静電気発生のようす

実際の静電気の発生原因は、ローラーによるフィルムの巻だし時の摩擦現象によるものや、粘着テープを剥がすときなどの剥離現象、物体の変形・破損や荷電粒子が関係する現象などさまざまです。下図のように、生産現場では様々な工程で主に摩擦・剥離を繰り返すことが原因で、多くの静電気を発生しています。

静電気が発生する主な原因の図

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摩擦帯電

摩擦帯電とは、接触面が擦り合わされることで、1.絶縁体間、2.絶縁体ー導体間、3.導体間で起こる帯電現象です。

帯電量は、接触帯電に比べてはるかに大きくなります。これは、摩擦により表面の凹凸が擦り合わされることと、新しく摩擦される面積が増加すると考えられます。つまり、摩擦表面はいつも正確に同じ場所ではなく、現実的にはその位置は微妙にずれているため、この新しい接触面積の増加によって帯電量が増加します。また、摩擦時に表面の材料の汚れや経時により変質した表面が削られることで、接触表面が新しくなることも考えられます。その他、摩擦による表面物質の破壊による温度上昇も、帯電現象に大きな影響を与えます。

物体同士の摩擦時には、摩擦された表面から電子、イオン、中性分子が放出されます。この現象を「トライポミッション」と呼び、摩擦した直後から電子放電現象が長く続くことになります。

先述の接触帯電は、異なった物質同士により起こる現象であり、まったく同じ物質同士で電荷が発生することはありません。ただし、大きさの違う同じ物質同士や表面が異なった条件(粗面対平滑面など)での摩擦によっては帯電することになり、これを非対称摩擦と呼びます。

雲の中にある大きさの違う氷の粒子が摩擦により、静電気放電つまり雷を発生させる現象が、この非対称摩擦によるものです。

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剥離帯電

剥離の速度と帯電量の関係概念図

接触している物体を剥離(分離)させるとき、例えば、粘着テープを剥がすときや液晶ガラス基板から保護フィルムなどを剥がすときなどに、強い帯電現象が起こります。

この現象は、先述の「接触帯電」と同じなのですが、剥離(分離)の動作により帯電することから、一般的に「剥離帯電」と呼びます。

この場合、密着度が高いほど電荷密度が高くなり、大きな電気放電を発生させます。

また、帯電量は剥離速度に依存します。図で示すように、剥離の速度が遅いと小さい静電気放電が継続して起こるので電荷量は少なく、剥離速度が速いと静電気放電が押さえられるため、帯電量が増加します。

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誘導帯電

誘導帯電は、物質が導体である場合に限られて起こる現象です。
ある帯電した物質が導体に近づくと、導体の表面には帯電体と逆の極性が集まります。例えば、プラスの帯電体が導体に接近すると導体内の電子が移動し導体の帯電体側の表面にはマイナスの電荷が表れ、反対側の表面にプラスが表れます。これは、導体の表面上に集まった電荷の均一化の特性によるもので、この現象を「静電誘導」といいます。

この状態で導体を接地(アース)すると、誘導された帯電体と同じ極性の電荷は、導体から押しやられ、下図のように接地により供給または吸収され、導体には帯電体と逆極性だけが残ることになります。そこで接地を外し、2つの物質を離すと、導体は帯電と逆の極性に帯電した状態になります。
これが「誘導帯電」といわれる現象です。

誘導帯電図

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分極

導体を接地したときの電子の様子

今度は帯電した物質に絶縁体を近づけたり、電極を挟んで電圧を加えると、絶縁体は電気を通さないため電子は移動できず、電気的な力により分子の配列が変化します。つまり、物体のある部分はプラスに他の部分はマイナスに帯電し、その物体の総帯電量がほとんど0Vであるような帯電状態(双極性帯電)が生じています。

この現象を「分極」といい、この場合は、見かけ上は誘導現象のように見えますが、実際は接地をしても電子の移動はなく、誘導現象のように帯電を発生することはありません。

それ以外には、個体に力を加えて曲げたり変形させることで(例えば髪の毛を指でくるくるまるめるような動作など)帯電することがあります。これは変型や破壊による帯電現象で、力を加えることにより物体表面に電荷を発生し、帯電することがありますが、動作を停止すると電荷は自然になくなります。

これは静電気にはなりませんが、発生した電荷が周辺空間に存在する電荷を引きつけることがあり、新たに加わった電荷は消滅することがなく、静電気になることがあります。

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