白色干渉計

白色干渉計

光の干渉とは、対象物表面からある点までの光の距離(光路)に差が生じると発生する現象です。この現象を利用して、対象物表面の凹凸を計測しているのが、光干渉計になります。光源(半導体レーザーなど)からでた光は、ビームスプリッターによって一方は透過して参照ミラーに、他方は反射されて試料表面に導かれます。透過した光は、参照ミラーで反射して受光素子であるCCD素子で結像します。他方の反射された光は、対象物表面で反射されてビームスプリッターを透過し、同じく受光素子であるCCD素子で結像します。

白色干渉計

予め、CCD素子から参照ミラーまでの光学的な距離(光路)とCCD素子か試料表面までの光学的な距離が同じ距離になるように設計することで、CCD素子に結像される映像に、試料表面の凹凸によって生じた光路差で発生した干渉縞が映し出されます。その干渉縞の本数をカウントすることで、試料表面の凹凸(高さ)を読み取ることができます。

長所 短所
  • 広視野(数角)を、測定可能。
    広視野(数角)を、サブナノメートルの高さ分解能(0.1nm)で測定可能。
  • 測定時間が早い。
  • 角度特性が低い。
  • 使える対象物が限られる。
    光干渉計はよく反射する面でないと測定が難しいため、様々な対象物への対応が効きません。参照ミラーからの反射光と測定面からの反射光に極端な差があると測定できない事もあります。(鏡面は得意だが、凹凸の激しい試料や反射率の少ない試料は難しい)
  • 傾き補正が必要。
    測定前に、ゴニオ(傾斜)ステージによる試料の傾き補正が必要。試料が傾いていると干渉縞が密集してしまうため、正しい測定ができません。なお、一部の光干渉式形状測定システムには、自動で試料の傾きを補正するチルト機構を持っている商品もあります。
  • XY計測の分解能が低い。
    サンプリングデータ数が少ない(約30万)ため、XY計測の分解能が低い。一部の光干渉式形状測定システムは、オプションで約98万データまで拡張可能です。
  • 振動に弱い。
    振動に極めて敏感であるため除振台の設置はもちろん、設置場所も限定されます。

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