ねじの種類
「ねじ」とは、物を締め付けるために付けられた、表面に一様な、らせん状の切り込みをいいます。そして、表面にねじがあしらわれたボルトやナット・小ねじ、さらにねじを緩みにくくする座金や割ピンなどを「ねじ部品」といいます。
ねじの種類には、切り込みの形状や構造の違いから「三角ねじ」・「台形ねじ」・「角ねじ」・「ボールねじ」があり、それぞれの用途があります。また、上記以外に右に回せば閉まる「右ねじ」、左に回せば閉まる「左ねじ」があり、左ねじは「逆ねじ」ともいわれます。
三角ねじ
ねじ山が三角形のねじです。緩みにくいので、締結用に使用されます。メートルねじ・ユニファイ(インチ)ねじ・管用ねじなどがあります。このうち、ねじ山の角度はメートルねじとユニファイねじは60°、管用ねじは55°です。メートルねじとユニファイには細目ねじと並目ねじがあり、一般に細目ねじは並目ねじに比べて肉厚の薄い部品の締結に向いています。
- 三角ねじの種類と特徴
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種類 特徴 用途 メートル
ねじメートル並目ねじ 緩みにくい 締結用ボルトなど メートル細目ねじ インチ
ねじユニファイ並目ねじ ユニファイ細目ねじ 管用
ねじ管用平行ねじ 緩みにくい
気密性が高い管の接続など 管用テーパーねじ
台形ねじ
ねじ山が台形のねじです。ねじ山の角度は30°、三角ねじに比べて摩擦力が低く、締結には向きません。一方、製作が容易で高精度な加工が可能です。またバックラッシが小さく、強度が高いため工作機械の送りねじに使用されます。
- A:めねじ
- B:30°
- C:おねじ
角ねじ
ねじ山の角度が90°のねじです。摩擦力が小さく精度も低いのですが、大きな伝達力を持つため、万力やジャッキに利用されます。
- A:めねじ
- B:おねじ
ボールねじ
おねじとめねじの間にボールが入ったねじです。ねじが直線運動するときに、ボールが軌道から脱落しないようボール循環部が設けられています。このため、本体が大きくなるという問題がありますが、ボールが転がるため他のねじに比べて摩擦力とバックラッシが小さいという特長があります。
この特性を利用し、工作機械の精密な位置調整に利用されます。