現在、大英産業のマンション事業では、過去の見込み客、数万人分の顧客情報が蓄積されています。これに人口や経済指標など公知の統計情報を加え、KIで分析していきます。分析の主な目的は、マンション事業部での「見込み客像の精密な把握による営業強化」と「マンション建設用地の仕入れ力の強化」の2点です。
大英産業株式会社
大英産業株式会社 マンション事業本部南九州事業部 部長 小城原 有氏、マンション事業本部販売戦略準備室 課長 井上 真莉氏、管理本部情報企画部 係長 田原 啓司氏、管理本部情報企画部 主任 石田 巨樹氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。
「KIを使い、マンション販売の営業力と建設用地の仕入力の、両方を強化していきます」
左から、石田 巨樹氏、井上 真莉氏、田原 啓司氏。
大英産業株式会社について
大英産業株式会社は福岡県北九州市に本社を置く総合住宅不動産会社です。主力事業は新築分譲マンション事業です。「サンパーク」のブランド名により、九州・山口でマンション事業を展開し、販売ランキング2位となるなど、好評を博しています。
創立 | 1968年 |
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年商 | 300億円 |
従業員数 | 285名 |
※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。
KIの用途
大英産業では、KIをどのように活用していますか?
営業面での活用目的
目的1. 「見込み客像の精密な把握による営業強化」とは具体的には?
以下、具体的にご説明いたします。
1. 「ポスティングの費用対効果の向上」
マンションの販売は、自社物件を見込み客に「認知」してもらうことから始まります。弊社ではこの存在認知を、主に「チラシ」を通じておこなっています。東京など都市部と違い、九州・山口ではやはり紙媒体が告知手段の基本です。チラシは新聞折り込みではなく、各戸にポスティングして直接、届けます。
ポスティングは手間と予算がかかる手法です。従来は「マンション購入に関心のありそうな家庭」という基準で投函してきました。しかし今後はデータ分析を通じて、見込み客像を精度高く把握し、投函の対象を「大英のマンションに関心を持ってくれそうな家庭」まで絞り込みたい。そうすればポスティングの費用対効果が向上します。
2. 「見込み客フォローの精度向上」
チラシによる物件認知の後、一定数の見込み客が「ネット等による資料請求」「モデルルーム来場」に進みます。さらに一定数のお客様が「商談」に進み、その後弊社側が「フォロー営業」を重ね、それがうまく進めば「成約」となります。この「フォロー営業」の部分を、顧客像をよく理解し、精密に実施したい。
フォローは本当に重要で、仮に失注した場合でも必要なのです。実際、ある物件で失注した顧客が、その5年後に別の弊社物件を購入してくださった例もあります。マンションという「大きな買い物」では、予算その他の事情により、いったん購入を見送るものの、数年後にやはり買うということは、十分ありうる。そして、そのタイミングで、弊社のサンパークのことを思い出してもらいたい。それには失注後も「いやがられないよう、しかし忘れられないよう」、顧客接触を続けるのが重要です。この顧客フォローの、やるべき対象とタイミングを、データ分析を通じて明確に把握したいと考えています。
3. 「生産性の向上」
この精度の高いフォロー営業は、実は今まででも一部のベテラン社員なら、経験と勘で「何となく」できていました。しかし、それでは属人性が強すぎます。今後はデータ分析を駆使し、経験の浅い新人社員であっても、良質のフォロー営業が早期に実行できるような状態を作りあげたい。この「早期」という点が重要です。より多くの人間が、より速く、一定の水準に達することができれば、会社全体の生産性が上がるからです。
仕入れ面での活用目的
目的2. 「マンション建設用地の仕入れ力の強化」とは?
大きくは「お客様をよく知り、お客様にとって良い土地を見つけたい」ということです。
従来は「駅から近い」「見晴らしがいい」など、「普通に考えて誰もがよいと思う土地」ばかりに目をつけていました。しかしこれだけでは、この先、限界がある。というのも「誰が見ても良い土地」は、競合もねらってくるからです。
ここでデータ分析を活かし、よりターゲット志向、顧客志向を深め、それを土地の仕入れにも活かしていきたい。過去の土地物件情報、そこに建てられたマンションの販売実績の情報、そこに地域ごとの人口動態、経済概況、住⺠属性などを加え、精緻に分析する。さらに、先ほど述べた「顧客情報分析を通じて得た、理想の見込み客像」を掛け合わせて分析を深めていく。
これにより、通常の判断基準ではさほどでもないが、特定の顧客層にとっては高価値になる、そんな「お客様にとって良い土地」を見つけたい。そうした土地ならば、相対的に安い価格で仕入れられます。
こうした問題意識が社内にあったとき、ある役員がKIに関心を持ちました。高収益企業のキーエンスが発表した分析ツール、という点に興味を持ったようです。
導入の経緯
その後のKI導入の経緯を教えてください。
最初に関心を持ったのは役員でしたが、デモにはマンションの現場担当の私も同席を求められました。「本当に現場で使いこなせるツールなのかどうか見極めてほしい」という要望でした。
私は当時、「キーエンスが高収益」などの話はよく知らず、デモは「白紙の状態」で素直に見ました。それでもデモを見て、「これは良い。ウチの課題を解決できそうだ」と感じました。役員も同じ印象だったようです。その後、さらに詳しい機能、他社での活用例について、キーエンスにヒアリングを重ねる中で、「良いかもしれない」という印象が「非常に良い」という確信に変わりました。私だけでなく広告担当者など他の現場スタッフも、好反応でした。
その後、キーエンスにあらためて役員全員向けのオンラインデモを依頼し、その後、導入に至りました。現在は、顧客データの一元管理システムとKIとの関連づけをおこなっています。KIにはすでに十分な手応えを感じており、データ分析の計画は必ず上手くいくと確信しています。
サポート体制が重要
現在、KIの導入を検討している企業向けに「先輩ユーザーとしてのアドバイス」などあればお聞かせください。
KIを検討中の皆様の中には、こうした分析ツールが果たして自分たちに使いこなせるのかと、不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。実は私たちもそうでした。マンションのことはわかっていても、データ分析は素人同然。こんな自分たちが結果を出して行くには、的確なサポートが必要です。そのサポート体制が大丈夫なのかという点です。正直、KIを導入を決める前は、キーエンスのデータサイエンティストとはどのような人だろう?しっかりサポートしてくれるのだろうか?という不安がありました。具体的には、頭が良く冷たい人だと困るのだが・・・という心配です。
しかし実際にお会いすると、そんな心配事は、一瞬にして一掃されました。説明が明快なだけでなく、親しみやすく話しかけやすい方々でした。今は、基本的なことでも、何でも気軽に質問し、的確にサポートいただいていますので、分析に必要な知識が少しずつ身についていっている実感があります。サポートが安心できるかどうかは、この種のツールを選ぶ上で重要な要素だと思います。
大英産業は、今後もお客様に選ばれる総合住宅不動産会社であるべく尽力していく所存です。
キーエンスには、そうした私たちの取り組みを優れた技術、製品、サポートを通じて後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。
大英産業株式会社
「KIを使い、マンション販売の営業力と建設用地の仕入力の、両方を強化していきます」
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