レベルセンサの選定例

レベルセンサにまつわるトラブルは様々存在します。付着、汚れ、泡、湯気、温度、圧力、腐食などなど。その結果、タンクからのあふれや空だきなど、タンク周辺の設備や前後工程のポンプなどを破損させてしまう恐れが発生します。こういったトラブルはチョコ停ではなく、ドカ停となり、復旧するまで、ライン停止に追い込まれてしまいます。特に注意しなければならないのが、設置後のトラブルです。液体は生き物のように変化します。温度による粘度の変化や、最初きれいでも使っていくと汚れていくものです。その結果、液体の電気的、機械的性質が変化していきます。
レベルセンサを選定するにあたって、まず、測定したい液体の特性がどのようなものかを理解し、その液体に対して、最適な動作原理のレベルセンサを選定する必要があります。この選択を誤ると、いかに高品位・高品質のレベルセンサであってもトラブルの原因となるケースが発生します。
下記の表に液体について確認する内容と、レベルセンサを設置するタンクやタンク周辺機器の確認内容、運転開始後に発生する外乱要因、そしてこれらに見合ったレベルセンサはどのような原理なのかを示しました。

レベルセンサ選定表

原理 液体
非導電性液体 低比誘電率 低比重 温度変化大 高粘度 腐食性液体※2
電極 × ×
フロート ガイド × ×
傾斜 ×
ボール × ×
静電容量 スイッチ × ×
連続 × × ×
近接 × × ×
超音波 反射 ×
透過 ×
振動式(音叉) ×
差圧式
レーザ
光式スイッチ ×
ガイドパルス式※1
原理 タンク
金属タンク 樹脂タンク センサ天井取付 センサ横取付 障害物有 減圧タンク 加圧タンク 攪拌有
電極 × ×
フロート ガイド × × × ×
傾斜 × × × × ×
ボール × × × ×
静電容量 スイッチ × × ×
連続 × × ×
近接 × ×
超音波 反射 × × × × ×
透過 ×
振動式(音叉) ×
差圧式 × × × ×
レーザ ×
光式スイッチ ×
ガイドパルス式※1
原理 外乱
付着 汚れ 泡発生 波立 電気的変質※3 機械的変質※3 結露 絶縁被膜
電極 × × × × × × × ×
フロート ガイド × × × × ×
傾斜 ×
ボール × × × × ×
静電容量 スイッチ × ×
連続 × × × × ×
近接 × × × × × ×
超音波 反射 × × × × × ×
透過 × × × × × × ×
振動式(音叉) × ×
差圧式 × ×
レーザ × × × × ×
光式スイッチ × × × × × × ×
ガイドパルス式※1
  • センサ横付けの場合は、プローブを曲げて取り付けることで、対応可能。
  • 腐食性液体については、接触式は材質を選択することで、対応が可能な場合があります。
  • 電気的変質=液体の導電率や比誘電率。機械的変質=比重や粘度。

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