半導体・電子部品業界

半導体の製造工程では、半導体の素材「単結晶インゴット」の製造工程で使用する溶解炉やウェーハ表面に酸化膜を形成する拡散炉をはじめ、インゴットの切断・研磨、半導体領域を形成する高温拡散など、さまざまな熱処理を行います。また、精密さが求められる半導体・電子部品の製造では、例えばクリーンルームで清浄度に加えて温度や湿度、プレス加工で圧力に加えて温度など、品質管理のうえで温度管理が求められます。こちらでは、半導体・電子部品業界の熱処理における温度管理の事例について、キーエンス商品を活用したソリューションを交えてご紹介します。

ワイヤボンディング時のヒータブロック温度管理

ワイヤボンディング
ワイヤボンディング

IC(集積回路)やLSI(半導体集積回路)の製造には、半導体チップ上のアルミ電極(パッド)と基板上の半導体端子をボンディングワイヤで接続する「ワイヤボンディング」という工程があります。また、ワイヤボンディングを行う機械を「ワイヤボンダ」と呼びます。ワイヤボンダには、加熱圧着方式、超音波ウェッジ方式、超音波と熱圧着を併用した超音波熱圧着方式などがありますが、現在は「超音波熱圧着方式」が主流になっています。

超音波熱圧着方式のメリットは、加熱と圧着に加えて超音波を併用するため、熱圧着方式よりも低温かつ短時間でワイヤボンディングできることです。熱圧着方式は、約300度以上に加熱する必要があり、熱によってパッケージが損傷したり、パッドの汚れの影響を受けやすくなったりします。しかし、超音波熱圧着方式なら通常100〜250度でワイヤボンディングが可能なので、これらのトラブルを回避できます。

一般的なワイヤボンディングのプロセスは、ヒータブロックでパッドを加熱し、キャピラリー(ボンディングツール)で圧力と超音波を加えてボール(FAB)を接合します。この際にパッドの加熱に問題が生じると接合不良などにつながるので温度管理が必須です。キーエンスのプリンタ搭載タッチ型パネルレコーダ「TR-Hシリーズ」を利用すれば、ヒータブロックの温度を正確に記録でき、デジタルデータと紙の両方に記録を残せるので安心です。デジタルデータであれば、さまざまなデータを一括管理・呼び出しができるので、条件出しの手間を減らして工数削減も可能。確実で早いワイヤボンディング工程の実現に効果的です。

インゴット切断機のデータ取り

インゴット切断機のデータ取り

半導体の製造では、最初にウェーハの材料になる単結晶インゴット(単結晶棒)を所定の厚みに切断(スライス)し、ウェーハ表面を研磨してから拡散炉などで酸化させます。その後、感光剤をウェーハ表面に塗布して回路のパターンを焼き付けます。このような工程で製造される半導体ですが、今回はインゴット切断工程における温度管理に注目したいと思います。

単結晶インゴットは、非常に硬い素材なので特殊なダイヤモンドブレードやダイヤモンドワイヤーソーによって切断します。近年のインゴットスライシング工程は、ダイヤモンドワイヤーソーの利用が一般的になっていますが、初期またはワーク変更時の条件出しの際、切断時の圧力やクーラントの流量、温度など設定を誤ってしまうと目的の精度を達成できないケースがあります。

そこで常に温度のほか流量や圧力を監視・記録しておく必要があります。キーエンスのタッチ型パネルレコーダ「TR-Wシリーズ」であれば、温度と同時に圧力や流量など、さまざまなデータの記録・管理を1台で実施できるので効率的です。

クリーンルームの温度管理

クリーンルームの温度管理

品質の向上と安定化を図るうえで、ゴミやホコリの付着を防ぐクリーンルームは欠かせません。特に半導体や電子部品の場合、小さな粒子やパーティクルが付着すると最終製品の品質低下に直結するため、清浄度に加えて温度・湿度・温度などの管理も求められます。さらに近年、小型・高密度・高精度が求められる半導体や電子部品は、検査や組み立てはもちろん、熱処理時でもクリーンな環境が求められるようになっています。

クリーンルームの管理項目には、清浄度(クラス)のほか温度や湿度、圧力なども記録する必要があり、紙とデジタルデータでの管理が求められます。しかし、従来のチャート紙を使った記録計の場合、紙でしか記録を残せず、紙詰まりやインク切れなどで記録が途切れてしまう可能性がありました。

キーエンスのプリンタ搭載タッチ型パネルレコーダ「TR-Hシリーズ」であれば、温度・湿度・圧力などの情報をデジタルデータとしてすべて記録でき、必要な部分のみを紙に残すことも可能。紙とデジタルデータで二重に記録しているので、紙詰まりやインク切れによる記録漏れも防げます。さらにデジタルデータなので解析も簡単に行え、トラブルが発生しても迅速に原因究明ができます。

トンネル炉のデータ収集

トンネル炉のデータ収集

チップ部品の焼成工程では、台車に載せたワークを各種雰囲気ガスで連続焼成したり、加熱および冷却をしたりするトンネル炉(トンネルキルン)を用います。このトンネル炉は、複数の熱処理を連続で行うためラインが長く、電気配線と温度計測用熱電対が同じラインで配線されるため、ノイズの影響で熱電対の数値に大きな誤差が生じることがあります。通常は、温度データをパソコンに取り込んだ後で平均化処理などが必要ですが、キーエンスのタッチ型パネルレコーダ「TR-Wシリーズ」では、平均化処理やフィルタ処理後の計測値を記録できます。

プレス圧力データ収集

プレス圧力データ収集

プレス工程では、不良品発生時の原因究明のため、圧力データ以外に金型の温度データなどの記録が求められるケースもあります。金型の場合、複数箇所の温度データを常に監視する必要があるため、1台で多点計測できる記録計の需要が高まっています。

キーエンスのタッチ型パネルレコーダ「TR-Wシリーズ」は、1台で複数の温度を記録でき、デジタルデータなので分析も容易です。プリンタ搭載タッチ型パネルレコーダ「TR-Hシリーズ」であれば、必要箇所の温度データをすぐにプリントアウトできるので、すぐに提出用資料などに活用できます。

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