産業用ロボット・ロボットビジョン導入時に必見!
補助金のしくみ

ものづくりの現場では、少子高齢化によって労働人口が減少し、技術の伝承も難しくなっています。そこで注目を集めているのが産業用ロボットを活用した自動化です。自動車・自動車部品業界では、これまでも産業用ロボットが活用され、生産性向上に貢献してきました。近年は、ロボット技術の発展により、製造業からサービス業まで産業用ロボットの活用シーンが拡大しています。

産業用ロボット・ロボットビジョン導入時に必見!補助金のしくみ

近年の産業用ロボットは、省人化や生産性向上、品質向上に加え、センサ(カメラ)や画像処理システムの進化によって多品種・多工程にも対応できるように進化しています。このように多くのメリットがある産業用ロボットの導入ですが、ネックになるのが導入コストです。実際に製造現場にロボットを導入する場合、ロボット本体の費用のほか、周辺設備やメンテナンス、システム開発などのコストも考慮する必要があります。

そのため産業用ロボットを導入したいが手が出ないというケースも多いと思われます。そんな悩みを解決してくれるのがロボット導入を支援する補助金制度です。今回のコラムでは、中小企業・小規模事業者を支援する「ものづくり補助金」を中心に補助金の種類や申請方法、今後の動向など、ロボット関連の補助金制度について詳しくご紹介します。

ものづくり補助金

産業用ロボットの導入に利用できる補助金として、中小企業庁が中小企業・小規模事業者を対象に実施している「ものづくり補助金」があります。正式名称は、「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」といい、概要は以下のようになります。

ものづくり補助金

事業概要
平成29年度補正「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」

事業目的

国際的な経済社会情勢の変化に対応し、足腰の強い経済を構築するため、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための中小企業・小規模事業者の設備投資等の一部を支援します。

対象要件

認定支援機関の全面バックアップを得た事業を行う中小企業・小規模事業者であり、下記の要件のいずれかに取り組むものであること。

「中小サービス事業者の生産性向上のためにガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善であり、3〜5年で「付加価値額」年率3%及び「経営利益」年率1%の向上を達成できる計画であること。または「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3〜5年で「付加価値額」年率3%及び「経営利益」年率1%の向上を達成できる計画であること。

事業の詳細

  1. 1.企業間データ活用型:複数の中小企業・小規模事業者が事業者間でデータ・情報を共有し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援。
    (補助上限額:1,000万円/者※、補助率:2/3)
    ※連携体は10者まで。さらに200万円✕連携体参加数を上限として連携体内で配分可能
  2. 2.一般型:中小企業・小規模事業者が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援。
    (補助上限額:1,000万円、補助率1/2)
    ※生産性向上特別措置法(案)(平成30年通常国会提出)に基づく先端設備等導入計画の認定又は経営革新計画の承認を取得して一定の要件を満たす者は、補助率2/3
  3. 3.小規模型:小規模な額で中小企業・小規模事業者が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を支援。(設備投資を伴わない試作開発等も支援)
    (補助上限額:500万円、補助率:小規模事業者2/3、その他1/2)

●1〜3共通 生産性向上に資する専門家を活用する場合 補助上限額30万円アップ

【引用元】平成29年度補正「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」【公募要領】

上述の「ものづくり補助金」の概要のポイントをまとめると以下のようになります。

  • ✔ 対象者は、日本国内に本社および実施場所を有する中小企業・小規模事業者
  • ✔ 補助金は、産業用ロボットなどの設備投資に広く利用可能
  • ✔ 公募は、「企業間データ活用型」「一般型」「小規模型」の3種類
  • ✔ 産業用ロボット導入支援として「一般型」「小規模型」の2種類が利用可能
  • ✔ 補助上限額は1,000万円(条件によって異なる)
  • ✔ 補助率は、1/2(条件によって2/3)

企業間データ活用型・一般型・小規模型について

「ものづくり補助金」は、「企業間データ活用型」「一般型」「小規模型」の3種類に分かれており、応募する際は適切なものを選ぶことが大切です。こちらでは「企業間データ活用型」「一般型」「小規模型」の3種類の違いをわかりやすくまとめてみました。

企業間データ活用型
概要 複数の中小企業・小規模事業者が事業者間でデータ・情報を活用し、新たな価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクトを支援する補助金です。例えば、複数の事業者がデータ共有することで生産性向上を図ったり、地域の垣根を超えた共同開発で新たなサービスを提供したりする場合に適応します。ロボット導入をはじめとした設備投資等の支援とは異なります。
補助上限額 1,000万円
補助率 2/3
備考 ※連携体は10者まで。さらに200万円✕連携体参加数を上限として連携体内で配分可能
一般型
概要 中小企業・小規模事業者が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援するものです。産業用ロボット導入などの設備投資も含まれます。補助上限金額は1,000万円となります。
補助上限額 1,000万円
補助率 1/2
備考 ※生産性向上特別措置法(案)(平成30年通常国会提出)に基づく先端設備等導入計画の認定又は経営革新計画の承認を取得して一定の要件を満たす者は、補助率2/3
小規模型
概要 中小企業・小規模事業者が行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援するものです。産業用ロボット導入などの設備投資も含まれます。補助上限金額は500万円で比較的小規模な設備投資に対応しています。
補助上限額 500万円
補助率 小規模事業者2/3、
その他1/2
備考 -

公募期間と交付決定について

「ものづくり補助金」は、各年度の補正予算により公募が開始となります。公募期間・交付決定など最新の情報を中小企業庁ホームページでチェックしておきましょう。公募期間が短いので、申請を検討している場合は、早めに着手し、準備しておくことも大切です。申請する場合は、全国中小企業団体中央会が公開している「公募要領」を確認してください。

【参考】中小企業庁 経営サポート「ものづくり(サービス含む)中小企業支援」

地域ごとで実施している補助金もチェック

国が実施している「ものづくり補助金」のほかに地方自治体などが公募しているロボット導入関連の補助金もあります。こちらでは、地域ごとで実施している補助金の一例をご紹介します。事業所の所在地によって受けられる補助金もありますので、ぜひご確認ください。

事例01 兵庫県「ロボット実用化・普及促進補助金」

兵庫県では、県内に事業所のある企業を対象にした「ロボット実用化・普及促進補助金」という補助金を過去に実施していました。ロボット開発・導入により、女性や高齢者にも活躍の場を広げることができるなど、従来の発想を広げたロボットの実用化・普及促進を目指す企業を対象に、ロボット・ロボットシステムやロボット周辺機器等の開発に関わる費用を支援する補助金です。公募はすでに終了しています。

【参考】(公財)新産業創造研究機構

事例02 神奈川県「ロボット導入支援補助金」

神奈川県では、さまざまなロボットが社会に溶け込む「ロボットと共生する社会」を実現していくため、「さがみロボット産業特区」で商品化したロボットを導入する方への補助を実施するという目的で「ロボット導入支援補助金」の公募を行っています。神奈川県内に事務所・事業所を有する事業者が対象で、募集期間は平成30年4月16日(月曜日)から平成31年1月31日(木曜日)までとなっています。

【参考】神奈川県 ロボット導入支援補助金のご案内

今後の情報に注目!過去の補助金まとめ

「ものづくり補助金」や地方自治体の補助金のほか、過去には一般社団法人日本ロボット工業会が経済産業省からの補助金を受けて実施した「ロボット導入実証事業」、農林水産省が実施した「食品産業イノベーション推進事業」など、ロボット活用の支援を目的にした補助金制度がありました。

日本では、ものづくりやサービスの生産性向上、労働人口減少の解決を目的に、ロボットの活用や生産の自動化を推進しています。「ロボット導入実証事業」「食品産業イノベーション推進事業」などはすでに募集が終了していますが、「ものづくり補助金」のように再開したり、新たな産業用ロボット導入支援制度が実施されたりする可能性は十分にあります。国がロボット活用や自動化に力を入れている今こそ、産業用ロボット導入のチャンスです!今後の情報にも注目し、積極的に補助金制度を活用しましょう。

投資額を抑えて産業用ロボット・ロボットビジョンを導入!

投資額を抑えて産業用ロボット・ロボットビジョンを導入!

産業用ロボットの導入には、購入資金のほかに運用やメンテナンス、システム開発、人材教育などのハードルがあります。しかし、補助金をうまく活用すれば、コスト面の負担を最小限に抑えて、産業用ロボットやロボットビジョンを導入し、製造現場の自動化を実現することが可能です。より良い職場環境は、生産効率や品質の向上に加え、人材確保や事業発展のチャンスでもあります。

ご存知の方も多いと思いますが、補助金の申請には長い準備期間や複雑な手続きが必要です。しかし、補助金を受けるために事業内容や各工程を見直すことは、課題解決につながり事業をさらに発展させる機会でもあります。産業用ロボットやロボットビジョンの導入によるメリットは、以下ページも併せてご覧ください。

産業用ロボットの導入メリット>>

ロボットビジョンのメリット>>

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