株式会社ワイズマート

株式会社ワイズマート 管理本部 情報システム部 課長/店舗サポート部 マネージャー 前島 広併氏 に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「恵方巻など催事商品の値引きや廃棄の管理にも、KIによるデータ分析を活用しています」

株式会社ワイズマートについて

株式会社ワイズマートは東京、千葉、神奈川などで42店舗を展開しているスーパーマーケットです。プライベートブランドも60品目を展開しています。

創業 昭和44年
年商 499億円
従業員数 633名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

課題・活用状況・効果

導入前の課題

  • ・従来は現場からのデータ閲覧要望に対して、自社開発のシステムを使用していたが、迅速性、柔軟性を考慮しKIに切り替え

活用状況

  • ・来店顧客数、販売数、時間帯ごとの値引き状況などを分析
  • ・恵方巻など催事商品の昨年の入荷量、実売量、廃棄量などのデータを分析し、廃棄の最小化を図る
  • ・各店舗での商品ごとの販売数、単価、最終販売時間帯、値引き発生率、最終廃棄率などを、「ベストレポート」として把握
  • ・役員会議の30分前に分析依頼を受けて、会議までに分析結果を見せることも可能に

KIへの評価、導入効果

  • ・月2回程度、「基礎編」と「実践編」という形でKIの社内学習会を開く
  • ・データ分析の速度は大幅に向上、分析対象のテーマは多岐にわたる

各店舗の要望に対応し、分析テンプレートを用意

ワイズマートでは、KIをどのように活用していますか?

KIは情報システム部がテンプレートを用意し、それを各部門の担当者が、自身の業務にあわせてデータを取捨選択して活用しています。

テンプレートでは、各店舗の要望に沿う形で、来店顧客数、販売数、時間帯ごとの値引き状況などが把握できるようにしています。最近は天候のデータも取り入れ始めました。

KIは展示会を通じて知りました。その後、社長をはじめ経営陣も関心を示し、体験会でデモを見て導入に至りました。

従来は各店舗など現場からのデータ閲覧の要望に対して、自社開発のシステムを用いて応えていましたが、迅速性、柔軟性を考慮してKIに切り替えました。多店舗展開のスーパーという業態では、毎日、多種多様な商品を各店で大量販売するので、データの「量」は膨大になります。分析対象となるデータは、対前年比を把握するために、1年分に2か月を加えた直近14か月分を保管しており、これだけで5000万件程度のデータ量になります。この多量なデータを適切に処理するために、KIでデータを吸い上げる際は、KIのワークフロー上で前処理・加工する、あるいはインポート前に取り込むデータ自体の取捨選択をおこなっています。

ワイズマートでは、立地特性が近い複数の店舗をグループ化しており、店舗の従業員がグループごとに注力商品を企画します。それら注力商品の販売状況を、マトリックスや要因ツリー機能などを使い把握しています。

また、販売コンテストのような社内イベントもおこなっています。この時、各店の従業員が、自・他店舗の販売状況を知るためにKIのデータを見ています。ランキング順位が日次で把握できるのは、よりスピード感をもって対策を打つという観点で、非常に便利です。

KIは20~30名が定常的に使っており、おおむね社内に定着した感があります。データは店長のみならず、各店舗の売り場の担当者も見ています。「マトリックス機能を使って、ここをこう見て」のような会話も日常的にできます。

この他、恵方巻など催事商品のロス管理にも、KIによるデータ分析が活かされています。

恵方巻の販売の最適化、廃棄の最小化を図る

具体的にどのように分析しているのでしょうか?

たとえば恵方巻であれば、昨年の入荷量、実売量、廃棄量などのデータを分析し、なるべく廃棄を少なくするよう今年の方策を考えます。

廃棄を防ぐ方策として一般的なのが値引きですが、このときも過去のデータを参照し、値引き金額と実売量の相関を把握しながら、今回の値引き額を決める参考情報とします。

とはいえ過去5年のデータを横並びで分析しようとしても、売り上げは曜日と立地に大きく左右されるものです。たとえば駅前店では、恵方巻は平日の金曜日の夜間に大量に売れる一方で、日曜日には売り上げが激減します。データ分析の際は、これらの曜日や立地の影響なども織り込む必要があります。

また恵方巻といっても、海鮮太巻き、エビ、サーモン入り、肉入りなどさまざまあり、安易にひとまとめにすると、実売時に類似商品間でカニバリを起こすこともありえます。そうした事態を起こさないよう、分析時には商品のカテゴリ設定を適切におこなうことが重要です。

商品カテゴリの設定といってもPOSで使うマスターデータを変更する必要はなく、KI側で、複数商品をグループ化すればよいわけで、これは柔軟性が高く便利です。

店舗ごとの売り上げ状況を正確に、スピーディに捉える目的で、ベストレポートというものもつくっています。これはどんな商品が、いつ、どのように売れたかを、売り上げ順で把握できるレポートです。特定商品の販売数、一品単価、最終販売時間帯、それに伴なう値引きの数、発生率、最終廃棄率などもわかります。最終販売時間帯が早期の場合は、高い確率で欠品、機会損失があったと推測できます。

東京の瑞江店でいえば、瑞江店は精肉が非常に強いお店で、上位3品はほぼ常に精肉です。しかしその情報は農産部門の人が見る場合は、ある種のノイズとなります。そこでフィルターをかけ、自分の知りたい情報だけを浮かび上がらせます。

スーパーマーケットの売り場は大きく、加工食品、日用品などナショナルブランドの製品を中心とするグロッサリー部門と、野菜、魚、肉など生鮮部門に二分されます。両者の売り上げ構成比は、しばらく前まで6対4でグロッサリーが優位でした。そうした要因もあってか、当社の店長は大半がグロッサリー出身で、店長がグロッサリーの現場担当を兼務することも珍しくありません。ただこうなると、どうしても店長の関心がグロッサリーに偏るという副作用があります。

さらにいえば直近は当社の生鮮強化の方針もあり、グロッサリーと生鮮の売り上げ比率が徐々に逆転してきています。このように時代の移り変わりに伴なう需要の変化に対しても、過去の実績にとらわれずに柔軟に対応していく姿勢が求められます。

ここにおいても、KIを通じてデータを見ることが役立ちます。日々データに触れることにより、自分の偏った関心が中和され、グロッサリーと生鮮食品の両方にバランスよく関心を持つことができます。実際にKIを導入し、商品全体を俯瞰できるようになった効果もあってか、店舗の平均売り上げは着実に伸びています。

当社では取引先を招いて、定期的に協議会を開いています。こういった場で公表する資料もKIで作成されているデータが有効活用されています。昨年開催した当社社員とお取引先様を招いたフォーラムでは、KIの紹介を交えながら、データの民主化を進める事を目標として宣言させて頂きました。

KIは頼れる相棒

KIの社内での運用状況について、詳しく教えてください。

KIの運用ですが、過去に販売現場から情報システム部門に異動になった社員がいて、今はその人に中心的に任せています。KIはコーディングも不要であり、かつデータ分析はその人の現場での経験を生かせる格好の題材といえるからです。販売現場からは以前から「こんなデータが見たいんだけど」という要望が大量にあり、従来はそれを一人でなんとかさばいていましたが、今はKIという武器と2名体制での対応により、対応力が大幅に増しました。

KIは、バージョンアップを通じて機能も着々と向上していると実感します。新たに分析テーマを立ち上げた際にも、1テーマの分析を20分でこなすことも可能です。これはExcelファイル1個を何時間もかけてつくるよりはるかに早い。

KIを導入したことで、社内会議向け資料の作成速度は大幅に向上しました。場合によっては、会議の30分前に分析依頼を受けて、その会議までに分析結果を見せることも可能になりました。現場担当者は、最新のデータを前提とした議論となり、意思決定のスピード感や質の向上につながっているといえます。

最近では、現場社員からも「KIを使って自分で資料を作りたいのでやり方を教えてほしい」と頼まれることがあり、電話でそのままレクチャーをおこなうこともあります。実を言うと、こちらで作ってしまったほうがレクチャーするより短時間なのですが(笑)、ともあれデータ分析の「自走文化」が社内で芽生えてきたのはよいことです。

KIはワークフロー機能を使えば「以前やったデータ加工が再現できる」のがよいですね。これにより、いちど苦労して確立したデータ分析プロセスが、使い捨てにならずにすみます。Excelですと、何か微細なミスなり変更点があったとき、「え、これぜんぶ作り直し?」ということもありえますが、KIなら、あらかじめ作りこんだ箇所に、新たな処理を挟みこむことも簡単にできます。また、ここの処理はなぜこうなったのかなど過程の情報も、すべて見える化されており、他人が作り込んだ分析フローでも、後からでもわかりやすく、時間をかけずに理解することが可能です。実際に、会議資料用に毎月作成していたExcelのデータをKIに置き換えただけで資料作成の負担が軽くなった、という社員もいます。

月2回程度、「基礎編」と「実践編」という形でKIの社内学習会を開いてます。基礎編の方は、KIにログインさえしたことがない、パソコン操作も不得手であるといった社員向けの内容で、「まずログインしてください。するとこんな分析データが見られます。こういう所を日々見ていけば面白いですよ」「キーエンスのサクセスサイトにも登録してくださいね。使い方が動画でわかりやすく説明されていますよ」といった形でKIの紹介をおこなっています。

実践編は、もう少し目的をはっきりさせてデータ分析に取り組ませるような形です。目標を一個用意して、それができたら、はいその次、のような形で段階的に学習していきます。

最近は店長会議の場においても「来月までにこういうことをやってきてください」といった形で課題を出したりしています。会議の1週間前に各店舗の進捗を見て、停滞やつまずきが生じている場合は、メールで方法を教えるなどして支援しています。

KIは私たちにとって、頼れる相棒、ですね。今まで自分が一人でやっていた作業を相棒として一緒にやってくれ、しかもスピード感やその質においても、はるかに向上している印象です。これからもKIを活用しデータ分析を深化させ、さらに企業価値、顧客価値を高めていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社ワイズマート

「正しい数字を使い意思決定すること、同じ数字を使うことで部門の壁を越えることを目指し、KIを導入しました」

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