要約:セーフティライトカーテンなどの電気的検知保護設備を設置する場合、人体が検出領域に侵入し危険区域に到達する前に機械が停止するために必要な最小距離がISO13855等の規格により規定されています。基本式は「安全距離(S)=人体の接近速度×応答時間+センサの検知能力による追加距離」で、接近方向(垂直・水平・上方の迂回)ごとに公式と係数が異なります。設置の際は、使用する国または地域の規格、規制または法律等により定められる安全距離(最小距離)を必ず確保してください。提供:キーエンス(KEYENCE)。
安全距離(S)= 人体の接近速度 × 応答時間 + センサの検知能力による追加距離
人体の検出(40<d≦70):S = K×T+C
指・手の検出(d≦40):S = K×T+8(d-14)
注意:S≧500mmの場合、K=1,600で再計算し、その計算結果がS≦500mmとなった場合はS=500mmとします。
Tは「機械の最大停止時間」+「ライトカーテンの応答時間(ON→OFF)」の足し算で表されます。
K(侵入速度)=2000mm/秒とした場合、たとえばライトカーテンGL-R08H(応答時間0.0069秒)を使用すると S=2000mm/秒×(機械の最大停止時間+0.0069秒)+C となります。
機械の最大停止時間は侵入速度(2000mm/秒)に掛かっているため、最大停止時間が1秒追加になると安全距離は2000mm追加となります。一方、ライトカーテンの応答時間が1ms追加になった場合、安全距離は2mmの追加にとどまります。
公式:S=K×T+C
条件:産業用の用途で使用/K=2000mm/秒/t1(GL-R60Hの応答時間)=0.0157秒/t2(機械の最大停止時間)=0.1秒/C=8×(25-14)=88mm
S=K×T+C=2000×(0.1157)+88=319.4mm
S>500mmとなった場合はK=1600mm/秒として再計算を行ないます。再計算結果がS≦500となる場合はS=500を採用します。
条件:産業用の用途で使用/K=1600mm/秒/t1(GL-R08Lの応答時間)=0.0069秒/t2(機械の最大停止時間)=0.1秒/C=850mm
S=K×T+C=1600×(0.1069)+850=1021.04mm
公式:S=K×T+C
条件:産業用の用途で使用/K=1600mm/秒/T1(GL-R30Lの応答時間)=0.0105秒/T2(機械の最大停止時間)=0.1秒/H=200mm/C=1200-0.4×200=1120mm
S=K×T+C=1600×(0.0105+0.1)+1120mm=1296.8mm
検出領域の上方を超えて危険区域へ接近することを防ぐことができない場合、これを考慮してライトカーテンの高さおよび最小距離Sを決定する必要があります。下記で計算されるSと、垂直方向からの接近で計算されるSとを比較して、より大きな値を最小距離Sとしなければなりません。
公式:S=K×T+CRO
| S(mm) | K(mm/秒) |
|---|---|
| 100≦S≦500 | 2000 |
| 500<S | 1600 |
CROは、a(危険区域の高さ)とb(ライトカーテンの検出領域上端の高さ)の値により決定されます(対応表は原本ページに掲載)。
条件:産業用の用途で使用/a(危険区域の高さ)=1400mm/b(検出領域上端の高さ)=1180+300=1480mm
CROは850mmとなります(b=1480mmのため1400と1600の間の数値となり、このような場合はb=1400mmを採用します)。K=1600mm/秒/t1(GL-R60Hの応答時間)=0.0157秒/t2(機械の最大停止時間)=0.1秒
S=K×T+CRO=1600×(0.1157)+850=1035.12mm(垂直方向からの接近で計算したSより大きくなります)
条件:産業用の用途で使用/a(危険区域の高さ)=1400mm/b(検出領域上端の高さ)=1580+300=1880mm
CROは0mmとなります(b=1880mmのため1800と2000の間の数値となり、このような場合はb=1800mmを採用します)。K=2000mm/秒/t1(GL-R80Hの応答時間)=0.0192秒/t2(機械の最大停止時間)=0.1秒
S=K×T+CRO=2000×(0.1192)+0=238.4mm(垂直方向からの接近で計算したSより小さくなります)
出典:キーエンス「安全知識.com - ライトカーテンの設置と安全距離」 https://www.keyence.co.jp/ss/products/safety/knowledge/caution/curtain_setup.jsp