静電容量式近接スイッチ

レベルセンサを大別すると可動部が有るものと無いものに分かれますが、静電容量式レベルセンサは可動部がないレベルセンサの典型的なものであり、古くから普及しているものの一つです。一対の電極間、または一本の電極と金属タンク間の静電容量を検出してレベルを求める方式であって、非導電性や導電性の液体を問わず粉粒体にも使用することができます。
ここでは静電容量式近接スイッチの原理や構造などを紹介します。

静電容量式近接スイッチは検出感度を上げることで、アクリルやガラス越しに検出することも可能で、小型化が進み、検出部材質も豊富に存在します。

原理

検出部は測定電極のみで構成され、測定物が近接したことで生じる測定電極と測定物間の静電容量変化を検出し、測定物の有無を検出します。粉粒体や液体など測定物を選ばないことから、多種多様な用途に使用されています。

構造

  • 構造

    静電容量式近接センサに用いられる検出回路は、検出部により得られる静電容量を回路の一部に組み込むことで発振回路を構成しています。検出部の形状や検出距離、感度調整の有無、シールドの有無など用途によって選択が可能になります。

選定方法

検出距離

測定対象物によって、検出距離が変わるため、特性データを見て決めます。

各種物体の検出距離

各種物体の検出距離

電源仕様

DC電源用、AC電源用、2線式、3線式など、使用用途に合わせて選択します。

注意点

設置環境

設置周囲が金属などの導体のとき、検出性能に影響がでます。約100mm以上離して設置する場合が多いです。

高周波電界を発生するような超音波洗浄装置、高周波発生装置、トランシーバ・携帯電話やインバータなどの近くでは誤動作することがあります。

相互干渉

対向または並列に設置する場合は、それぞれが干渉しないように距離を離して設置する必要があります。

付着や結露

検出部表面が結露や測定物が付着しないように注意が必要です。誤検知する要素となります。

検出物体

検出物体の電気的特性(導電率、比誘電率)、あるいは吸水状態、体積などで検出距離が変わります。十分注意が必要です。

金属製の容器内の内容物を外から検出する場合、非金属製の窓を設ける必要があります。

まとめ

このページでは、静電容量式近接スイッチの原理や構造、選定方法・注意点について説明しました。
それらをまとめると、以下の通りです。

  • 測定物が近接したことで生じる静電容量変化を測定し、レベルを検出する。
  • 液体の導電性を問わず検出することが可能。
  • 設置場所が高周波電界であったり、設置場所の近くに金属体があると、検出性能に影響が出る。相互干渉や結露にも注意が必要。

検出する液体によって、レベル検査の方法もさまざまです。最適なレベル検査を行うには、それらの特徴を知り、正しく検査することが大切です。
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