線粗さ(JIS B 0601)の用語集
JIS B 0601で使用される表面粗さに関するキーワードを解説します。
詳細を知りたい内容をクリックしてください。
カットオフとは
カットオフとは、断面曲線から除去される所定の波長のことを言います。断面曲線から長い波長の成分を除去して粗さ曲線を、逆に、短い波長の成分を除去してうねり曲線を作ります。
接触式表面粗さ測定機が、コンデンサと抵抗器で構成されていた電気回路で処理していたアナログ機器であった頃は2CRフィルタが主流でしたが、最近ではディジタル化が進み、位相補償形ディジタルフィルタ(ガウシアンフィルタ)が多く採用されています。
JIS B 0601-1994からは、このディジタルフィルタがJIS規格にも反映されています。
粗うねりとは
「うねり」は、粗さより大きな間隔で起こる表面の周期的な起伏のことで、深さに比べて相当大きな間隔で繰り返される理想面からの偏差と定義付けることができます。
- 関連ワード:
基準長さとは
算術平均粗さなどの粗さパラメータは、輪郭曲線から一定の長さを抜き取った部分から求めます。この抜き取る長さを基準長さと言い、粗さ曲線、うねり曲線の基準長さはそれぞれの曲線のカットオフ値であるλcやλfと同じ長さになります。なお、断面曲線の基準長さは、評価長さと等しくなります。
評価長さとは
「評価長さ」とは、算術平均粗さなどの粗さパラメータを求めるために輪郭曲線から、ある一定の長さを抜き取った部分のことをいいます。評価長さは、一つ以上の基準長さを含むことを条件としており、標準的には評価長さは基準長さの5倍になります。なお、うねりのパラメータのための標準的な評価長さの規定はありません。
輪郭曲線とは
「輪郭曲線」とは、測定断面曲線、断面曲線、粗さ曲線、うねり曲線などの曲線の総称のことです。
断面曲線とは
「断面曲線」とは、測定断面曲線にカットオフ値λsの位相補償形低域フィルタを適用した曲線のことです。
粗さ曲線とは
「粗さ曲線」は、位相補償形高域フィルタ(カットオフ値λc)を通して、断面曲線の高い周波数成分だけを記録した曲線のことです。
うねり曲線とは
「うねり曲線」とは、断面曲線にカットオフ値λfとλcの位相補償形フィルタを適用した曲線のことです。
測定曲線とは
「測定曲線」とは、触針(スタイラス)が試料の実表面上を走査したとき、円すい型をした先端部(先端球中心)の軌跡がつくる曲線のことです。
測定断面曲線とは
「測定断面曲線」とは、測定曲線を縦軸及び横軸からなる座標(連続的に変化するグラフ)として、一定間隔でサンプルリング(ディジタル化)した曲線のことです。
実表面の断面曲線とは
「実表面の断面曲線」とは、試料の実表面上を指定された垂直平面で切断したとき、その切り口に現れる曲線のことです。JIS B 0601-1994では、「断面曲線」と定義されていました。
平均線とは
「平均線」には、「粗さ曲線ための平均線」、「うねり曲線ための平均線」、「断面曲線ための平均線」の3つの平均線があり、これらは全て曲線になります。なお、JIS B 0601-1994で平均線は、粗さ曲線のための平均線(ろ波うねり曲線)を最小二乗法により直線におきかえた線と定義付けられていました。
粗さ曲線のための平均線とは
「粗さ曲線のための平均線」とは、位相補償形高域フィルタλc(ハイパスフィルタ)によってカットされた低い周波数成分を記録した曲線のことです。なお、JIS B 0601-1994では、ろ波うねり曲線と呼んでいました。
- 関連ワード:
うねり曲線のための平均線とは
「うねり曲線のための平均線」とは、位相補償形低域フィルタλf(ローパスフィルタ)によってカットされた低い周波数成分を記録した曲線のことです。
- 関連ワード:
断面曲線のための平均線とは
「断面曲線のための平均線」とは、最小二乗法によって断面曲線にあてはめた呼び形状を表す曲線のことです。
- 関連ワード: