環境試験機について

地球や宇宙のさまざまな気象環境条件(温度・湿度など)を人工的に作り出し、その中で材料に起こる変化を測定する試験機です。温度・湿度以外に気候や腐食に対する試験機能を持つ試験機もあります。例えば、大型発電所の圧力容器内のような高温高圧水の状態を再現し、試験体がその環境で正常に作動するか、またどこに問題点があるかを測定する試験機もあります。
ここでは、温度・湿度試験機や恒温・恒湿試験機など、環境試験機の種類や構造、試験の目的について説明します。

下図は、劣化・耐久を試験する装置の例です。この装置は、ドラム試験機にオゾン発生制御装置を追加し、走行中をイメージしたタイヤにオゾンを暴露しています。

自動車用ゴムタイヤ試験装置
自動車用ゴムタイヤ試験装置

温度・湿度試験機

「温度・湿度試験機」は、材料や製品の温度や湿度に対する性質を測定する試験機です。極端な高温や低温、高湿度や低湿度の状態を作り出すことができます。

恒温・恒湿試験機

温度や湿度に対する試験である温度・湿度試験を長期間行うことができる試験機です。
温度や湿度を変化させることのできる「恒温槽」「恒湿槽」と呼ばれる試験装置の中で、温度や湿度変化を加え、変化の状態を測定します。膨張率や柔軟温度・耐燃性などを試験できる試験機もあります。

促進耐候性試験機

太陽光や温度・湿度・降雨など、屋内外の条件を人工的に再現して商品や材料の劣化を促進させる試験機です。耐候性の試験を屋外で行うと、結果が出るまでに長い時間がかかります。光線試験機は、人工光源を用いて屋内で試験することで、短期間で結果を出すことができます。ISOやJIS、ASTM(ASTM International)で規定されている光源を使った「促進耐候性試験機」が一般的ですが、さらに短期間で年単位の劣化状況が確認できる「超促進耐候性試験機」も開発されています。

腐食試験機・耐薬品性試験機

塩水や酸性雨・薬品・ガスなどによる、材料や商品への影響を調べる試験機です。酢酸に塩化銅を加えた塩化ナトリウム水溶液を用いて腐食の度合いを測定する「キャス試験機」や、硫化水素(H2S)、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)あるいは塩素(Cl2)など腐食性ガスによる腐食を測定する「ガス腐食試験機」があります。

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