昭和産業株式会社

RKを使って月に750時間の業務削減を実現!
誰でも扱えるほど簡単、かつ無償の伴走サポートも付いてくるとあって、神戸工場だけでなく、他の工場や本社でも導入が進んでいます

昭和産業株式会社の神戸工場では、深刻化していく人手不足を業務削減で補うべく、キーエンスのRPA(業務自動化)ツール・RKを導入。さまざまな工夫を凝らして工場内の全部署に浸透させることで、月に750時間の業務削減を成し遂げました。そこでRKの推進役を担う改善推進チームの石﨑様と、現場でRKの開発に携わっている製油品質保証室の二谷様に、RK導入の経緯や活用状況、上手く現場に広めたやり方などについて詳しく伺いました。

昭和産業株式会社

昭和産業株式会社は、1936年に設立された小麦粉や食用油などの製造・販売をおこなう食品メーカです。国内で唯一、小麦、大豆・菜種・トウモロコシの4つの穀物を取り扱っており、その穀物取扱量は日本一。さらに同社が日本ではじめて販売を開始した「天ぷら粉」では業界トップクラスのシェア、「ホットケーキミックス」ではNo.1の売上個数を誇るなど、「穀物ソリューションカンパニー」として業界を牽引し続けています。

  • 設立 : 1936年(昭和11年)2月18日
  • 従業員数 : 単体:1270名/連結:2858名(2024年3月31日現在)
  • 資本金 : 142億9300万円
  • 年商 : 連結:3463億円、単体:2231億円(2024年3月期)

「開発の容易さ」と「無償伴走サポート」に期待

RKの導入経緯を教えてください。

きっかけは2022年ころ、若手社員がまとめて数名退職してしまったことがきっかけです。今後の少子高齢化のことまで含めて考えると、仕事ができる年配の社員が退職してしまう前に、社員が少なくても工場を回せる体制作りが必要だと考えました。
そこで、コピー&ペーストやWebからの転記など、あまり考えずにやっているパソコン業務を上手く減らす方法がないかと、いろいろなツールを探して行きついたのがRPAだったのです。

調べていくと本社ではすでに他社製RPAを導入しているとのことでしたので、そのツールも含めた複数のRPAをピックアップして検討。その中で、より「扱いが簡単で市民開発できそう」だったこと、そして「永久かつ無償の伴走サポートがついている」ことから、キーエンスさんのRKを導入することに決めました。

そもそも人員削減に繋げることが目的だったので、シナリオ(自動化プログラム)を作る業務に、あまり時間を掛けたくありませんでしたし、もし行き詰った時にもサポートしてくれる体制が整っていることは、導入にあたってとても安心感がありましたね。

神戸工場の全11部署でRKを活用!さらには全社的な展開へ

神戸工場でのRKの活用状況を教えてください。

神戸工場に導入したのは2023年5月頃です。ライセンスは開発版を2本契約しており、サイロ、製粉、ミックス、製油、物流、保全、環境保安室、ふたつの品質管理、管理課と、私がいる工場改善推進チームの全11部署で活用をしています。

各部署にはRKのリーダーを配置してもらっており、1年ごとにリーダーが代わるので、今は約20名の社員がRKを使える状態になっています。

ここ2年で作ったシナリオは114本。受注発注の状況を帳票に自動転記したり、検査記録をひとつのファイルにまとめたり、検査項目を朝に印刷したりと、いろんな業務をロボット化することができました。

石﨑様のご尽力で、他の工場や本社にもRKが導入されたと伺っています。そちらの活用状況も教えてください。

当社では、3か月に1回「業務改善から工場戦略」をテーマにした討論会・発表会をおこなっています。そこで私が、RKによる業務改善例の発表をおこなったり、他RPAとの違いを討論したところ、他の工場、本社の各部門から「自分たちもやりたい」と手が挙がりました。

その結果、2023年10月に導入をした鹿島工場を皮切りに、本社のデジタル推進部、ビジネスプランニング部、九州支店、船橋工場でも使われ始めて、さらには中部支店への導入も決まりました。
デジタル推進部で導入されたこともあって、今後RKの導入は全社的な展開になっていくみたいですよ。そう考えると、私、かなりRKの売上に貢献していますね(笑)。

RKを全部署に浸透させるために神戸工場がおこなった施策とは?

神戸工場では全部署がRKを活用しているとのことですが、各部署に広めるために、どういう工夫をされたのですか?

RKを広めるためにおこなった工夫は、大きくは次のふたつです。

● 工場全体でおこなっている取り組みと連動させた

神戸工場では「5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾にまつわる活動)」という名目で、定期的な業務改善、業務効率化に取り組んでいます。直近でおこなったもので言うと、各部署で手順書の作成を競争してもらって、一番多く作った部署は表彰するといった「手順書ラリー」を開催しました。
この「5S活動」の中で、「RPAを使って業務改善をおこなう」ことをテーマに据えた競争をおこなうことで、自然とRKを触ってもらうようにしたのです。

トップの部署には表彰だけでなく賞金も出るとあって、各部署、やる気を持って挑戦してくれました。その甲斐もあって、元々みんなプログラム未経験者だったのですが、上手くRKを使いこなせるようになったと感じています。

● 使い続けてもらえるようにサポートする

細かなことですが、「社員が作ったシナリオ」や「伴走サポートのリモート会議を録画したデータ」を共有フォルダに入れて誰でも便利に見られるようにしたり、1シーズンに1回は各部署にRK用の「業務洗い出しシート」を配ることで、RKの存在を改めて認識してもらうように心がけました。
また、まだRKに慣れていない人がいれば、伴走サポートを一緒に受けたり、分からないことがないか随時ヒアリングしたりもしています。

そうしてシナリオが完成したら、自動化した業務内容と、それによって削減された時間をExcelにまとめて、改善推進チームで管理しています。
その結果、たとえば「この業務が自動化できるかもしれない」という意見がある部署から出てきた時に、「前に他の部署で同じようなことをやっているからシナリオを流用しよう」と伝えて、共有フォルダからシナリオを拝借する……ようなこともできるようになりました。

月750時間の業務削減に!現時点の満足度は100点と評価

定量的な導入効果について教えてください。

2025年度は、月に約750時間の業務削減に繋がりました。費用対効果で言えば、契約料はペイできていることもあって、現時点の満足度としては100点です。まだ自動化できる業務の余地はいろいろあると思っていますので、来年度はさらに削減時間が増えていくことを期待しています。

定性的な効果についても教えてください。

ミスや間違いがなくなったのは大きいですね。
たとえば品質管理部門では、「営業から依頼があった商品サンプルをお客様に発送する」という業務を自動化したことで、送付状の記載ミスや二重発送がなくなりました。

ロボットなのでヒューマンエラーがないのは当然なのですが、たとえば発送したら「送ったフォルダ」に入れるようRKに指示を出すなど、キーエンスの伴走サポートの中で「ミスが発生しないやり方」を教えてもらえたのも大きかったです。

伴走サポートの話が出たところで、それに対する評価についてもお聞かせください。

聞く相手の知識レベルにあわせて、使う言葉を選びながら話をしてくれる点は、とても印象的でした。お陰であまりパソコンに詳しくない人でも、素早くRKの操作を覚えることができました。

なにより教え方が丁寧ですよね。私たちが途中まで作ったシナリオを見せながら相談した時も、効率的良く、かつミスが起きないように実現する方法を、分かりやすく教えてもらえました。
メーカでサポートを担当している人って、もっと高圧的なイメージがあったのですが、いつも親身になって対応してくれるので、ありがたかったです。

さらなるシナリオ開発、他との連動、管理者の増加が目下の目標

今後の展望と、そのためにキーエンスに期待することを教えてください。

まずは、まだ自動化できていない業務を洗い出して、新たなシナリオ開発を進めていきたいと思っています。もしその際に、アカウントが足りなくなったら、増やすことも念頭に置いています。

ただある程度、自動化が進めば、新規の開発スピードは鈍くなっていくことも予想できますので、そうしたら今度は他の工場、他の支部と連動できることを探して、ひとつのシナリオをマルチに使っていきたいですね。
たとえば先ほどの話にも出てきた「営業から依頼があった商品サンプルを発送する」という業務は、どの工場でも発生します。神戸工場で作ったシナリオでも、一部を書き換えれば他の工場で使えると思うので、上手く流用していけると思うんですよ。もちろん逆に、他の工場で良いシナリオが作れたら、それを神戸工場に取り入れることも考えています。

あとはRKに関わる内容を管理できる人を作れると良いですね。
今は私ひとりでやっているので、シナリオや削減時間のとりまとめを本社のデジタル推進部で対応できるようにして、全社の活動として各部署へ業務自動化推進や提案もお任せできるようにしたいですね。

RKの導入で多くの時間を削減できているので、その分、本社や工場長の説得もやりやすくなってきていると思いますから。

キーエンスさんには、現状でも満足する対応をいただいておりますので、今後もこれまで通りに手厚いサポートを期待しています。

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