GMOメディア株式会社

GMOメディア株式会社 広告メディア事業本部 メディア事業部 部長 宮田 真裕氏、サービス開発部 技術推進チーム シニアエンジニア 羽中田 将氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIを導入して、議論と意思決定の質が格段に上がりました」

GMOメディア株式会社

GMOメディア株式会社は、各種インターネットメディアを事業分野とする企業です。日本最大級のポイントサービスサイト『ポイントタウン byGMO』、その他『コエテコ byGMO』『プリ小説 byGMO』など各種サイトを企画・開発・運営しています。

年商 85億円
従業員数 194名
設立 2000年

※いずれも連結の数字

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

日本最大級のポイントサイトの集客推進にKIを活用

GMOメディアではKIをどのように活用していますか?

GMOメディアでは、主に自社ポイントサイト『ポイントタウン byGMO』の集客推進と離脱防止のために活用しています。

『ポイントタウン byGMO』は、大きくはアフィリエイト広告ポータルです。顧客は『ポイントタウン byGMO』に来訪し、そこでお買い物、クレジットカード発行・銀行の口座開設、旅行・航空券の購入、調査協力、ゲームなどをすれば、無料でポイントが貯められます。そこに広告を出稿する企業からの広告費が、当社の事業収入となり、その収益の一部がポイントとして利用者に還元されます。1999年にサービスを開始し、現在は累計会員数830万人超、アプリ累計220万DL超にまで至りました。

ポイントサイトで重要なのは、サイトが常に活発な状態にあること、つまり「より多くの利用者が、毎日のようにサイトを訪問し、なるべく長時間滞在し、さまざまな広告を回遊し、ポイントを積極的に獲得していく」ようにすることです。その状態が続きサイトが賑わえば、企業からの広告も自然に増え、収益が向上し、そうすることでより多くのポイントが顧客に還元可能になる。ポイント還元率が高まればサイトはさらに賑わい、広告もさらに増える。こうした好循環を実現できます。

現在は『GMOリピータス』という名称で、ポイントを軸としたCRMツールの提供もおこなっています。これは同様のポイントサイトを運営したいと考える企業向けに、『ポイントタウン byGMO』で培った運営ノウハウをシステムからワンストップで提供するものです。KIはこれらの提携サイト改善にも活用しています。

KIは半年前に導入し、現在は『ポイントタウン byGMO』『GMOリピータス』『ゲソてん byGMO』の解析に使っていますが、今後は他サービスにも活用範囲を広げていきます。

具体的な分析内容

『ポイントタウン byGMO』では、具体的にどんなデータ分析をしていますか?

現在の分析テーマは、「サイト活発度はどの程度か?」「時系列で見たときの推移、傾向は?」「アフィリエイト別では?」「その時、そのアフィリエイトを誰がどれぐらい活用しているのか?(旬のアフィリエイトは何か?)」「サイトに来ただけで特に何もせず帰っていく離脱顧客、その特徴量は何か?」「現在が活発であるなら(あるいは不活発であるなら)、その原因となっている要素は?」「結局、活発度を左右する要素は何か?(どの数字がカギなのか?)」「活発度が増すとき、それに先立って上昇する数値、つまり先行指標は何か?」などです。

GMOリピータスで運営するポイントメディアは、毎日100万人以上のログインがあり、日々、膨大な量の会員行動データが蓄積されています。この顧客行動データの一部をKIに投入し、分析します。分析はディレクターである私が自らおこなっています。

KIの導入効果 - 離脱改善、意志決定の客観化

KIの導入効果を教えてください。

KIは使い始めて半年ですが、「離脱率の低減」「議論、意志決定の根拠明確化、迅速化」という効果が上がっています。

まず離脱率の低減について。離脱顧客とは、何もしないでサイトを離れる訪問者のことですが、まずその行動をデータ分析し、その共通点や傾向、特徴量の知見を得ます。次に、通常のサイト訪問者の中から、同じ特徴量を持つ顧客を抽出し、そこに向けて有効な導線を提供するなど、離脱防止の施策を実施します。実際、その施策をおこなった後、離脱率が効果的に下がりました(離脱率の結果解析もKIを使っておこないました)。

次に「意志決定の根拠明確化、迅速化」について。一例ですが、ある広告について、営業担当者とサイト運営側で長らく意見が合わないというケースがありました。営業側は広告収入(売り上げ)を念頭に置き、サイト運営側は、サイト訪問者継続率を念頭に議論していました。この議論はそれぞれの立ち位置や目的が異なることから、定性的な話し合いを重ねても、うまく解決しません。議論は長らく膠着していました。

しかしKI導入後、その広告の影響を分析したところ、ユーザーの流出が有意に発生していることがわかりました。データ分析を通じ、悪影響が数値化されたことで、営業部門も直ちに納得しました。KIにより、双方が納得する意志決定に至った例です。

分析のための分析から、施策のための分析へ

GMOメディアがデータ分析に本格的に取り組むようになった経緯を教えてください。

(宮田氏) 大きくは「データはある。しかし十分に使えていない」というもどかしさを何とかしたい、という想いが原動力でした。

ネット事業なのでデータは豊富にあります。やる気になればどこまでも分析できるはずです。しかし、実際には上手く回っていませんでした。

基礎的な分析、たとえば「ここ一ヶ月の、顧客のポイント獲得行動を広告ごとに調べる」ぐらいなら、エクセルで少し頑張れば可能です。ただ、そこから先がありません。集計結果がわかる、それを眺めて「なるほど、そうなのか」、それで終わってしまう。「ここの数字が落ち込んでいる」とまでわかっても、対処策は「なので、ここの数字を改善しましょう」という集計結果を裏返しただけの見解に終わるケースもありました。

そんな分析のための分析ではなく、もっと施策につながる分析をしたい。最初の分析結果から発想を膨らませ、さらに細かく分析し、「この数字に対し、影響力の高い他の変数は何なのか。どの数字を改善すれば、そこから連動して、最終目標数値が上がるのか」「どの数値が先行指標になるのか?」「その先行指標について、期間を三ヶ月、半年、一年に範囲を拡大したときの相関性や、影響度合いは?」などの知見を得て、施策を回したい。

どのパートナーにも「やりたいこと、構想」は既にあるのです。あれもやりたい、これもやりたい、もっといろいろできるはずだ」と思っている、しかし実際には、構想がなかなか具現化できない、そんなもどかしい状態でした。

こうした問題意識を持ちながら情報収集していた時、Webセミナーを通じてKIと出会いました。その時のデモは、金額の違う2種類のクーポンを切り替えることで、その後の数字がどう変わるか見るという内容で、私たちの業態によく向いていました。デモを見るうち魅了され、個人的には、これがあれば自分たちの発想や構想を具体化できると確信できたので、ただちに導入に向け社内で活動しました。しかし、当時は投資対効果とうまく結びつけることができず、導入には至りませんでした。

ただその後も「自由なデータ分析」を求める声が社内で消えることはなく、その後2年を経て再び、社内でKIの検討が再開しました。

社内全体での活用を視野に入れて製品を検討

検討の際の選定基準を教えてください。

検討の際は、「膨大なデータを処理できる基礎性能があるか」「単なる分析でなく『施策につながる分析』ができるか」「Webサービスの分析に向いているか」「ポイントサービスのような『すべてが数値』というサービスの分析に向いているか」、そして「ビジネスユーザーが自力で使いこなしていけるか」を要件としました。

最後の「使いこなせるか」という点は特に重視しました。しかし、中長期的には社内の誰もがKIを使いこなせる状態を実現したかったからです。

それには一般ビジネスユーザーにとって「使いやすい・とっつきやすいこと」が何より重要です。ここでのビジネスユーザーとは、Webビジネスの知識があり、数字に関心もあるが、専門的なデータ分析の知識は十分でない、そんなユーザーを指します。そんな彼らが、初見でも「これなら使いこなせそう、まずはやってみよう」と期待を感じる、そんなあり方を求めました。

KIは、私たちが求めた要件を、いずれもよく満たしており、特に使いやすい点、使ってみたくなる点で傑出していました。性能・仕様を加味したときに、価格も合理的であり、社内検討の結果、今度は導入が決定しました。

KIへの評価

使ってみてわかったKIへの評価をお聞かせください。

KIは次の4点が良いと感じました。

良い点1.「数字がわかる。議論の解像度が上がる」

従来でも「この数字を上げれば、最終的にこの数字が上がるはず」といった話は出ていました。しかし話はそこで止まるか、「なのでこの施策をやりましょう」という安易な結論になるか、どちらかでした。しかし今は「この数字を『いくつ』以上にすると、あの数字が劇的に上がる。場合によっては〇〇%上がる」「来訪者の〇〇への参加回数が『○回』を超えると、最終数字が顕著に伸びる」など境界数値がわかってきました。そうなれば議論と意志決定の質、解像度、速度は自然に改善されます。

良い点2.「改善のための社内資源の必要投入量の見通しがつく」

境界数値がわかれば「何を、どこまで」改善すれば良いか、どれだけ社内資源を投入するべきか、その量も自ずと見えてきます。仕事の計画が立てやすくなります。

良い点3.「マニュアルなしでも使いこなせる」

これは当初の期待通りで、KIはマニュアルを使わなくても感覚的に理解、操作できました。特に動画サポートサイトがとても便利で、そこさえ見れば、一通りのことは理解できました。

良い点4.「他部門へも、関心が広がっている」

KIはデータ分析にまつわる専門知識を必要とせず、他部門でもデータ分析そしてKIへの関心が高まっています。「デモやってよ」と頼まれることも度々ですし、中には自らデータ分析の勉強を始める人も。興味や関心が社内で広がっていく中で、「特徴量」「目的変数」という言葉が会話の中で使われていたときは驚きました。

先行ユーザーからのアドバイス

いまKIの導入を検討している企業担当者に向けて、先に使っている立場からのアドバイスなどあればお聞かせください。

(宮田氏) アドバイスというより単に感想ですが、私は「データ分析、楽しい!」と日々、感じています。データ分析を始める前、言葉だけで考えていた頃、顧客の姿は何となくボヤけていました。しかしKIで分析し、顧客の実際の行動を、数値を使って認識すれば、顧客の姿は立体的かつ明確に浮かび上がります。さらにその分析を施策につなげられること、ここにも充実感があります。

GMOメディアはさらに良質のサービスを企画、開発、提供し、お客様に選ばれるインターネットメディア企業であり続けるべく、尽力していく所存です。キーエンスにはそうした当社の取り組みを、優れた技術、製品、サポートを通じ、支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

GMOメディア株式会社

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