電機業界
テレビや冷蔵庫などの生活家電をはじめ、発電機や変圧器といった設備、航空機や人工衛星などの航空宇宙機器など、幅広い製品を取り扱う電機業界。自動車・自動車部品業界と同様に古くから産業用ロボットが利用されている業界であり、FA(ファクトリーオートメーション)実現のためにロボットビジョンシステムを積極的に導入している業界でもあります。こちらでは、電機業界におけるロボットビジョンシステムの具体的な活用事例、従来の課題と導入のメリットなどをご紹介します。
磁気反転表示器のディスク組立
視野角が広く、太陽光のもとでも視認性が高いという特徴を持ち、省エネルギーで駆動することからバスの表示器、屋外競技場のスコアボードなどに使用されている磁気反転表示器(磁気反転モジュール)。最近では、省エネルギーで駆動するメリットを活かしてデジタルサイネージなどにも利用されています。この磁気反転表示器(磁気反転モジュール)の表示部となるディスクは、非常に薄い樹脂やカラーシート、磁石を高精度で貼り付ける必要があり、気泡ができないように組み立てるには熟練の技術が必要でした。そのため職人の手作業に頼らざるをえないケースも多く、手間がかかっていました。
しかし、ロボットビジョンシステムを導入すれば、整列・貼付・圧着の工程を自動化できます。ロボットアームに取り付けられたカメラでディスクを撮像し、位置や向きなどを検出することでディスクの搬送・貼付の自動化を実現。さらに圧着工程では、圧延ローラーを利用して気泡を防ぎ、画像処理により気泡の有無を検出することで品質の安定化にもつながります。
キーエンスのロボットビジョンシステムは、面倒なキャリブレーションをワンクリックで完了できる「オートキャリブレーション機能」も搭載しているので立ち上げの手間も大幅に削減が可能。さまざまなタイプの産業用ロボットにも対応しており、磁気反転表示器のディスクの貼付工程に適した各種ロボットに追加することができます。
通貨機器等の組立検査工程
紙幣両替機や硬貨梱包器、紙幣硬貨入出金機、POSレジスタ連動の自動釣銭機、各種電子マネーに対応した自動販売機など、ニーズや決済手段が多様化している通貨機器。利用シーンによって求められる機能が異なり、多品種・少量・変量生産になるケースが多く、自動化が難しい製品でもあります。そこで従来は、熟練の作業者が手作業で組立・検査を行ってきました。
従来の産業用ロボットを使った生産ラインは、同一品種の量産には向いていますが多機種混合のセル生産には不向きでした。しかし、ロボットビジョンシステムなら画像照合技術でワークを判別し、多機種混合のセル生産の自動化が可能。組立と同時に撮像したデータから不良検査もできるので生産効率アップにもつながります。
キーエンスのロボットビジョンシステムは、各社のロボットと直接接続ができ、サンプルプログラム作成機能も備えているので導入の手間を最小限に抑えることができます。多品種・少量・変量生産の場合は、製品が多岐にわたりプログラム作成を行う機会も増えますが、キーエンスのロボットビジョンシステムなら導入・運用の手間とコストを抑えながら高いパフォーマンスを発揮します。