東洋アルミニウム株式会社

東洋アルミニウム株式会社 箔事業本部 事業戦略チームリーダー 廣木 健一氏、コーポレート部門 ITマネジメントユニット 開発・運用チームリーダー 坂野 善彦氏、同部門 経営戦略ユニット 経理チーム 友永 晃介氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「正しい数字を使い意思決定すること、同じ数字を使うことで部門の壁を越えることを目指し、KIを導入しました」

東洋アルミニウム株式会社について

東洋アルミニウム株式会社は、日本軽金属グループの中で主にアルミ箔、アルミパウダー・ペースト製品を事業分野としており、世界有数のシェアを誇ります。

創業 1931年
年商 611億9000万円
従業員数 2558名(連結)

(2024年3月期)

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・効果

活用状況

  • ・営業部門、経理部門、そして製造部門の計30名~ 40名で活用
  • ・営業、経理、製造など異なる部門の間を「数字でつなぐ」ことを目指す
  • ・BIは定型レポート出力、KIは小回りの利く分析に使う
  • ・まず分析の「たたき台」を作り、それを現場が小回りの利く形で分析

導入前の課題

  • ・KI導入の目的は「正しい数字で意思決定をする」こと
  • ・従来は正しい数字が会社の中で定義されておらず、抜けや漏れ、食い違いの懸念があった

KIへの評価、導入効果

  • ・数値情報を、そのときどきの「点」としてではなく、ひとつながりの「線」として把握できるようになった
  • ・Excelのピボットテーブルの感覚で、分析データを誰でも扱える簡単さ
  • ・分析の方法論さえ確立すれば、あとはKI内部で自動更新が可能に

「正しい数字で意思決定をする」ことを目標に、KIを導入

東洋アルミニウムでは現在KIをどのように活用していますか?

KIは現在、営業部門、経理部門、そして製造部門の計30名~40名で活用しています。導入時にまず全社横断的なワーキングチームを設立し、その後、営業、経理、製造と3 ~ 4か月ごとに部門展開しました。

KI導入の目的は「正しい数字で意思決定をする」ことです。

共通のツールを皆が使うことで、認識齟齬を排し、共通の定義に基づいて数字を出し、その「正しい数字」をもとに意思決定する。そんなあり方を実現していきます。

また「経験、勘、度胸からの脱却」も大きな目標です。正しい数字をもとに大きな分析を通じて勘所をつかんだ後は、現場に近いところで細かいデータ分析を自走させていきたいと考えています。

さらにKIには「部門と部門を数字でつなぐ」という役割も期待しています。

営業、経理、製造を「共通の数字」でつないでいく

「部門間を数字でつなぐ」とは具体的には?

製造と経理の両部門での共同活用例としては、たとえば製造がどういうサイズでどういうものを作り、どう出荷しているかの分析、あるいは経理側に蓄積されている製造所ごとの購買データについて、工場からの希望、要望に基づいてデータを作り、それを経理側の発想、切り口で分析することなどがあげられます。経理と製造が「同じ数字で考える」、そんな連携が実現してきています。

営業部門と経理部門が同じツールを使い、同じ数字を見ていけば、会社全体に正しい数字で意思を決定する文化が根付きます。たとえば営業部が「得意先別の粗利を出そう」と考えたときも、経理部門の協力があれば円滑に実現します。

KIには、「営業と経理の数字の認識ギャップを埋める」という役割を期待しています。

BIは定型レポート、KIは分析

現在、他のBIツールもKIと並行して活用していると聞きました。
どのように使い分けているのでしょうか?

現在、KIの他に、あるBIツールを併用しています。BIで扱っているデータは、KIと同じく売上、原価、利益などです。
ただBIツールからの出力だけでは、結局、定型レポートを超えることがなく、分析が行き届かない部分があります。

もっと細かく知りたい、ここだけ深掘りしたいというときはKIの方が柔軟性であり、より知りたい・把握したい内容に最短でアプローチできる感覚があります。またAFE(機械学習)機能などで特徴量が示されることもKIならではの気づきや判断につながっています。

KIなら分析の視点、軸、切り口を柔軟に変更できますが、BIではそうした部分は基本的に固定されています。この大きな違い、すみわけがあるので、BIに加え新たにKIを入れるとなったときも、社内で異論は特に生じませんでした。

「誰に使わせるか」をあえて選り好みせずに、導入を推進

KIを導入した経緯を教えてください。

KIは役員からの紹介を通じてはじめて知り、その後、説明を受けた後、社内で検討、協議した結果、いまデータ分析を推進する上で、足りていない部分、開いている穴のような箇所が、KIの導入を通じて埋められるのではという話になり、一度、使ってみようという結論にいたりました。

また、KIを誰が使っていくかについては、最初の段階から「選り好みしすぎない」ことに留意しました。データ分析というと、つい「ITリテラシーの高い社員」に着目しがちです。しかし過去にRPAを導入したときの経験では、フタを開けてみれば、いちばん使いこなしているのは、通常イメージする「ITリテラシーの高い社員」とはまた異なった属性の社員でした。

そのような経験から、まずは営業部門の全員を対象にKIの勉強会を実施しました。勉強会は東京と大阪で開き、地方の社員はリモートで参加しました。このときキーエンスの方にも同席いただきました。

ひとしきり基本的な操作方法を伝えた後は「20分間こういうテーマで自由に触って分析してみてください」と課題を出しました。その課題への取り組みを見ていけば、KIを使いこなしていきそうな人材像がおのずと浮き上がります。

KIは「使わせる」というよりむしろ「たたき台を提示する」という方針で浸透させています。たとえば、新たに可能になった分析手法を告知、提示すると、営業部門から「その分析データに製品ごとのユニーク番号をつけてほしい」など現場ならではの要望が出てくる。そして、できるだけスピード感をもってその要望に対応する。この繰り返しを通じて、現場の需要に沿ったデータ分析のかたちをつくりあげていきます。

製造現場からも、こんな分析がしたい、これを付け加えてくれと要望が大量にでてくる。それをふまえ、おおまかなかたちを提示すれば、あとは現場が自分たちの感覚でどんどん工夫を重ねていく、そんな良い流れができてきました。

また数字を細かく捉えられるようになった。たとえば「得意先別の粗利」という視点。これを把握することができれば、得意先のうちどこが順調で、一方、どこがテコ入れ必要なのかが把握できる。「正しい数字」が部門に流れ込んでくることで、新しい判断基準が確立してきました。

この他、数字がちょっと下がってきているといった感覚があるとき、あらためてデータを確認して、その感覚を検証し、さらに原因を探っていく、そんな分析も可能になりました。

当社はルート営業、リピート注文が中心のBtoB業態ですが、その中で不調の原因を個別案件の失敗でなく、全体的な傾向に基づいて分析するのは、営業現場にとって新鮮な取り組みとなっています。

今まで捉えていた数字は、そのときどきの「点」の情報でした。それがKIの活用を通じ、ひとつながりの「線」として把握できるようになった。これは大きな変化です。

分析の省力化と質の向上を同時に実現

KIへの評価をお聞かせください。

KIはデータを分析する機能としては、AFE(機械学習)機能などAIで特徴量を抽出する機能がやはり優れています。簡単なやり方さえ覚えれば、自分の出したいデータをすぐに出せます。Excelのピボットテーブルの感覚で、分析データを扱える点も良いと思います。

分析結果を見る側にとってもKIはシンプルです。ダッシュボード機能も搭載されており、こちらも社員への浸透や定着といった観点で、とてもわかりやすくて良いですね。

この他、KIの導入により「データをExcelにいったん投入し、それからExcel内で加工」という工程がなくなりました。またExcelで資料を作った場合、見られるのは集計の「結果」だけですが、KIなら要因ツリーなどの機能を使い「過程、内訳」もドリルダウンで表示できます。

経理部門で売上や経費の実績と予算との対比分析、そして各部門に配布する資料作りなどについても、いったん方法論が確立されれば、あとはKI内部で自動更新できます。

従来は分析資料の質が作業者の作成能力に左右されていました。しかし現在はKIにより、資料の質が高いレベルで平準化されました。KIの導入により、省力化と分析の質の向上が同時に実現しました。

KIはサポートも非常に充実しています。各部門にKIを段階的に広めるとき、キーエンスの伴走支援はとても役立ちました。まずこちらがコンセプトを伝え、それからキーエンスがたたき台を作り、実際に分析しながら形を整えていきました。キーエンスが作ってくるたたき台は、ヒアリングがしっかりしているせいか、いつもこちらのイメージどおりで、「ズレがない、よくわかっているもの」が出てくるのがすばらしいですね。

データ分析を「当たり前のこと」に

東洋アルミニウムの今後の展望をお聞かせください。

データ分析を「当たり前のこと」にしたいですね。

「データ分析」というと字面だけでもハードルが高いですが、そうでなくExcelと同じ感覚の当たり前の業務、全員がPC上で普通にKIを開いて自分の仕事を分析している、KI導入の目的である「正しい数字で意思決定する」は、そのように実現すると考えています。東洋アルミは今後もお客様に感動を与え、社会に有用で環境にやさしい製品・サービスの提供を目指してまいります。キーエンスには、ひきつづきデータの活用について、高い技術、製品、サポートを通じて支援いただくことを希望いたします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

東洋アルミニウム株式会社

「正しい数字を使い意思決定すること、同じ数字を使うことで部門の壁を越えることを目指し、KIを導入しました」

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