株式会社ジップ

株式会社ジップ 基盤本部 本部長 総合支援部 部長 取締役 茅野 浩道氏、ベネッセ・フルフィルメント事業本部 ベネッセ物流サービス事業部 係長 難波 猛氏、HRP事業本部 係長 大森 健次氏、HRP事業本部 野上 愛里氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIを活用し、人材紹介事業への活用、教材発送量の最適化、在庫管理の精緻化などに取り組んでいます」

株式会社ジップについて

株式会社ジップは、ベネッセグループを主要取引先として、フルフィルメント、発送代行、ダイレクトマーケティング、受注支援、企画販促、人材紹介などを事業範囲とするソリューション企業です。岡山を本拠とし、その他、埼玉、福岡などに拠点を展開。健康食品、化粧品など通販業の支援に強みがあります。

創業 1991年
年商 182億
従業員数 2439名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・効果

活用状況

  • ・フルフィルメント事業、人材紹介事業の2分野で社内80名がKIを活用
  • ・人材紹介事業での募集人材との面談では、 Web面談のデータをもとに人材の動機付け度合いをAI判定に活用
  • ・出荷量に基づくABC分析をおこない、教材発送の受注予測、在庫管理の精緻化を実施
  • ・出荷頻度が高いアイテムは出荷動線に近い場所に配置するなど、分析結果を現場行動に反映
  • ・売上、利益、予実比較、改善提案の件数など、基盤系のデータを全社に公開する集計基盤としてKIを活用

導入前の課題

  • ・データマーケティングのスキルを上げ、データ分析などDX施策を自社の新たな強みにすべくKIを導入

KIへの評価、導入効果

  • ・KIでは毎月データを追加するだけで自動更新され、運用の簡単さを実感し、評価
  • ・要因ツリー、ダッシュボード、AFE(機械学習)、ターゲットリスト、リストビュー、グラフなど、KIの機能を幅広く活用

フルフィルメント事業の業務効率化にKIを活用

ジップではKIをどのように活用していますか?

KIは、ベネッセグループ向けのフルフィルメント事業と、人材紹介事業の2分野で活用しており、現在、社内約80名がKIを参照しています。

まずフルフィルメント事業。当社では、進研ゼミなどベネッセの教育事業に関し、教材などの梱包、発送を請け負っています。KIのAFE(機械学習)機能を使って、教材発送の受注予測、在庫管理の精緻化をおこないます。最終的には教材製造側のベネッセに向けて、生産量そのものを提案できるところまで分析を精緻化していければと考えています。

発送に際し、余った教材製品は、最終的に廃棄しますが、その処分費用がおよそ1億円にも及んでいます。データ分析を通じ商品廃棄の抑制を図ります。

出荷頻度が高いアイテムは出荷動線に近い場所に配置する、あるいは在庫の持ち方自体を改善して出荷効率を上げる、あるいはエリアを圧縮するなどの施策を実施していきます。

ABC分析の基礎、シグマ分析、構成率で考えるわけですが、たとえば100アイテムあって、その中で各アイテムが何番目に位置するのか見出し、まず上位アイテム、構成率が高い部分をリスト化します。さらにそのリストをタブレットなどに取り込み、現場に持ち込んでアイテムを分別するなどして分析結果を施策化します。分析してそれで終わり、ではなく現場行動の改善に結び付けることが非常に重要だと考えています。

業務の工数管理にもデータ分析を活用します。従来から、各業務の開始・完了ごとに記録をとるなどしてデータを蓄積していましたが、このビッグデータをKIで分析し、要員配置に反映するなどして工数を最適化します。

この他、発送物の封入に際し、この回は5人を要し、あの回は8人を要した、などの形で難易度ごとの必要人数を記録しています。このデータを分析し、新たな封入業務が発生した時、それに最適な人数を導出、配置し、人員の余剰配置を防いでいきます。

資料の未着・誤着の管理にも取り組みます。教材などを送付し、それが何らかの理由によりお客様に届かなかった状態のことを「未誤着」と呼びます。未誤着が起きると、お客様からコールセンターへ問い合わせが入りますが、この対応の生データが毎月2万件、蓄積されています。これをKIで分析し、オペレーションの改善につなげます。

人材紹介事業では面談数が従来の4倍に

人材紹介事業では、KIをどのように使っていますか?

人材紹介事業『ZIPWAY』では、主に人材の応募、募集、面談に至るまでのデータを収集、分析し、業務改善に役立てています。

特に募集人材との面談では、その人が面談後にどの程度、働きたいという意欲を持ち、動機付けがなされたかについて、Web面談などの内容を書き起こし、それをもとにAI判定していくことを検討しています。

また求人広告で、どんな言葉を広告に入れれば募集数が多くなるかを分析し、この地域ならこの言葉を入れれば応募が何パーセント増える、などの形で情報を定量的に把握し、業務に付加価値を加えていきます。

面談なしに成約には至れないので、面談数の管理も重要です。従来は年代まで深堀りして考えておらず、面談が20代に偏っていました。そこを30代に広げていけば面談設定数もおのずと増え、成約も増えます。現在、面談設定数は4倍に増えました。これはまさに、データを見て深堀りできたことの成果といえるでしょう。

この他KIは、全社の売上、利益、昨対同期の比較、予実比較、改善提案の件数など基盤系のデータを全社に公開する、その集計基盤としても活用しています。今後は損益分析も充実させていきます。

データ分析を自社の新たな強みにすることを目指す

今回KIを導入した経緯を教えてください。

データ分析などDX施策を自社の新たな強みにすることは、かねてから社内で取り組むべき課題として認識されており、KIはその方針によく合致していたため導入を決めました。またデータ分析には、現業に加え、将来の人材育成にも役立つ可能性を感じました。

現在、KIと並行してマーケティング・オートメーション(MA)によるデータマーケティングも推進しており、そこで分かった知見とKIの分析結果を見比べながら学びを深めています。データマーケティングのスキルを上げていくことも、KI導入の目的の一つでした。

現場の勘と感覚をデータ分析を使ってより精緻に

KIを現場にどのように浸透させていますか?

現場では管理者ごとに自分の「現場感覚」というものがあります。管理者同士8割の部分では共通認識を持てますが、残り2割については各人の認識、経験値のズレ、食い違いによりコミュニケーションの齟齬が生じることがあります。これを防ぐためにも、勘と経験だけに依存するのではなく、データを基に精緻に議論していくことが重要です。

「ここは以前からこうだった、いや最近はこういうことが多い、あるいは少ない」など、個人の感覚だけに頼るのでなく、数値で把握し数値で議論する。その上で、このアイテムはここに置く方が作業効率が上がる、というように実際の行動改善に結び付ける。数値を使って改善を積み重ねれば、現場の納得度も自ずと担保できます。

データ分析を通じ、従来の「納得感」「感覚」のかわりに数値が業務の指標になりました。その数値を通じて、社員が同じ方向を見て、それが改善への近道となります。事実をもとに会話することの強みですね。

管理職の方でも、「自分の経験値だけにとらわれず、データに基づいて考え、データに基づいて指示を出す」そんな行動変化が始まっています。

データファーストで企業価値を高める

KIへの評価をお聞かせください。

とても使いやすいツールですね。一度設定すれば、あとは毎月ただデータを追加するだけでよく、運用は非常に楽です。

AIアシストについては、いったん分析を終えた後に「やはりこういう形でデータを見たい」とあらためて意向が生じたとき、その内容を入力して聞く、といった使い方をしています。ワークフローをつくるとき、数式を打ち込むとき、助かります。

要因ツリーも目に分かりやすく、操作も簡単ですね。とにかく使ってみれば、それだけである程度、原因、要因を簡単に把握できます。ダッシュボード機能もいいですね。AFE、ターゲットリスト、リストビュー、グラフなども使っています。エクセルからの脱却も目標の一つです。エクセルにできることはきっとKIでもできると考え、とにかく試しています。

データサイエンティストは私たちの事業への理解度も深く、こちらが1、2だけ言っても、10理解した提案が出てくるのは素晴らしいですね。

今後の展開ですが、やはりこういう業種なので、データファーストで仕事を進めていこうと全社に発信しています。データ中心の考え方ができる人材を増やし、データ文化を社内に根付かせていく。それが結果として顧客へのより良い提案につながり、企業価値を向上させていく。そんなDX化を目指しています。今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社ジップ

「正しい数字を使い意思決定すること、同じ数字を使うことで部門の壁を越えることを目指し、KIを導入しました」

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KI(データ分析ソフトウェア)の商品概要、特長、活用事例などをまとめた資料です。

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