医療法人社団東山会 調布東山病院

多職種でRKを活用し、約120の業務を自動化することに成功し、結果的に、SE以外の12名がRPAを使える人材として育成に成功。月430時間分の業務時間の削減を果たしました!
過去の自動化プログラムを流用できるようになった点も魅力慣れれば大変な作業も10分で自動化できます!

医療法人社団東山会 調布東山病院では、逼迫した業務状態の改善を目指してキーエンスのRPA(業務自動化)ツール・RKを導入。広く院内に展開することで月430時間分の業務の自動化を実現させました。そこで理事長の小川様を含め、RKの推進や、現場での開発に深く関わった総勢7名の皆様に、RKの導入経緯や活用状況、ツールとしての魅力などについて詳しく伺いました。

医療法人社団東山会 調布東山病院

医療法人社団東山会 調布東山病院は、1982年に開設された地域密着型の一般急性期病院です。緊急対応可能な専門的かつ高度な医療機関としての役割に、透析医療部門、予防医療部門、在宅部門を加えた全部で4つのドメインを抱えることで、「生きる=人生」に関わることを使命とした運営をおこなっている点が大きな特徴。近年では、在宅療養支援病院としての役割も担っており、24時間体制での往診、訪問看護、介護連係、またそこで働くスタッフへの支援など、より包括的な医療サービスも展開し始めています。

  • 設立 : 1982年
  • 従業員数 : 496.8名(2024年4月1日現在/常勤換算)
  • 資本金 : 2億6000万円
  • 年商 : 55.3億円(2024年度)

忙しすぎる現場を楽にさせたいという思いからRKを導入

RK導入の経緯を教えてください。

改定の度に厳しくなっていく診療報酬や、今後の労働人口の減少を考えると、より創造的な仕事にかけられる時間を捻出し、やりがいを感じる職場作り、マグネットホスピタルであり続けることが重要だと思いました。
さらに、経営環境が厳しい昨今、少ない職員で今以上のアウトプットを出していかなければならない危機感もありました。

SEが主体となってシステムを導入することにより、少しずつ業務が改善していましたが、各現場の業務の本質の部分に切り込むのが難しいと感じていました。

当院では、現場職員のITリテラシーを向上させるために、医療事務の若手にIT教育の場を設けたり、SEと医療事務がチームを組んで業務改善に取り組む体制を整えていました。

そんな時、情報システム課長からキーエンスのRKシリーズの提案を受けました。SEでなくても扱える仕様で、現場が自らRPAを作り業務を自動化できる点に魅力を感じました。すでにRPAの効果は、新型コロナ流行時の事務作業自動化で実感していましたので、SE以外の職員が活用できるようになれば、さらに業務改善が加速すると考えました。加えて、単月契約でリスクが低いこと、生産性の高いキーエンスさんから学べる点も導入の決め手となり、即座に上申し決裁を得ました。

具体的には、以下の点でRKの導入に至りました。

  • 初期費用が掛からない
  • 月額契約でいつでも止められる
  • 現場の人たちが触れそうな期待感を持てた
  • eラーニングの教育体制が整っている

導入決定後は、院内で「RPAプロジェクト」を立ち上げて、参加者を募集。手を上げてくれた39名で、キーエンスさんの伴走サポートを受けながら、操作法やシナリオの作り方を学んでいきました。現在は色んな部署でシナリオ開発に取り組んでくれるようになりました。

RKを使って約120の業務自動化を実現!

RKの活用状況を教えてください。

契約しているライセンスは、開発版が2本と実行版が2本。インターネットに繋がっていない「電子カルテ操作用」として開発版1本と実行版2本、インターネットが繋がっている「基幹システム操作用」として開発版を1本という形で、使い分けています。

現時点でシナリオ(自動化プログラム)を開発できるメンバーはSE以外の12名。医療事務、クリニック、ドック健診、検査科、経営本部と、いろんな部署の現場スタッフがそれぞれ自分たちの業務を自動化させています。
シナリオは120本ほどが稼働しています。その一部を、次にご紹介します。

● 検査科/感染症、輸血の集計

毎週おこなっている感染症および輸血のデータ集計をRKで自動化させました。具体的には、電子カルテに入力された感染症、輸血のデータを取得し、「どういう菌が検知されたか」など、求められる形にまとめてExcelに保存しています。

● 人事総務課/システムへの入力

日次の入職・退職・休職の動きや氏名・住所の身上変更についても、RKで各システムに自動連携しています。人事労務管理システム内での申請や同システムからデータを出力し、前日とのデータに変更があったら勤退システムや給与計算システム、人事評価システムなどにその変更を反映、さらに入職の場合は、勤怠システムにログインするための招待メールを送付するところまでをRKでやっています。入力忘れやミスがなく、決まった時間に確実に対応されるのでとても楽になりました。

● ドック健診/受診患者の帳票発行

現在ドック健診では、受診された1日150~170名の患者さんの情報を、帳票として発行する業務の自動化に取り組んでいます。受診結果をチェックリストとして作成し、患者さん用、部署の控え用など各フォーマットに応じた帳票にまとめて、夜中のうちに印刷を終わらせるという内容です。まだ完成してはいないのですが、試験段階までは進んでいて、もうすぐ完成する見込みです。

月に430時間掛かっていた業務の自動化に成功!

RK導入の結果、どのような効果を得られましたか?

現在RKは月に160時間ほど稼働しており、たくさんの業務を肩代わりしてくれています。その結果を「社員がやっている業務時間」で換算すると月に430時間。これはおよそ社員3名分の働きに相当します。

その他、定性的な効果があれば教えてください。

大きくは次の3つの効果があったと考えています。

● ミスやタスク漏れがなくなる

RKは常に正確に動いてくれるので、ミスやタスク漏れがなくなります。たとえば、給与計算システムは、ボタン1つ間違うだけで結果が大きく変わってしまいます。そうなるとリカバリーや修正は大変です。そんなヒューマンエラーがなくなったのは、RKを入れて良かったと感じていることのひとつです。

● 負担が大きな役回りを任せられる

当院では、輸血をやった際に必ず残さなければならないコメントを、書き忘れてしまった医師に向けて、記入を促すという業務があります。今までは副院長がそれを担当していたのですが、このメッセージ送信をRKがやってくれるようになったことで、副院長からは「これまで負担に感じていた役割から解放され、気持ちに余裕が生まれた」という言葉が出てくるように。こうしたスタッフに細かな負荷、ストレスが掛かる業務を自動化によって解消できた点も大きなメリットです。

● 業務改善に繋がった

あるシナリオを開発する中で、「システムからデータを抽出してのリスト化」が上手くできなかった時がありました。しかし改めて業務を見直すことで、別の手段でリストを作ったほうが短時間、かつ簡単にできたという発見がありました。このようにRKがきっかけになって、より効率的な業務の進め方を導けるようになったのも、導入効果として大きかったですね。

作業量の多い業務も既存のシナリオを流用して10分で自動化

実際に使ったからこそ感じた、RKのツールとしての魅力はなんですか?

シナリオの流用や改造がやりやすいところです。
自分が作ったシナリオと似たことをやろうとしている人がいれば、シナリオを渡して改造してもらえば、簡単に自動化を実現できますし、新たなシナリオを作る際も、過去のシナリオを一部流用すれば、短時間で開発を終えられます。

先日、急遽100名分の出勤簿を印刷して提出しなければならなくなったことがありました。今までだと、スタッフ3人がかりで、社員番号コピー&ペーストして、出勤簿画面上で名簿を出力、ひとりずつ印刷して確認する、いわゆる「ポチポチ作業」を延々と繰り返す必要がありました。しかし今はRKがあります。以前作ったシナリオの中に、流用できる部分があったので、それを上手く活用することで、10分くらいでシナリオ作成することができました。

急に大変な業務が入ってきたとしても、RKがあるから「自動化させて楽に終わらせよう」という発想が生まれるようになったのは、私たちにとって大きな変化だと感じています。

ChatGPTも活用!RKを使いこなすコツとは?

そこまでRKを使いこなすにあたって、なにかコツのようなものがあれば教えてください。

まずは「小さい自動化から作ってみる」ことですね。アプリへログインするだけのものでも構いません。一度成功したら、やる気が出るのでおすすめです。

また「ChatGPTを活用する」のもひとつの手段です。私(石井様)の場合は、ChatGPTにExcelのマクロを作ってもらって、RKと組み合わせたりしています。とても便利ですよ。
あとは「5分考えて分からないなら伴走サポートに頼る」ことですね。問い合わせると大体1時間くらいで返ってくるので、30分とか1時間考えるくらいなら、早めに伴走サポートにメールを送ってしまったほうが効率的だと思っています。

伴走サポートに対する評価も教えてください。

返信は早いし、アドバイスは的確です。メールだと説明が難しい内容のときには、比較的スムーズにリモート会議を設定してくれるところも、大変ありがたいですね。
リモート会議では、画面共有をしながら「このボタンを押して」、「この条件を入れて」と、細かく指示をくださいます。言われるがまま操作していたら、いつの間にかシナリオが完成していたこともありました。

窓口となる代表者を立てる必要なく、RKを使っているスタッフが個人的に問い合わせできる点も嬉しいですね。よくあるメーカさんだと管理者しか問い合わせできないことも多いですから。

院内外に広がるRKの輪

調布東山病院様では、院内外に向けて広くRKを紹介されていると伺っています。具体的にどこに向けて、どんな紹介をされているのですか?

まず院内に向けては、ちょうど先週末に管理職会議で、RKの事例を発表しました。実際にシナリオが動いている様子を動画で見せたところ「本当にロボットが動いている」と多くの人に驚かれました。同時に、自分たちもRKをやってみたいという声も出てきたので、今後もさらに活用の幅が広がりそうです。

院外に向けては、当院が懇意にしている病院に個別でおすすめしている他、私(小川様)が医療保険・経営管理委員会を務める「東京都病院協会」にて、夏頃にRPAの病院内活用について研修会を進めています。数十人~百数十人集めたイベントにしたいと思っています。

さらに当院が使っている「人事労務管理システム」のユーザーコミュニティ内のイベントで、「RKを使った自動化」をテーマに話して欲しいという依頼が来ましたので、人事総務課が登壇することに決まりました。

おそらくRKを導入する病院は今後さらに増えていくのではないでしょうか。病院は、やはり同じ悩みを抱えている場合が多いですから。

シナリオ・RKユーザーは今後もますます増えていく予定

今後の展望を教えてください。

現在RKを活用している部署については、今後も積極的にシナリオを開発していく予定です。理想は、お茶を飲んでいる間に仕事が全部終わるようになることです。

また「部課長会」で、RKに興味を持った管理職の方が何人もいたので、そちらのほうにもRKを展開していければと考えています。そしてその際は、ライセンスの追加や、新たな社内教育プログラムの立ち上げを考えなければいけません。
キーエンスさんには、ぜひ社内展開をおこなうにあたって、体験版ライセンスの一時的な付与や、伴走サポートなどでの支援をお願いしたいと思っておりますので、またご相談させてください。

AI/ナビ搭載 業務自動化RPA
「RKシリーズ」

商品カタログをダウンロード

AI/ナビ搭載 業務自動化RPA
「RKシリーズ」
Customer’s Voice -導入事例集-

この事例資料をダウンロード

ほかのカスタマーボイスを見る