海外の食品・医薬品

食品や医薬品に関する、海外のトレーサビリティの法規制

ISO9000/9001のような品質管理全般の規格、食品関連であればHACCP、医薬品関連であればGMPなど、世界で取り入れられているルールもありますが、国や地域ごとに独自のトレーサビリティ関連の法規制もあります。

グローバル化が進む現代、トレーサビリティを実現するには海外の法規制について理解し、対応していくことが必要です。そこでEU諸国の「一般食品法規則」やアメリカの「バイオテロ法」など、諸外国の食品・医薬品に関する法規制をご紹介します。

EUで統一された食品トレーサビリティ法規制 一般食品法規則

1996年に欧州で起きたBSE(狂牛病)問題の以前、EUでは食品に関する統一的な規制がありませんでした。当時は品目ごとに個別に法令が制定され、その寄せ集めのような状態だったのです。それがBSE問題をきっかけに表面化し、2002年に統一的な「一般食品法規則(食品法の一般的な原則と要件及び食品安全に関する諸手続を定めると共に欧州食品安全機関を設置する規則(EC)No.178/2002)」が成立しました。

トレーサビリティの記録内容も明記

トレーサビリティに関する内容については、一般食品法規則18条 にて「食品、資料、食品生産のために動物、そして食品の資料に組み入れられることが意図されているあるいは予期されているすべての物質のトレーサビリティが生産・加工・流通の全過程で確立されているものとする」と記載されています。

またフードサプライチェーンにおいて、以下の情報を統括当局が利用できる状態で保持することと明記されています。そのほか推奨ではありますが、分量や数量、より詳細な製品情報の保持についても触れています。

供給者 顧客
名前 名前
所在地 所在地
供給した製品の種類 供給を受けた製品の種類
取引や配送の日付 取引や配送の日付

アメリカの食品トレーサビリティ関連法規制 バイオテロ法

アメリカの食品トレーサビリティは、「バイオテロ法(公衆の健康安全保障ならびにバイオテロへの準備および対策法:The Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002)」で規定されています。

バイオテロ法では、「商品関連施設の登録」「輸入時の事前通告」「記録の保存」「行政による留置」などが義務化されています。この中でもトレーサビリティに関連するのが「記録の保存」です。

記録の保存については、アメリカ内で食品の製造・加工・包装・流通・受領・保管・輸出する際は、直前の入手先と直後の受け渡し先がわかるように記録し、保存することが義務づけられています。「識別体制の構築」でもご説明しましたが、一歩川上または一歩川下の工程との対応づけを徹底することが条文に盛り込まれているのです。また、製品が人間や動物の健康をおよぼす可能性がある場合は、記録や関連情報をアメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration;:FDA)に提供しなければなりません。

記録保存の期間について

バイオテロ法では、食品の傷みやすさによって保存期間を定めています。

分類 非輸送者 輸送者
60日以内に品質が劣化する食品 6カ月 6カ月
60日~6カ月以内に劣化する食品 1年 1年
6カ月以上品質が劣化しない食品 2年 1年
動物の資料やペットフード 1年 1年

中国の薬品に関するトレーサビリティ法規制 薬品監督コード

中国で食品・医薬品の安全確保を行っている機関「国家食品薬品監督管理局(China Food and Drug Administration:CFDA)」が2016年から本格実施する制度が薬品監督コードです。中国国内で医薬品を販売する場合、CFDAから認証を受けて薬品監督コードを取得し、バーコードとして情報を記載する必要があります。

薬品監督コードは、医薬品の取り違い防止やトレーサビリティの確保、流通の効率化を目的に2012年から導入されました。これまでは部分的な実施でしたが、2016年からは海外企業を含むすべての企業に対して要求しています。また、バーコードについては使用単位、個別の梱包単位、外箱への貼付・印字を義務づけています。

中国の薬品に関するトレーサビリティ法規制 薬品監督コード

薬品監督コードの構成について

薬品監督コードの構成について

薬品監督コードは20桁の数字で構成され、Code128Cのバーコードを使用します。

例)
8 123456 123456789 1234
  1. ① 固定数字、1桁、「8」。
  2. ② 製品コード、6桁、品目・包装単位毎の品目コード、管理機関(中国薬品電子監管ネットワーク)から提供。
  3. ③ シリアル番号、9桁、生産する際に生産企業に対して製品ごとに採番された番号。
  4. ④ 検証コード、4桁、検証用データ。

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