中外製薬株式会社

中外製薬株式会社 オンコロジー製品政策部 政策推進G ⼩⼭ 景⼦⽒、マーケティング企画部 戦略推進グループ 副部⻑ 逢坂 誠俊⽒にKIを導⼊した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「天気予報のようなデータ分析を目指しています」

中外製薬株式会社について

中外製薬株式会社は⽇本を代表する製薬会社の⼀つです。特にオンコロジー(がん)領域で強みがあり、国内で売り上げ⼀位。バイオ領域でも存在感を⽰しています。

年商 5,798億円
従業員数 7,432名
創業 1925年

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

営業改善のためのデータ分析

中外製薬では、KIをどう活⽤していく予定ですか?

逢坂⽒: 中外製薬ではKIを営業データの分析に活⽤していきます。特に活⽤が活発なオンコロジー(がん)部⾨での取り組みについて説明します。
⼩川⽒: 私が所属する製品政策部では、オンコロジー製品の市場展開戦略を定めています。実際の医療現場での活動は営業部⾨(MR)がおこないます。1200⼈以上のMR※が、全国各地の医療関係者向けにオンコロジー製品を展開します。
医療⽤医薬品向けの営業でもっとも重要なのが「適切な情報提供」です。「その薬の情報を必要な医療関係者に、相⼿が必要な情報を、相⼿が必要な形式・時間で情報提供すること」が求められます。医療関係者への情報提供の形式は、⼤きく次の5通りです。

※MR(Medical Representatives)医薬情報担当者:医薬品の適正な使⽤に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として⾏う者をいう。「医薬品等の製造販売後安全管理の基準に関する省令」(厚⽣労働省令第135号)より

医療関係者への主な情報提供形式

情報提供の⽅法 形式 管轄
1. 訪問説明MRが訪問して説明する 対⾯⼀対⼀ 営業部⾨全国各⽀店
2. 説明会医局向けに説明会を開いてMRが説明する 対⾯⼀対五、六名 営業部⾨全国各⽀店
3. 講演会専⾨家を招いて講演会を開く 対⾯⼀対数⼗名 営業部⾨全国各⽀店
4. 媒体活⽤医療情報サイトを運営する企業に依頼し、メールを使って情報提供する ⾮対⾯⼀対多 営業部⾨本社
5. Webセミナー⾃社サイトでWeb講演会をおこなう ⾮対⾯⼀対数百名 製品政策部本社

弊社がデータ分析をおこなう⽬的は、「これらの情報提供を最適化すること」です。

データ分析活⽤の3視点

具体的にデータ分析を使って、どのように情報提供を改善していくのでしょうか?

大きくは次の3つの視点で考えています。

  • 1 「リソースの最適配分」
  • 2 「⾃社の活動評価」
  • 3 「既存データの深掘り活⽤」

営業リソースを最適に配分する

視点1. 「リソースの最適配分」とは具体的には?

理想論として、もし営業リソースが無限にあるなら、全国各地のすべての医療関係者に、MRが直接ご訪問し必要な情報をタイムリーにお届けできます。しかし実際は予算、⼈員、時間、いずれのリソースも有限であり、むしろ医療関係者にはMR以外の情報提供を望まれる⽅もいらっしゃいます。そのため、先に述べた5種類の情報提供⽅法について、どのように組み合わせてご案内すると最も効果的に情報をお伝えできるかを⾒いだし、「最適配分」する必要があります。
特に製品政策部としては、⾃らの管轄である「4.媒体活⽤」、「5.Webセミナー」について効率良くお伝えできているのかを把握したい。KIは、こうした分析に有効だと期待しています。

⾃社の活動評価

視点2. 「⾃社の活動評価」とは具体的には?

現在、分析対象となるデータは、「売上データ」「営業活動データ(MRの⾏動データ)」「販促活動データ(製品政策部の⾏動データ)」の3種類です。しかし、これらのデータは「⾃分たちが何をしたのか?」「製品がどのぐらい売れたか」をあらわすものであり、それを分析しているだけでは不⼗分だと感じています。必要なのは「活動評価」、つまり、「顧客である医療関係者に、いつ、どこで、どんな情報をお伝えし、その結果、適正に製品が使⽤されているのか」を知ることです。現状では、どのようなデータを集めてどんなモデルで分析をすれば、当社製品が必要とされているところに適切に使⽤されるよう推進できるのか、すべては⼿探りで模索しているところです。「⾃社の活動評価」が最も重要な分析テーマであることは確実なので、今後も試⾏錯誤を重ね、⽅法論を模索していきます。

既存データの深掘り活⽤

視点3. 「既存データの深掘り活⽤」とは?

営業部⾨にはさまざまなデータが集計されエクセルファイルや独⾃のシステムに格納されています。実績や予算はもとより、アンケートや報告書などテキストデータも存在し、それぞれが独⽴して活⽤されることはあっても、連携した分析を習慣づけておこなうまでには⾄っていません。
逢坂⽒:最初にKIに興味を持ったきっかけが、実はこの社内に蓄積されたエクセルの活⽤です。KIは展⽰会で、はじめて知りました。説明によれば、さまざまなエクセルを関連付けて分析できるという。ならば⾃社に眠る膨⼤なデータを⼿軽に有効活⽤できるはず、これは役に⽴つツールだと思いました。帰社してから各部⾨に呼びかけて、KIのデモを皆で⾒ることにしました。

最初はKIへの関⼼は薄かった

デモの印象はいかがでしたか?

⼩⼭⽒: 私は最初、乗り気じゃなかったんです(笑)。というのも、そのとき別の分析ツール(以下 既存ツール)がもう導⼊されていまして。「なんで、他に必要なの?同じツールが⼆つあっても意味ない。⾯倒になるだけ」と感じました。
でもデモを⾒て、印象が⼀変したんですね。KIは営業⼒の強いキーエンスの製品だけあって、⾮常に「現場志向」のツールでした。既存ツールはとても⾼性能で、やる気になれば何でもできるのですが、しかし、それには、まず使う側が操作に習熟しないといけない、なかなかハードルが⾼い「⽞⼈(くろうと)向け」の製品でした。⼀⽅、KIは、操作画⾯やメニュー体系が、直感的でわかりやすい。コンセプトがはっきりしていて良いと思いました。
データ分析は、営業⽀店も含めた会社全体で取り組むべきものですが、現場社員はデータ分析の「⽞⼈(くろうと)」ではありません。でもKIなら誰でも使えそうです。興味が湧いたので、さらに「こんな機能や、あんな機能はありますか?」と質問すると、⾼確率でその機能があらかじめ備わっている。デモを⾒終わった頃には、すっかり欲しくなりました(笑)。
逢坂⽒: 各部⾨で好評だったので、導⼊を決定しました。現在、使い始めて2ヶ⽉⽬、いくつかの分析に取り組み始めたところです。

祈祷ではなく気象予報を

現在、KIの導⼊を検討している企業に向けて、「先⾏ユーザーとしてのアドバイス」などあればお聞かせください。

とある部⻑から「祈祷師では困る、せめて気象予報⼠になってくれ」と⾔われました。
以前、製品政策部でデータ分析してプレゼンしたのですが、それが、「この営業分析モデルは、きわめて⾼精度で誤差が少ない!」と熱く語るような調⼦だったのですね。すると部⻑から「まるで祈祷師だ。よくわからない」と⾔われました。部⻑はデータ分析を否定したわけではありません。むしろ、データの重要性は、誰より認識しています。でも、営業部⾨は結局、⼈間の集まりであり、いくら分析が正しくても、現場のMRが動かない限り、何も始まらない。その観点でいえば「分析モデルの優秀性」を熱く語られても、まったく「その気」になれないわけです。
「気象予報⼠」とは、要は「営業の天気予報をしてくれ」ということです。天気予報は、100%当たる保証はないにせよ、それでも⼈々が参考にする、価値ある情報です。「明⽇の、あるいは3⽇後、1週間後の降⽔確率」、「来年の夏が暑くなるかならないか」、「台⾵の進路はどうなるのか」、「翌年の花粉の⾶散量はどの程度か」、それら⼤まかな予測を参考に、私たちは⾃分の⾏動計画を⽴てる。営業にとってのデータ分析も、そうあってほしいという要望でした。
BtoBでは営業が重要であり、データ分析は現場の営業担当者の⾏動を変えるものです。なので営業部⾨にプレゼンするときは「分析の正確性をアピールする」のではなく「その分析で、どうMRの⾏動を変えるか」を念頭に置くのがよいと考えます。

今後の期待

キーエンスへの今後の期待をお知らせください。

中外製薬は、今後も優れた新薬の提供を通じて広く社会に貢献していきたいと考えています。キーエンスにはそれら弊社の試みを優れた技術、製品、サポートを通じて⽀援いただくことを期待いたします。今後ともよろしくお願いします。

※この画像はイメージです。

中外製薬株式会社

「天気予報のようなデータ分析を目指しています」

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