透過式超音波レベルスイッチ

超音波式レベルセンサは、超音波の伝搬現象を利用し、その伝搬時間の測定や減衰の検出によって動作するレベルセンサで、反射式と透過式に大別できます。
反射式は、空中に発信した超音波が測定対象面から反射して戻ってくるまでの時間を測定し距離に換算します。
透過式は、超音波の発信部と受信部を対向配置させ、その間に液体が介在する場合としない場合の超音波パルスの減衰量の変化を検出します。
反射式は非接触タイプですが、透過式は接触タイプになります。
ここでは透過式超音波レベルスイッチの原理や構造などを紹介します。

透過式レベルスイッチは、あらかじめ定められた位置に測定対象のレベルが到達した場合に生ずる超音波の減衰を検出します。検出部がコンパクトで可動部がなく、高温・高圧環境化で使用できるため、飲料用ブレンドタンクや配管内の残量検知としてよく使用されています。

原理

  • 原理

    センサ検出部のギャップ両側内部に発振用、受信用2個の圧電素子を配置して、発振用素子より超音波パルスを発信します。センサギャップが空気中にある場合、この超音波パルスは受信側圧電素子に伝搬しませんが、ギャップ間に液体を介在させることにより、超音波パルスは受信側圧電素子に伝搬します。この変化により液体の有無を検出します。

構造

構造
  • 透過式レベルスイッチの構造を図に示します。
  • 検出部はコンパクトで可動部がなく、高温・高圧にも使用できます。
  • 2線式タイプもあり、負荷を介して電源に接続するだけですぐに使用することができます。

選定方法

耐環境性

使用温度、使用圧力を確認して使用します。

接液部とそれ以外では使用温度が違うため注意が必要です。

電源電圧

2線式、3線式、フリー電源など用途に合わせて選択します。

注意点

設置環境

超音波洗浄機など超音波の介在する液体や、気泡を多く含む液体など超音波の伝搬しない液体では動作が不安定になります。

付着

センサギャップ間に付着物が堆積すると誤動作する可能性があります。ギャップ間の清掃を定期的に行う必要があります。

まとめ

このページでは、透過式超音波レベルスイッチの原理や構造、選定方法・注意点について説明しました。
それらをまとめると、以下の通りです。

  • 対向配置した発信部と受信部の間に、液体があるかないかを超音波パルスの減衰量で検出する。可動部がない。
  • 検出部はコンパクトで、高温・高圧環境下でも使用可能。
  • センサギャップへの異物の付着、液面の波立ちや泡立ちは、誤検出の原因になる。

検出する液体によって、レベル検査の方法もさまざまです。最適なレベル検査を行うには、それらの特徴を知り、正しく検査することが大切です。
このページで紹介した内容や他のページに記載しているレベルセンサの知識や事例について、1冊にまとめた資料「レベルセンサ ハンドブック」は、下記からダウンロードできます。

レベルセンサ塾 トップへ戻る