自動溶接の概要

ここでは、自動溶接の種類「FAにおける自動溶接」「ロボット溶接」について解説します。

自動溶接の種類

自動溶接の方法には、自動溶接機による「自動溶接」と、ロボットが溶接を行う「ロボット溶接」があります。自動溶接は、溶接を工場のラインで連続的に行う溶接法です。そして、それを発展させ、ロボット技術を用いてより高度な溶接も自動で行えるようにした溶接法がロボット溶接です。さらに、自動溶接やロボット溶接により向上したタクトに応えるため、レーザー光を使った変位計による検査工程の自動化も合わせて進歩を続けています。

自動溶接の種類 用途 溶接法
自動融接 自動車やバイクなどの車体やフレーム、部品、建材の組み立てなど アーク溶接(ティグ溶接、マグ溶接、ミグ溶接、プラズマ溶接)、レーザー溶接
自動圧接 自動車やバイクのフレーム、金属部品の組み立てなど 抵抗スポット溶接
気密性の高いタンク、配管など シーム溶接
自動車や航空機、電車車両の外板や床材など 摩擦攪拌接合(FSW)
自動ろう接 電子基板、電装部品など 電子ビームはんだ付け
冷却装置の配管、バルブ、自動車やバイクの細部 炉内ろう付け、電子ビームはんだ付け

この分類は一例です。分類にはさまざまな手法があり、必ずしも上の表のとおりとは限りません。

FAにおける自動溶接

「自動溶接」とは、「操作者が常時操作しなくても連続的に溶接が進行する装置を用いて行う溶接の総称」とJISにより定義されています。
FA(ファクトリオートメーション)においては、手作業による溶接に代わり、インラインの自動機がプログラム通りに溶接を行うことで、タクトアップと量産の効率化を実現します。コネクタなど電装部品のライン製造におけるスピーディな接合に、自動スポット溶接機や自動接点溶接機などが用いられます。

ロボット溶接

「ロボット溶接」は、多軸化したロボットアームを活用し、入り組んだ位置や複雑で精密な溶接線の溶接を行うことができる、自動溶接を発展させた溶接技術です。自動溶接機との違いについて、JISでは、ロボット溶接を「産業用ロボットを用いて行う自動溶接の一種。ロボットアーク溶接、ロボットスポット溶接などがある」と定義しており、産業用のロボットについては、「自動制御によるマニピュレータまたは移動機能を持ち、各種の作業をプログラムによって実行でき、産業に使用される機械」と定義しています。

溶接ロボットの一例
溶接ロボットの一例

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