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熱処理設備

熱処理炉の構成

目的や用途に応じてさまざまな熱処理炉が存在します

鋼材の熱処理プロセスで主役になる設備が加熱炉と冷却炉です。こちらでは炉の主要な形式や構成について解説します。熱処理プロセスでは、鋼材の使用目的・用途に合わせて最適な加熱炉・冷却炉を選択し、最適な組み合わせで使用する必要があります。

加熱炉と冷却設備 〜加熱炉と冷却炉でワンセット〜

熱処理の種類や対象物、生産規模などにより、最適な熱処理設備は異なります。しかし、どのような熱処理であっても変わらないことがあります。それは加熱炉と冷却炉がワンセットになっていることです。

そこで重要になるのが加熱炉と冷却炉の組み合わせです。加熱炉には加熱方式や雰囲気ガスの違い、冷却炉には冷却方式と冷却ガスの違いなどがあり、これらをどのように組み合わせるのかによって製品の品質や安定性が左右されます。

加熱炉と冷却設備

主な加熱方式

加熱炉を熱源で大別すると、重油やガスを燃やす「燃焼炉」と電気で加熱する「電気炉」の2つ。また処理方法によっては炉内で使用する雰囲気ガス(真空も含め)の種類でも細分化することができます。

主な冷却方式

冷却炉で用いられる冷却方法は「水冷」「油冷」「空冷」「炉冷」があります。ちなみに炉冷とは、加熱後も炉から出さずにゆっくりと冷却する方法で焼なましに用いられます。

バッチ式と連続式

熱処理が加熱と冷却でワンセットなのは前述のとおりですが、この2つのプロセスを連続させるか、段階的に行なうかで熱処理装置の形式が異なってきます。バッチ式と呼ばれるものは処理品をロール上に置いて加熱炉に入れ、加熱・保持後にロールごと搬出して冷却材で冷やすタイプです。

連続式は加熱と冷却を文字どおり連続して行なうものです。連続式のなかで加熱炉と冷却炉が離れているものを間欠式、一体となっているものを純連続式と呼びます。なお、バッチ型は処理数量が少ない場合に適しており、連続式は処理数量が多いケースで用いられます。また処理品の大小によっても適した加熱方式は変わってきます。

バッチ式と連続式

加熱炉の主要なタイプ

連続式加熱炉 加熱する鋼材をウォーキングビームなどで炉内移動させるタイプの大規模な熱処理炉。処理数量が多い場合や長尺物を処理する場合などに適しています。
台車式加熱炉(バッチ式) 処理数量が少ない場合に適した加熱炉。鋼材を台車に載せて加熱炉と冷却炉の間を移動させます。
堅型ピット炉 上部から鋼材を装入して処理する炉。省スペースなので設置場所が限られているケースに最適です。
流気式電気炉 炉内部へ雰囲気ガスを流すことができる電気炉。
メッシュベルト炉 メッシュベルトの上に処理品を載せて使う熱処理炉。加熱・冷却だけでなく脱脂・焼結の連続処理が可能。

加熱方法(焼熱or電気)

加熱炉の熱源には重油やガスを燃やす「燃焼炉」と電気で加熱する「電気炉」の2つがありますが、それぞれをより詳しく分類すると以下のようになります。

焼熱式 油バーナー 重油や灯油を熱源とする加熱方式
ガスバーナー LPGや都市ガスを熱源とする加熱方式
ラジアントチューブ チューブ内に燃焼ガスを通して炉内を加熱する方式。燃焼ガスが炉内に入らないので雰囲気ガスを自由に選べるのが特徴
電気式 抵抗加熱 直接通電 処理品に直接通電して発熱させる方式
発熱体 発熱体に通電してその熱で処理品を加熱する方式
電子加熱 電子ビーム 電子ビームを鋼に照射する方式。特定の場所をピンポイントで加熱できる
グロー放電 低圧ガス中でグロー放電(蛍光灯と同じ原理)による熱を生じさせ、処理品を加熱する方式
誘導加熱 外部コイルに電気を流し高周波磁界を発生させ、処理品に誘導電流を流して、表面だけを発熱させる方式。誘導炉とも。電気式のなかではもっともポピュラーな加熱方法
レーザー加熱 高出力レーザーの光を処理品に当て、発熱させる方式

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