用」
  • 用途6.「社内データウエアハウスと利用者を仲介するシステムとしての活用」

用途1.「営業強化のためのアプローチ先顧客リストの作成」

用途1.「営業強化のためのアプローチ先顧客リストの作成」とは?

大きくは「KIを使って、顧客別売り上げなど社内データと、経済動向など公知データを併せて分析した上で、いまアプローチすべき顧客のリストを作成し、営業効率の改善を図る」ということです。アプローチ先顧客リストの用途は一般に「見込み客の発掘」「休眠顧客の発掘」とされますが、当社の業態の場合、若干、意味合いが変わってきます。内装は、多額の費用を伴なう投資行為となることが多いので、その需要は施主である事業主様側の経営計画により決まります。つまり「良い商品を知って、欲しくなる」ではなく「必要になるので、依頼する」という形の需要です。ということは事業主様に対する最良の営業スタートは、相手が内装や展示の投資をおこなおうと計画している、その時期に声をかけ、相手から「ちょうど良いときに連絡してくれた」と感じていただくことです。「当社における営業は、タイミングが重要」ともいえます。それを踏まえた上で、では当社がデータ分析を通じてするべきことは何か?それは社内にあるデータと外部市場環境のデータを分析することにより、数千社分の原リストから、「いま、声をかけるべき企業」を抽出し、営業活動に活かす、ということになります。これが現在、KIを使っておこなっている分析作業です。一年、使ってみての評価ですが、KIはさすが営業に強いキーエンスが作った商品だけあり、リスト抽出には非常に優れています。また、操作とデータの動きが連動していて、自分がいま何をやっているのかよくわかるのも良い点です。これまで高度分析ツールをいくつか使ってきましたが、KIは営業志向と使いやすさの2点で非常に優れています。

用途2.「発生リスク低減のための災害・事故・クレーム情報の分析」

用途2. 「発生リスク低減のための災害・事故・クレーム情報の分析」とは?

当社は施設内装の調査・企画、デザイン・設計のほか、施工も手がけています。施工を起因とした「災害・事故・クレーム」の発生を防止するべくデータ分析を活用しています。具体的には、まず過去の事故あるいはヒヤリハットの情報を集め、それをもとに、どんな施設を、どんな現場で施工するとき、どんな事故が起きやすいのか、その知見を得ます。そして同じような傾向がある現場に対し、「災害・事故・クレームを防ぐために、特にこの部分に重点的に気をつけてください」と、安全の要点を提示します。ここで重要なのは「要点(キモ)だけ」を示すということです。安全上の注意点を会議などで抽出すると、安全のためにはこれも大事、あれも大事、となり、気を付ける項目は膨大になります。しかし、その膨大な項目をそのまま現場に提示すると、その現場の留意点が見えづらくなる、ということに陥りがちです。そうならないためにも、いわゆる「結果の8割を左右する2割」のような本質情報を積極的に提示していきたい。データ分析を通じて複数の現場を比較し、「災害・事故・クレームが起きる現場と起きない現場は何が違うのか」を明らかにしたいと考えています。

用途3.「空間価値向上のためのIoT情報の分析」

用途3.「空間価値向上のためのIoT情報の分析」とは?

データ分析は、営業や施工だけでなく、空間の質の向上にも活用していきます。その一つが、空間でのIoT活用です。たとえばオフィス、商業施設などで、まず人流の起こる場所に小型センサーを多数設置します。その後、アンケートを取り、「快適に過ごせましたか?」など主観評価を質問します。その回答と、IoTセンサーから取得した、温度、湿度、人数、音量など、空間環境の実データを突合して、アンケートの主観評価を検証し、その後の改善につなげます。従来、内装業務では、完成し、引き渡しが終わるまでをお手伝いしていました。しかしIoTを活用すれば、引き渡し後もよりきめ細かな改善提案を継続できます。データ分析を通じて、当社がお手伝いする空間の付加価値の向上につなげていきます。

用途4.「経営層向けの収益予測」

用途4.「経営層向けの収益予測」とは?

文字通り「経営層向けに、経営計画で掲げた目標に対する進捗状況、着地予測を提示する」ことです。私自身が経営企画部門の実務経験があり、収益予測は以前から手がけていました。その延長線上の業務です。以前はBIツールを使って予測していました。KIを使うようになって改善した点は、目標と現況の乖離を見いだした後、その乖離が生じる原因、さらには、どういうプロジェクトに注力すれば乖離を効率的に埋められるのかまで、一歩踏み込んだ分析、提案をおこない、それを経営層のみならず、現場に示唆できるようになったことです。例えば、「契約受注までの労力が大きく、それでいて受注率が低い」あるいは「利益率が著しく低い」ような「成果につながりにくいプロジェクト」の存在を現場へ示唆するとき、「データによる根拠」が役立ちます。「データ分析の結果」という客観的なデータの提示は、話に耳を傾けてもらいやすく、時には示唆を受け入れてもらえます。現場は自身の仕事に熱意と誇りをもって取り組んでいます。その現場に共感してもらうには、やはり真剣に分析した数字、データという共通言語が必要なのです。この他、今後はデータ分析を通じ「成果につながりにくいプロジェクト」と反対の、「良い結果につながりやすいプロジェクト」そして「経営計画の達成に寄与しやすいプロジェクト」の像も明らかにし、経営層、そして現場に提示していきたいと考えています。

用途5.「データ整形ツール(ETL)としての活用」

用途5.「データ整形ツール(ETL)としての活用」とは?

KIでデータ分析をおこなうとき、本番の分析の前に、まず名寄せなどデータの整形、下準備をおこなう必要があります。この準備作業もKIでおこないますが、使ってみてあまりに便利だったので、他の分析のとき、下準備の部分だけKIを使ったりしています。KIはETLツールとしても優れています。

用途6.「社内データウエアハウスと利用者を仲介するシステムとしての活用」

用途6.「社内データウエアハウスと利用者を仲介するシステムとしての活用」とは?

最後にKIの、情報インフラの用途について。先頃、社内に点在する各システムのデータを一つのデータウエアハウスに集約する、という作業をおこないました。今は、そのデータウエアハウスに、さらにKIをつないでいます。この形にした目的は、作業の時短です。データウエアハウスからデータをCSVで取り出し、それをKIで読み込むような、現場の作業効率を損ねる一手間を無くしたいと考え、現在の「直結」仕様にしました。この仕様にして、さくさく使えるようにした結果、現場の創意工夫が進み、前述のとおりETLとしての活用が進むという、付随効果も生まれました。

KIへの評価

その他、KIへの感想があればお聞かせください。

加越氏 情報システム部門の立場から言います。KIは非常に安定したツールです。データウエアハウスにつなぎっぱなしにして、ユーザーに提供する。ここまでやれば、あとはほぼ現場レベルでの運用に任せることができています。

吉井氏 私たちユーザー側からの感想としては、まずキーエンスとの定例会議がとても良い刺激になっています。隔週という頻度がいい。毎回、適切な宿題が出るのもいい。適度にプレッシャーがかかり、仕事がはかどります。

菅波氏 丹青社は、引き続き、事業主様に選ばれる総合ディスプレイ企業でありたいです。キーエンスにはそうした当社の取り組みを、優れた技術、商品、サポートを通じて後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

株式会社丹青社

「“いま、声をかけるべき先”をKIで抽出し、営業活動に活かしています」

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